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後編 その3
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ぽつぽつをアルバートは話し始めた。
「……。君がまだカオスだった……『ハル』だった時。君は不治の病にかかった。君が死んでしまいそうで、焦った私は禁術に手を出した。
君はそれによって、『ハル』の魂のまま転生した。その代償は、君が私との記憶を忘れること。忘れられても、何度でも私を好きにさせる自信はあった。
でも、君がいつも生まれ変わるのは、人間で、いつも何故か聖職者が周りにいた。人間は私たち吸血鬼を特に毛嫌いしてるから、君に会ってちゃんと話す前にいつも君が死んでしまう。
しかも、私がかけた術は君の魂と肉体にズレを生じさせた。その結果、君は基本薄命だった。30になる前に死んでしまうんだ。
……それに気付いたとき、私のせいで君が死んでしまっていて気が狂いそうだった。」
「……『ハル』って僕の前世の名前?」
「そうだよ。カオス時代の君の名前……そう言えば、君も陽加だからハルではあるね。フフフフややこしいね。私が君の名を呼ばないのはハルに申し訳ない気持ちと何て呼んでいいのかわからないからなんだ。君が許してくれるなら名を呼びたい」
「……許すよ。というか前世云々の記憶なんて無いし、別にいいよ」
「ありがとう。許してくれて。君が許してくれることに意味があるんだ。君は私に何て呼んで欲しい?」
「……ルカ、ルカで良いよ。陽加だと未練がでちゃいそうだし、ハルは……僕じゃないみたいで嫌だし」
「そうか。わかったよ、ルカ。あと、私が君に死んでくれと言ったのは、生きたままだとまた、魂のズレのせいで死んでしまうから、一回死んでもらって、そこに私が介入することで、禁術に禁術をぶつけ、理を破るためだったんだ」
「理?」
「簡単にいうと、禁術をかけた影響でルカは短命であることが理となった。そこにさらに禁術をかけたことで、ざっというと猛毒で猛毒を征した感じかな。」
「……それって、結構危ないかけだったんじゃ……」
「……」
「いや、何とか言ってよ!」
「まあ、それはさておき」
「いや、おかないで」
「今回の禁術の代償は、ルカが死んだら私も死ぬようになった」
「えっ? それって、大丈夫なの?」
「まあ、ルカも理が破られて短命ではないし。種族的にも人間からしたら永遠とも言えるくらい長い寿命だし、ルカに残されていくのはもう嫌だから……私は嬉しいよ」
「……重いよ。それに僕はアルバートに死んで欲しくないよ………」
「…………よし。じゃあ、ルカ! 私と結婚してくれ!」
「いやいや、急すぎない? それに僕まだまだ謎だらけだし、文句もたくさんあるからね? 」
「あぁ、わかってる。文句だっていくらでも聞くし、聞きたいことがあれば何でも答えるよ?
例えば私のスリーサイズは、上から「その情報はいらない」あっ、そう………
ルカが聞きたいことがあるなら本当に何でも答えるし、もっと私のことを知って欲しい」
「……じゃあ、とりあえずこの姿じゃ行く宛もないからここに住んで良い?」
「喜んで! いつまでもいて良いよ! それこそ永遠に」
「いやそこまではちょっと……」
「ま、今後のことはまた後で話すとして、とりあえず、もう一回シよう?」
「えっ、ちょ、どこ触って、待っ……んん」
こうして、なし崩し的にアルバートによって変化させられた僕は他に行く宛もなく、アルバートとは結婚し永遠とも言える時間を過ごしました。
結婚まで様々な問題を起こしましたがそれはまた別のお話……
【完】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー🍀
ご愛読ありがとうございました!
短編で書くのは初めてで、情報を盛り込みすぎてしまいました。
結婚までの話等も時間があったら載せたいと思います。
この作品で出てくる【カオス】設定は私の他の作品でも出る予定なので、気になった方は見てみてください。
これからも宜しくお願いいたします!
「……。君がまだカオスだった……『ハル』だった時。君は不治の病にかかった。君が死んでしまいそうで、焦った私は禁術に手を出した。
君はそれによって、『ハル』の魂のまま転生した。その代償は、君が私との記憶を忘れること。忘れられても、何度でも私を好きにさせる自信はあった。
でも、君がいつも生まれ変わるのは、人間で、いつも何故か聖職者が周りにいた。人間は私たち吸血鬼を特に毛嫌いしてるから、君に会ってちゃんと話す前にいつも君が死んでしまう。
しかも、私がかけた術は君の魂と肉体にズレを生じさせた。その結果、君は基本薄命だった。30になる前に死んでしまうんだ。
……それに気付いたとき、私のせいで君が死んでしまっていて気が狂いそうだった。」
「……『ハル』って僕の前世の名前?」
「そうだよ。カオス時代の君の名前……そう言えば、君も陽加だからハルではあるね。フフフフややこしいね。私が君の名を呼ばないのはハルに申し訳ない気持ちと何て呼んでいいのかわからないからなんだ。君が許してくれるなら名を呼びたい」
「……許すよ。というか前世云々の記憶なんて無いし、別にいいよ」
「ありがとう。許してくれて。君が許してくれることに意味があるんだ。君は私に何て呼んで欲しい?」
「……ルカ、ルカで良いよ。陽加だと未練がでちゃいそうだし、ハルは……僕じゃないみたいで嫌だし」
「そうか。わかったよ、ルカ。あと、私が君に死んでくれと言ったのは、生きたままだとまた、魂のズレのせいで死んでしまうから、一回死んでもらって、そこに私が介入することで、禁術に禁術をぶつけ、理を破るためだったんだ」
「理?」
「簡単にいうと、禁術をかけた影響でルカは短命であることが理となった。そこにさらに禁術をかけたことで、ざっというと猛毒で猛毒を征した感じかな。」
「……それって、結構危ないかけだったんじゃ……」
「……」
「いや、何とか言ってよ!」
「まあ、それはさておき」
「いや、おかないで」
「今回の禁術の代償は、ルカが死んだら私も死ぬようになった」
「えっ? それって、大丈夫なの?」
「まあ、ルカも理が破られて短命ではないし。種族的にも人間からしたら永遠とも言えるくらい長い寿命だし、ルカに残されていくのはもう嫌だから……私は嬉しいよ」
「……重いよ。それに僕はアルバートに死んで欲しくないよ………」
「…………よし。じゃあ、ルカ! 私と結婚してくれ!」
「いやいや、急すぎない? それに僕まだまだ謎だらけだし、文句もたくさんあるからね? 」
「あぁ、わかってる。文句だっていくらでも聞くし、聞きたいことがあれば何でも答えるよ?
例えば私のスリーサイズは、上から「その情報はいらない」あっ、そう………
ルカが聞きたいことがあるなら本当に何でも答えるし、もっと私のことを知って欲しい」
「……じゃあ、とりあえずこの姿じゃ行く宛もないからここに住んで良い?」
「喜んで! いつまでもいて良いよ! それこそ永遠に」
「いやそこまではちょっと……」
「ま、今後のことはまた後で話すとして、とりあえず、もう一回シよう?」
「えっ、ちょ、どこ触って、待っ……んん」
こうして、なし崩し的にアルバートによって変化させられた僕は他に行く宛もなく、アルバートとは結婚し永遠とも言える時間を過ごしました。
結婚まで様々な問題を起こしましたがそれはまた別のお話……
【完】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー🍀
ご愛読ありがとうございました!
短編で書くのは初めてで、情報を盛り込みすぎてしまいました。
結婚までの話等も時間があったら載せたいと思います。
この作品で出てくる【カオス】設定は私の他の作品でも出る予定なので、気になった方は見てみてください。
これからも宜しくお願いいたします!
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