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【どちらも外れ】これが愛
4話
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「ミアナ! 良かった目を覚ましたんだね。私の祈りが神に届いたのかもしれないな」
私が涙ながらに言えば
「貴方は…誰ですか? ミアナは私?」
「!?」
(どういうことだ?)
驚き過ぎて涙が途切れた。そして、怪訝な顔になった私にミアナは怯えた表情をする。
(こんな彼女を私は知らない)
いつもなら、私のことを蔑んだ目で見ながら「気持ち悪いわ」
というはずの彼女が、私を恐れる?
まさか、そんなことがと思いながら彼女に問う
「君は私が誰かわからないの?」
彼女は静かに首を縦に振る
「…君は自分の名前は言える?」
彼女は首を横に振る。その動作や表情に不審な所はない
(まさか、本当に)
「君は記憶がないのか?」
コクンと頷く彼女にどうすればよいか、こちらも動きが止まる
(これは……どうするべきだ。私との出会い等もすべて忘れている彼女は……果たして『彼女』だと言えるのだろうか……しかし、私がここに存在しているのもミアナのおかげで……)
私が動きを止めたことで、ミアナはあたふたし始めた。
(か、可愛い。なんだその動き……小動物みたいだな)
そして、意を決したように私の手を両手で掴む。その手からはまだ私に怯えているのだろう。震えが伝わってくる。しかし、彼女はそれでも私の手を包み「だいじょうぶ?」と首をかしげながら聞くのだ。
「フフフ」
思わず笑みがこぼれてしまった。
(ああ、いつも貴女だけが殺伐とした私の心を和やかにしてくれる。……今回のことは、もしかしたらチャンスかもしれない。彼女が……ミアナが私を愛してくれる)
「あぁ、私は大丈夫だよ。
まず、君の名前はミアナ。ミアナ・ポースだよ。ポース伯爵家の令嬢だ」
「私はミアナ? 伯爵家の令嬢?」
「そうだよ。そして、私はミアナの婚約者であるリアム・アビッソ。 爵位は公爵だね 」
「婚約者? リアム? 公爵」
「あ、ごめんね。一気に情報を渡しすぎたね。とりあえず、自分の名前と私の名を覚えてね」
「はい!」
この後、確認したところミアナは何もかもすべて忘れているわけではないらしい。彼女が忘れているのは周囲の人間に関して……例えば私や自身の名前や爵位等だった。
(これは……本当に私にとって好都合だ。これが神が与えたチャンスというならその神を祭り上げたい気分だな。……まぁ、ミアナに手を出そうとした奴等は始末するが)
ミアナは自分の名前と私の名前をぶつぶつと唱えながら、必死に覚えようとしている。
(可愛いな)
その後、名前を覚えた彼女は爵位に興味を持ったようだ。なので、私は爵位については説明したが、それ以外は追々教えるとした。
「ミアナ」
「なんですか? 公爵様」
「公爵様なんて言い方やめてくれ。貴女と私はラブラブだったんだから」
その言葉を発した時、天井でガタッと音がした。
(・・・あいつらは私直々に教育してやろう)
私がどんな訓練がいいかと考えているとき、彼女は「あら? ネズミかしら」と微笑んでいた。
(……以前の彼女であれば全て見通した上で笑っていただろうが、今の彼女は本当にただのネズミだと思っているようだな……裏のない笑顔もこれはこれで好きだ)
私が涙ながらに言えば
「貴方は…誰ですか? ミアナは私?」
「!?」
(どういうことだ?)
驚き過ぎて涙が途切れた。そして、怪訝な顔になった私にミアナは怯えた表情をする。
(こんな彼女を私は知らない)
いつもなら、私のことを蔑んだ目で見ながら「気持ち悪いわ」
というはずの彼女が、私を恐れる?
まさか、そんなことがと思いながら彼女に問う
「君は私が誰かわからないの?」
彼女は静かに首を縦に振る
「…君は自分の名前は言える?」
彼女は首を横に振る。その動作や表情に不審な所はない
(まさか、本当に)
「君は記憶がないのか?」
コクンと頷く彼女にどうすればよいか、こちらも動きが止まる
(これは……どうするべきだ。私との出会い等もすべて忘れている彼女は……果たして『彼女』だと言えるのだろうか……しかし、私がここに存在しているのもミアナのおかげで……)
私が動きを止めたことで、ミアナはあたふたし始めた。
(か、可愛い。なんだその動き……小動物みたいだな)
そして、意を決したように私の手を両手で掴む。その手からはまだ私に怯えているのだろう。震えが伝わってくる。しかし、彼女はそれでも私の手を包み「だいじょうぶ?」と首をかしげながら聞くのだ。
「フフフ」
思わず笑みがこぼれてしまった。
(ああ、いつも貴女だけが殺伐とした私の心を和やかにしてくれる。……今回のことは、もしかしたらチャンスかもしれない。彼女が……ミアナが私を愛してくれる)
「あぁ、私は大丈夫だよ。
まず、君の名前はミアナ。ミアナ・ポースだよ。ポース伯爵家の令嬢だ」
「私はミアナ? 伯爵家の令嬢?」
「そうだよ。そして、私はミアナの婚約者であるリアム・アビッソ。 爵位は公爵だね 」
「婚約者? リアム? 公爵」
「あ、ごめんね。一気に情報を渡しすぎたね。とりあえず、自分の名前と私の名を覚えてね」
「はい!」
この後、確認したところミアナは何もかもすべて忘れているわけではないらしい。彼女が忘れているのは周囲の人間に関して……例えば私や自身の名前や爵位等だった。
(これは……本当に私にとって好都合だ。これが神が与えたチャンスというならその神を祭り上げたい気分だな。……まぁ、ミアナに手を出そうとした奴等は始末するが)
ミアナは自分の名前と私の名前をぶつぶつと唱えながら、必死に覚えようとしている。
(可愛いな)
その後、名前を覚えた彼女は爵位に興味を持ったようだ。なので、私は爵位については説明したが、それ以外は追々教えるとした。
「ミアナ」
「なんですか? 公爵様」
「公爵様なんて言い方やめてくれ。貴女と私はラブラブだったんだから」
その言葉を発した時、天井でガタッと音がした。
(・・・あいつらは私直々に教育してやろう)
私がどんな訓練がいいかと考えているとき、彼女は「あら? ネズミかしら」と微笑んでいた。
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