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2章 修行【魔界】
メフィストの冒険?③
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「おぉ、人間多いな~」
「なんだぁ、あんちゃん。皇都は初めてか~?」
急に話しかけてきたのは後ろに並んでいた酔っぱらってる男だった。
「んー、まあそうだね。こうやって外から入るのは初めてだね」
「んんー、あはっはは、なんだか変な言い回しだなあんちゃん。俺はよ~久々に帰ってきたんだぜ~。それに、新皇帝である英雄王、カイセル陛下が悪魔を倒したって聞いてな~」
あの話がどう伝わってるのか気になりそのまま男に話を促す。
「悪魔を倒した?」
「そうさ!」
そこから男はさらに興奮して話し始めた
「カイセル陛下は、元皇太子であった者の正体を悪魔だと見破って倒したんだ! 陛下についていけば、この国は安泰だぜ! メリューク皇国に幸福あれ! がははははっ」
今すぐ酒ぐさい口を閉じさせたかったが、この男は各地を巡っている商人らしく、色々と情報を仕入れられたのでそのままにすることにした。
それにしても………いやー、すごく話が盛られてるねー………
酔っぱらいの商人から聞いた話は予想の何倍も悪いものだった。
いわく、元皇太子は悪魔でありそれを討ち取ったのがカイセルだというものや、ソフィアは魔女であり、魅了を使い男を堕落させようとしたため火炙りにされた。皇帝は元皇太子に惨殺された。元皇太子は国民を全員悪魔の供物にするつもりだった。元皇太子とその婚約者は、神の怒りに触れたために遺体は骨ひとつ残らず塵と化した。などなど、色々と噂話を聞いた。
聞いて思った感想としては、アホとあばズレの罪のほとんどがラディ達に擦り付けられてるなと感じた。真実を知っている者としては、もはや、自らの罪の告白なんじゃないかというくらいだ。
(ま、最後の噂だけはあながち間違ってはないかな? 対象が違うけどね)
神の怒りに触れたのは、どちらかと言えばバカ達だ。
それにしても、僕が二人を奈落に連れて行ったことを神の怒りとは………ふふふ。何て皮肉なんだろう。
まあ、自分達が何の逆鱗に触れたのかはこの後嫌というほど理解するだろう。
「おーい、あんちゃん! そろそろ門につくぞ~ 身分証用意しとけよ。そうすりゃ、グダグダしなくて済むからな~」
「うん。わかったよ。おじさんもそろそろお酒のむのやめた方がいいんじゃない?」
「ん~? ああ、そろそろ飲み終わるぜ~」
「ふーん。あ! そうだおじさん。その魔女?に関する噂って他にないの?」
「んー? あー、噂じゃないけどとっておきのがあるぜ~」
「どんな話~?」
「なんとな、その魔女の家族が1か月か2か月後位に処刑されるんだとよ」
思わぬところで良い情報を得られた。
「へぇ~、それはそれは」
「俺もこの機会に一儲けしようと思って帝都に来たわけよ。魔女の家族だからな、大々的に火炙りにされるだろうな~。見物だぜ~!」
「まあ、見物だろうね」
確かに見物だろうね!
面白そうな情報も手に入れたし、さっさっと宰相にならなきゃね。
「次!」
「あ、そろそろ僕の番かな。おじさん面白い話しありがとうね~」
「あぁ~、良いってことよ!」
「じゃあね~」
「おお! 帝都を楽しめよ~」
「うん! あ、そうだ。お礼に………はい! おじさんには慈悲をかけてあげるね」
「あっ、おい!……………なんだったんだ? 変なあんちゃんだな それにしても慈悲って………ん? 騒がしいな アッ!?」
グチャッ
酔っぱらいの男は、少し不思議な青年に肩を軽く叩かれ、そのまま走り去る青年に気を取られたために後ろの荷台に積んでいた荷物が落ちてくることに気付くことができなかった。
運悪く落ちてきた荷台には、重い物しか乗っていなかったため、男は誰の目から見ても即死の状態だった。
そして、荷台を留めていた縄はキレイに切れていたが、犯人はわからなかったそうだ……
「魂の回収はまた今度で良いかな? 主神はなんか言ってきそうだけど、今回はしょうがないよね? ふふふ。
それにしても、ここが皇都か。中の方がほんとにごみがいっぱいだな~。早くラディ達来ないかな~ ラディ達が来たらごみ掃除をしないとね」
その後、ゴミを片したてしまいたいのを抑え、復讐の準備を始めるメフィストだった。
~ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【慈悲とは………】
「なんだぁ、あんちゃん。皇都は初めてか~?」
急に話しかけてきたのは後ろに並んでいた酔っぱらってる男だった。
「んー、まあそうだね。こうやって外から入るのは初めてだね」
「んんー、あはっはは、なんだか変な言い回しだなあんちゃん。俺はよ~久々に帰ってきたんだぜ~。それに、新皇帝である英雄王、カイセル陛下が悪魔を倒したって聞いてな~」
あの話がどう伝わってるのか気になりそのまま男に話を促す。
「悪魔を倒した?」
「そうさ!」
そこから男はさらに興奮して話し始めた
「カイセル陛下は、元皇太子であった者の正体を悪魔だと見破って倒したんだ! 陛下についていけば、この国は安泰だぜ! メリューク皇国に幸福あれ! がははははっ」
今すぐ酒ぐさい口を閉じさせたかったが、この男は各地を巡っている商人らしく、色々と情報を仕入れられたのでそのままにすることにした。
それにしても………いやー、すごく話が盛られてるねー………
酔っぱらいの商人から聞いた話は予想の何倍も悪いものだった。
いわく、元皇太子は悪魔でありそれを討ち取ったのがカイセルだというものや、ソフィアは魔女であり、魅了を使い男を堕落させようとしたため火炙りにされた。皇帝は元皇太子に惨殺された。元皇太子は国民を全員悪魔の供物にするつもりだった。元皇太子とその婚約者は、神の怒りに触れたために遺体は骨ひとつ残らず塵と化した。などなど、色々と噂話を聞いた。
聞いて思った感想としては、アホとあばズレの罪のほとんどがラディ達に擦り付けられてるなと感じた。真実を知っている者としては、もはや、自らの罪の告白なんじゃないかというくらいだ。
(ま、最後の噂だけはあながち間違ってはないかな? 対象が違うけどね)
神の怒りに触れたのは、どちらかと言えばバカ達だ。
それにしても、僕が二人を奈落に連れて行ったことを神の怒りとは………ふふふ。何て皮肉なんだろう。
まあ、自分達が何の逆鱗に触れたのかはこの後嫌というほど理解するだろう。
「おーい、あんちゃん! そろそろ門につくぞ~ 身分証用意しとけよ。そうすりゃ、グダグダしなくて済むからな~」
「うん。わかったよ。おじさんもそろそろお酒のむのやめた方がいいんじゃない?」
「ん~? ああ、そろそろ飲み終わるぜ~」
「ふーん。あ! そうだおじさん。その魔女?に関する噂って他にないの?」
「んー? あー、噂じゃないけどとっておきのがあるぜ~」
「どんな話~?」
「なんとな、その魔女の家族が1か月か2か月後位に処刑されるんだとよ」
思わぬところで良い情報を得られた。
「へぇ~、それはそれは」
「俺もこの機会に一儲けしようと思って帝都に来たわけよ。魔女の家族だからな、大々的に火炙りにされるだろうな~。見物だぜ~!」
「まあ、見物だろうね」
確かに見物だろうね!
面白そうな情報も手に入れたし、さっさっと宰相にならなきゃね。
「次!」
「あ、そろそろ僕の番かな。おじさん面白い話しありがとうね~」
「あぁ~、良いってことよ!」
「じゃあね~」
「おお! 帝都を楽しめよ~」
「うん! あ、そうだ。お礼に………はい! おじさんには慈悲をかけてあげるね」
「あっ、おい!……………なんだったんだ? 変なあんちゃんだな それにしても慈悲って………ん? 騒がしいな アッ!?」
グチャッ
酔っぱらいの男は、少し不思議な青年に肩を軽く叩かれ、そのまま走り去る青年に気を取られたために後ろの荷台に積んでいた荷物が落ちてくることに気付くことができなかった。
運悪く落ちてきた荷台には、重い物しか乗っていなかったため、男は誰の目から見ても即死の状態だった。
そして、荷台を留めていた縄はキレイに切れていたが、犯人はわからなかったそうだ……
「魂の回収はまた今度で良いかな? 主神はなんか言ってきそうだけど、今回はしょうがないよね? ふふふ。
それにしても、ここが皇都か。中の方がほんとにごみがいっぱいだな~。早くラディ達来ないかな~ ラディ達が来たらごみ掃除をしないとね」
その後、ゴミを片したてしまいたいのを抑え、復讐の準備を始めるメフィストだった。
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【慈悲とは………】
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