君が僕を呼んだから

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2章 修行【魔界】

22話

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「じゃあ、自己紹介はもういいわね。本題に入りましょうか」

「ああ」
「はい」

 「ソフィアちゃんは、メフィストから貰った紙……いや本ね。それを見ながらやれば大丈夫のはず」

「はずって……」

「メフィストが雑な仕事なのはよくあることだから確定ではないわ。ただ、今回の契約履行は本気でかかってるみたいだし、大丈夫だと思うわ。まあ、何かあったらあたしに聞いて。教えてあげる」

「はい。ありがとうございます」

そう言うと、ソフィアは本とにらめっこを始めた。


「まぁ、ソフィアちゃんは体が悪魔だし、界移動の不可にも耐えられるだろうからまだいいとして、問題は人間のラディちゃんよ!」

「うっ、もういっそのこと悪魔になってしまえば」
「そうもいかないのよね……  特にあなたの場合(ボソッ)」

「何故だ?」
「誓約よ、簡単に言うとね。まあ、今それについて話してもどうにもならないでしょうし、気にしなくていいわ。だから、ラディちゃんは人間の体のまま界移動に耐えれるようにしなきゃいけないわけよ」

「具体的にはどうすれば耐えられそうなんだ?」
「そうね。………悪魔と殺り合って死ななきゃ大丈夫よ」

コカビエルは真剣な顔で言う

「殺り合う? ………殺し合えというのか、悪魔と」
「ぷっ、ふふ冗談よ。人間が悪魔と殺し合って勝てるはずないでしょ。一発で死ぬわよ」

「………」

「まあ、冗談はさておき。ラディちゃんの修行メニューはあたしが考えてあげる。界を越えても爆発四散しない様にしなきゃね」

「………爆発四散」

自分が界移動に耐えられなかった場合を想像してしまった。メフィストは肉塊になると言っていたために、さらにイメージは悪くなるし、皇国に着いた瞬間にパーンと破裂する自分を想像してしまい、悪寒が走る。そんなイメージを払拭するように1度頭を振る。

「そんなに顔色悪くしなくても大丈夫よ。あたしがちゃーんと向こうに着くようにしてあげるわ。それに、もし失敗しても一部だけになるようにしてあげるから大丈夫よ」


聞き捨てならない言葉を発するコカビエルにそれを質問する。
「一部だけとは?」

「もし、下界に行く時に修行が足りなかった場合の応急措置よ。今のままだと全身が爆発四散しちゃうんだけど、両手とか、両足とか……まあ取れても大丈夫な一部のみが爆発四散するように調節するのよ」

………全くもって、安心できない答えが返ってきた。なんだ、取れても大丈夫って。人間、取れても大丈夫な部位はない。というか大丈夫とはどういう意味だ?

「取れても大丈夫の意味は?」

「それはあれよ。頭とか胴体が四散すると絶望的でしょ、蘇生が」

………そうだったのか 

「だって、大まかに肉塊を拾い集めないといけないなんて面倒じゃない」

絶望的の意味が俺の想像してたのと違う!
面倒で済ませるな。こちらは体が四散するんだぞ!

「………出来れば、全身が爆発四散しないようにお願いします」
「ええ、いいわよ。そのためにもラディちゃんは頑張りましょうね」
「ああ………」

悪魔との会話は精神面をゴリゴリと消費する必要がありそうだ。
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