君が僕を呼んだから

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2章 修行【魔界】

20話

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「はーい。じゃあこれで顔合わせは済んだよね? 僕は本当にそろそろ行くから、コカビエル。よろしくね?」

「そんなに釘を指さなくてもあたしとあんたの誓約がある限り、手を出せないから安心しなさいよ」

「誓約に背くかもしれないじゃないか」
「誓約破ったら罰あるじゃない! しないわよ。……そんなにあたし信用無いかしら?」
「んー、堕天使ってある種の裏切り行為をしたからなったんだよね?」
「……それを言われると信用どうこう言えないわね」
「まぁ、他の悪魔や堕天使より信用あるから呼んだんだけど。ある意味此処に呼んでることが信用でしょ?」
「ま、まぁそう言うんなら引き受けてあげるわよ。それにラディちゃん超良い子だし……いろいろと」

「コカビエル」
「そんな低い声出さなくても良いじゃない。実際事実でしょう?」
「事実でも、ラディはなんだから……君にも、誰にもあげないよ?」

「はいはい、執着もほどほどになさいよ。とりあえず、下界に降りる前にラディちゃんの縛り少し弱めてね? 巻き過ぎよ。あれじゃあいくら修行しても成長できないわよ」

「……わかったよ」


メフィストは渋々といった様子で、俺の胸に手を当てると、鍵を開けるかのように手首を捻る。すると、俺の聞き間違えだと思うがガチャっと言う音がしたような気がした。そして、先ほどより魔力量が急に増したように感じた。

「これでいいよね?」
メフィストはコカビエルに笑顔で何かを訴える

「……緩めるの1つなのね。しかもそれ以上緩める気はないと………はぁ~、これは重症ね。本当に」

メフィストはニコニコしている。
それに対してコカビエルは疲れと呆れをにじませた表情をしている。

(この二人………仲いいんだよな?)


メフィストは俺に抱きつき、「行ってくるね」と言うと指を鳴らし、目の前から消えた。



メフィストが去った後

「あの、コカビエル様?」
「様は要らないわよ。二人とも」
「えっと、コカビエルさん」
「んー、ちょっと堅いわね」
「えーと、コカビエル‥殿」
「さらにお堅くなってない?」
「あーもう! コカビエル!」
「そうそう! 良いわ~。久々よメフィスト以外に呼び捨てにされるのは‥……ゾクゾクするわね」

勢いで呼び捨てで呼んだ。もっと他に呼び方があっただろうに………
それに対してコカビエルは恍惚とした表情をしている。

俺もその表情を見ておそらくコカビエルと意味は全く違うがゾクゾクした。

「えーと、じゃあコカビエル」
最後の方は少し小声になってしまう。流石に契約もしてない悪魔を呼び捨ては心への負担がでかい。

「何かしらラディちゃん」
「……まずなんで俺、ちゃん付け?」
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