17 / 36
1章 死。【奈落】
14話
しおりを挟む
「では作戦通りに」
「了解だよラディ!」
「はい!ラディ様!」
俺たちは今、中間界。メリューサ皇国の隣国に来ていた
時は遡ること一月前
俺たちは奈落にいた。最高の復讐計画をたて、「よし! 復讐だ!」となったはいいが、ここは奈落だ。計画を立てようとも、実行できなければ意味はない。そう気付いて、それらについてメフィストに聞こうとすると……
「ラディの考えてることは契約から繋がりができたから聞かなくてもわかるよ~それについては僕が考えてあるから大丈夫だよ。フフフフ 嫌そうな顔だね」
聞きたかったことは、メフィストにさらっと言われてしまった。
「だけど、君達はまず鍛えないと中間界へは行けないよ?」
また、この悪魔はニコニコと情報を後出しする
「はぁー。……メフィスト。説明をしてくれ」
「うん!いいよ~。まずね、ここは中間界ではなく奈落でしょ。界が全く異なるんだよ。そして、この界から中間界に今のラディ達が無理に界を越えようとすると……」
「……越えようとするとどうなるんだ?」
「界移動の負荷に耐えられず、向こうにつく頃には肉塊となるだろうね」
この悪魔、とんでもないことをさらりと言う。性格が悪い。先ほどまでのよし復讐だ、という空気はなんだったのだろうか
「はぁー、鍛えるにはどれ程時間が必要なんだ?」
「それはラディたち次第かな? ソフィアは肉体的には悪魔になったから、それにともなって増えた魔力の制御を中心に鍛えれば問題ないよ。だから、そんな時間はかからない。でも、ラディの肉体は人間だから、ラディはいろいろやらないとダメかな~。」
「俺次第ということか……」
すぐ復讐に行けないとわかり、少し落ち込んだ
「まあ、そんな落ち込まないでよ。ラディがここで鍛えれば、魔王にだって勝てるようになるからね!」
「俺は別に魔王を倒す気はないんだが……それに会うこともないだろう」
「ハイハイ……まあ、会うことにはなると思うけど(ボソッ)」
「? 最後聞き取れなかったんだが」
「気にしなくても大丈夫だよ。フフフフ。少しこれからを想像してわくわくしてるんだよ」
メフィストはにこにこしながら言う
そして、メフィストが指を鳴らすと、空間が歪んだ。
「フフフフ。じゃあ、行こっか?」
「どこに行くんだ?」
「ここじゃ満足に鍛えられないでしょ? だから、それができるとこに行くんだよ」
「でも、界移動はラディ様の体に負荷がかかるのではありませんでしたか?」
ソフィアが俺を気遣って問いかける
すると、メフィストは「はぁ~」と呆れたようにため息をはいた。
「ラディに負担がかかること僕がするはずがないでしょ?」
「そうでしたか。申し訳ありません、出過ぎたことを聞きました」
このふたり、特にソフィアに対するメフィストのあたりがキツい。メフィストが俺大好きっ子というのは理解できたが、こんな状態で大丈夫だろうか……
「私のラディ様に悪意あるものは、相手が誰であろうとも私が倒します。その確認ですので、気にしないで下さいませ」
おーと、ソフィアもそれがわかってるであろうに、『私の』の部分を強調する
「んー!もう!僕のラディなんだからね!」
「はぁ、おい。お前たち俺は所有物ではない。そんな言い争いはやめて早く行くぞ」
俺が歪みに行くと後ろから二人が俺はどちらのものか口論は続いていたがついてきた。
このふたりの優先順位は
俺≫復讐
のようだ
歪みを抜けた先には、先ほどまでと異なり、いかにも魔界といった景色が広がっていた
その景色に驚いていると、俺たちのものじゃない声が聞こえた
「ようこそ、魔界へ!」
「了解だよラディ!」
「はい!ラディ様!」
俺たちは今、中間界。メリューサ皇国の隣国に来ていた
時は遡ること一月前
俺たちは奈落にいた。最高の復讐計画をたて、「よし! 復讐だ!」となったはいいが、ここは奈落だ。計画を立てようとも、実行できなければ意味はない。そう気付いて、それらについてメフィストに聞こうとすると……
「ラディの考えてることは契約から繋がりができたから聞かなくてもわかるよ~それについては僕が考えてあるから大丈夫だよ。フフフフ 嫌そうな顔だね」
聞きたかったことは、メフィストにさらっと言われてしまった。
「だけど、君達はまず鍛えないと中間界へは行けないよ?」
また、この悪魔はニコニコと情報を後出しする
「はぁー。……メフィスト。説明をしてくれ」
「うん!いいよ~。まずね、ここは中間界ではなく奈落でしょ。界が全く異なるんだよ。そして、この界から中間界に今のラディ達が無理に界を越えようとすると……」
「……越えようとするとどうなるんだ?」
「界移動の負荷に耐えられず、向こうにつく頃には肉塊となるだろうね」
この悪魔、とんでもないことをさらりと言う。性格が悪い。先ほどまでのよし復讐だ、という空気はなんだったのだろうか
「はぁー、鍛えるにはどれ程時間が必要なんだ?」
「それはラディたち次第かな? ソフィアは肉体的には悪魔になったから、それにともなって増えた魔力の制御を中心に鍛えれば問題ないよ。だから、そんな時間はかからない。でも、ラディの肉体は人間だから、ラディはいろいろやらないとダメかな~。」
「俺次第ということか……」
すぐ復讐に行けないとわかり、少し落ち込んだ
「まあ、そんな落ち込まないでよ。ラディがここで鍛えれば、魔王にだって勝てるようになるからね!」
「俺は別に魔王を倒す気はないんだが……それに会うこともないだろう」
「ハイハイ……まあ、会うことにはなると思うけど(ボソッ)」
「? 最後聞き取れなかったんだが」
「気にしなくても大丈夫だよ。フフフフ。少しこれからを想像してわくわくしてるんだよ」
メフィストはにこにこしながら言う
そして、メフィストが指を鳴らすと、空間が歪んだ。
「フフフフ。じゃあ、行こっか?」
「どこに行くんだ?」
「ここじゃ満足に鍛えられないでしょ? だから、それができるとこに行くんだよ」
「でも、界移動はラディ様の体に負荷がかかるのではありませんでしたか?」
ソフィアが俺を気遣って問いかける
すると、メフィストは「はぁ~」と呆れたようにため息をはいた。
「ラディに負担がかかること僕がするはずがないでしょ?」
「そうでしたか。申し訳ありません、出過ぎたことを聞きました」
このふたり、特にソフィアに対するメフィストのあたりがキツい。メフィストが俺大好きっ子というのは理解できたが、こんな状態で大丈夫だろうか……
「私のラディ様に悪意あるものは、相手が誰であろうとも私が倒します。その確認ですので、気にしないで下さいませ」
おーと、ソフィアもそれがわかってるであろうに、『私の』の部分を強調する
「んー!もう!僕のラディなんだからね!」
「はぁ、おい。お前たち俺は所有物ではない。そんな言い争いはやめて早く行くぞ」
俺が歪みに行くと後ろから二人が俺はどちらのものか口論は続いていたがついてきた。
このふたりの優先順位は
俺≫復讐
のようだ
歪みを抜けた先には、先ほどまでと異なり、いかにも魔界といった景色が広がっていた
その景色に驚いていると、俺たちのものじゃない声が聞こえた
「ようこそ、魔界へ!」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
【完結】捨てられ正妃は思い出す。
なか
恋愛
「お前に食指が動くことはない、後はしみったれた余生でも過ごしてくれ」
そんな言葉を最後に婚約者のランドルフ・ファルムンド王子はデイジー・ルドウィンを捨ててしまう。
人生の全てをかけて愛してくれていた彼女をあっさりと。
正妃教育のため幼き頃より人生を捧げて生きていた彼女に味方はおらず、学園ではいじめられ、再び愛した男性にも「遊びだった」と同じように捨てられてしまう。
人生に楽しみも、生きる気力も失った彼女は自分の意志で…自死を選んだ。
再び意識を取り戻すと見知った光景と聞き覚えのある言葉の数々。
デイジーは確信をした、これは二度目の人生なのだと。
確信したと同時に再びあの酷い日々を過ごす事になる事に絶望した、そんなデイジーを変えたのは他でもなく、前世での彼女自身の願いであった。
––次の人生は後悔もない、幸福な日々を––
他でもない、自分自身の願いを叶えるために彼女は二度目の人生を立ち上がる。
前のような弱気な生き方を捨てて、怒りに滾って奮い立つ彼女はこのくそったれな人生を生きていく事を決めた。
彼女に起きた心境の変化、それによって起こる小さな波紋はやがて波となり…この王国でさえ変える大きな波となる。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる