君が僕を呼んだから

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1章 死。【奈落】

視点 メフィスト 【出会い ①】

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あははははは
僕はこんなに楽しいのはラディと会ったとき以来だと考えていた。



ラディと初めて出会ったのは、ある森の中にある洞窟の最奥だった。正確にはダンジョンの最下層だ。また、ある森なんて濁して言ったけど、【迷いの森】という場所。まあ、迷うよね? 最近は魔族の王である魔王・・が住み始めた。あれ魔王が結界を張ったせいで許可がある者以外迷うようになってしまった。

まあ、僕ら悪魔・・天使・・といった界が異なる・・・・・種族には効かないから関係ないけど……


人族の中には、たまに悪魔と魔人を同一視するアホな奴がいるけどそれは間違いだ。しかも、人間はすべての国で悪魔と魔人を同じようなものとしてとらえていた。

まあ、王族の中には古代語を学び正しい情報を得た者もいたようだが、その内容から秘匿し、【次代の王以外には伝えてはいけない】といった制限をかけている国も存在していた。

ラディの国。メリューク皇国は言い伝えが途絶えた国だった。しかし、ラディだけは悪魔と魔族の違いを理解していた。あの子は幼い頃から賢かった。それこそ、初代皇帝であるメリューク皇帝の再来といわれるほどに。だから、あの子は自ら古代語を学んだ。そして、そこからたどり着いたのだ。あの国に封印されている。つまり、……ね。そしてラディはわかってたんだ。僕の封印が解けることを。封印が解けかけたことで漏れ出た僕の魔力に影響されて魔物の被害も増えていた。

だから、ラディは僕を再封印することにしたんだ。でも、あの子は皇子様でしょ?

皇帝にばか正直に悪魔を再封印するなんて言ったら止められるのは目に見えてる。だから、あの子は迷いの森の近くの温泉地に視察に行くことにした。

ラディの婚約者であるソフィアは当時からラディ命って感じだった。彼女の領地こそ、その温泉街だ。婚約者に会いに行くという名目を得て、彼は向かった。彼女の父である公爵に挨拶を済ませ、彼女と遊びや街の視察をした。

そして、彼らは帰り道魔物に襲われた。
護衛からしたら普段通りに魔物を倒し、皇子を護ればよかった。しかし、皇子の行動は誰にも予測できないものだった。

皇子を乗せた馬車は確かに無事だった。キズひとつ無い。しかし、姿


ラディは、自らの意思で迷いの森に向かった。
本来の目的である

しかし、それは果たされず、僕とラディは仮契約を結んだ。


フフフフ、なぜ僕が封印されているはずなのにその時のラディのことをこんなにも解っているのか、なぜラディは封印するはずだった僕と仮契約を結んでしまったのか。


不思議でしょ?


まあ、続きの話は復讐の間に話してあげるよ 

気が向いたらね……フフフフ



さぁ、ラディ。
復讐を始めようか

あの愚か者どもに、地獄を教えてあげようね!
あははははははははっ
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