君が僕を呼んだから

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1章 死。【奈落】

7話

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死の直前のこと全てを思い出し、憎しみや悲しみ、恨み、後悔。様々な感情に頭のなかを支配していると急に目の空間が歪み始めた。


「なっ、なんだっ!」
すぐ戦闘に入れるように立ち上がった


すると何もなかった空間に、歪み始めた空間が大きくなったと思ったらそこから人が現れたのだ。
「っ!?」
驚きすぎて俺は声が出せなかった。




すると目の前に現れたやつは

「フフフっ。ラディってば驚きすぎじゃない?」

と笑いながら俺に話しかけてきた。



「お前は誰だ?俺はお前とは会ったことなどないぞ」

そういうと目の前のやつは悲しそうに


「そっか、やっぱりラディは忘れちゃってるんだね……。 あの森での出来事を。」

「なんのことだ?」

そう俺が言うと


「大丈夫。すべて僕が思い出させてあげる」

すると一瞬で俺の前に移動したそいつは、次の瞬間、俺の顔面を鷲掴みにしてきた。


「何する気だっ!」

皇太子であった自分にこんなことをする人間はいなかったため、相手の動きを予想できなかった。


「ラディ、大丈夫だよ。 ただ思い出すべきことを思い出すだけさ。フフフ」

そう言ってそいつは魔力を流し始めた。


ズキズキッズキズキッ
「グ、ぐぁあぁぁああ!!!」

またしても、耐えがたい頭痛に襲われる。
しかし、今回はどう考えても目の前のやつが原因なのだからこの手をどけてしまえば良い

「ぐぁぁああ!!!  クっ?! クソッッ! 手を、どけろぉぉっっ!!」

そう言って今自分が出せるフルパワーを出し、こいつの腕をへし折るように力をかけたのだが……


「あははっ! ラディってば、くすぐったいよ」

そう言ってこいつは本当になんでもないことのように言う




あの後抵抗を続けてはいたが、途中から力が入らなくなり、あいつの手が俺の体を支えている状態になった



「そろそろ良いかな?」


俺はいまだに襲われる頭痛と、自らの口から出ているうめき声を聞きながら、あいつのその声が聞こえたと同時に気を失った。
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