上 下
13 / 15
Sweet3.天井くんは少し苦くてとびきり甘い

4.)

しおりを挟む
「あっつ~、小桃そっち暑くない?1回日陰入りなよ」

日本の夏はどうしてこうも暑いんだろう、そんなことしか考えられない夏の大掃除は給食を食べた午後から始まる。

全校生徒が体操服に着替えてそれぞれの担当する場所の掃除をするんだけど、私たちのクラスはグラウンド一面…草取りとかゴミ拾いとか整備とかいろいろすることはあるけどとにかく暑い。

炎天下の中草取りをしていたけどはすみんに呼ばれて大きな木の下へ入った。

「みなさーん、水分補給はしっかり取ってくださいね!」

柿本先生の呼びかけに木陰に置いてあった水筒を取ってごくごくとお茶を流し込んだ。
氷いっぱい入れて来てよかった~、喉が気持ちいい。

「汗止まらないんだけど」

太陽が眩しいのか目を細めて額から流れる汗をタオルで拭いたはすみんが、はぁっと息を吐いた。たぶんそれくらい暑い。
なるべく休憩は多くってことで、何度も柿本先生に召集されながら進む大掃除はまだ半分終わったくらい先はもう少しある。

「外のトイレも地獄だけど、グラウンドも変わんないくらい地獄じゃない?」

「今日暑いもんね」

「天井はなんでグラウンドがよかったのか全然わかんないよね!」

「ね、うん…」

遠くにいる天井くんは今日は1人じゃなかった。クラスの子たちと話してる、何の話をしてるのかわからないけどたまに微笑んで。

わかりやすく言うと汗が出るのと変わらないって言ってたけど、暑いから出るわけではないらしいキャラメルポップコーンの匂いは。緊張しないと甘くはならないから暑さはいいと思うの、でも天井くんが外がいいって言ったのはそんな意味なんじゃないかなって思って。

わかんないけど。聞いたわけじゃないし。

「はーい、じゃあ掃除再開しますよ~!」

パンッと手を叩いて柿本先生が声をかける、また暑い中掃除が始まるのはちょっと億劫おっくうだけど。

水筒を置いて、また日陰から出ようとグラウンドの方へ… 


スッ、と隣を通って行った天井くんが。


話しかけたかった。

だけど、できなかった。


顔を上げる私を見てなかったから、わざと逸らしたみたいに前を見ていたから…


言えなかった何も。


すぅって動かした鼻がさみしい。

キャラメルポップコーンの匂いがしない天井くんが苦い。ただただ苦いカラメルみたい。


もう話してはくれないのかな…



「あ」

「……。」

つい声が出ちゃった。

今のは油断してた。

草取りで汚れちゃった体操服を洗いに来たら、天井くんがいたから。

「荻野さん…、ここ使ってオレもう行くから」

「え、あ…っ」

グラウンドの隅っこにある水道は1つしかない、目立つところじゃないしあんまり使われる水道じゃないからこんな時しか需要がなくて。

フェンスの横に設置してあるけど、周りは草木が多くてどこにあるかもわからない水道だからグラウンドから見ても見付からないくらい。

でもそれよりも天井くんから話してくれるとは思わなかった。

「いいよ全然!ゆっくり使って!」

「手洗いに来ただけだからもういいよ、荻野さん体操服洗いに来たんでしょ」

「……。」

勢いよく草を引っこ抜いた時にかかった土が真っ白な体操服にわさわさついて、恥ずかしいからこそっと洗いに来たのにここで天井くんに見られるとは…

「荻野さんってそうゆうとこあるよね」

「そうゆうとこ?」

「一生懸命過ぎるよね」

くすって笑った気がした。

久しぶりにそんな顔をしたから、私に。

ドキンッて胸が音を出した。

それだけでうれしくなっちゃって頬が染まる。

「天井くんっ」

「じゃあオレ行くから」

一歩足を踏み出した、でも私の一歩と同じくらい天井くんが一歩離れた。

これ以上は近付かせてくれないみたい。

「もういいよ」

「え、何が…?」

さっきは笑ってくれたと思ったのに、サッと背けてもう顔を見せてくれない。

背中越しに天井くんが言い放った。

「もうオレに構わなくていいよ」
 
「え…?」

急に何を言われてるのか理解できなくて。

「荻野さんは優しいから、なんでも引き受けちゃうんでしょ」

淡々と話す天井くんが何を言ってるのかよくわからなくて、ただ背中を見ていることしかできなくて。

「桜太に頼まれてたんだよね?」

「桜太くんに…?」

え、何が…
何か頼まれてたっけ?

桜太くんから何か…

“小桃ちゃん、柊羽のことよろしくね”

「オレもう平気だから」

ふっと蘇って来る言葉にハッとする。心当たりあることはこれしかなくて。

「聞いてたの…!?」

あれだ、桜太くんと階段の踊り場で話したやつ…!

「桜太、あぁ見えて心配性なとこあって…小学校の時はずっと同じクラスだったから中学入っても気にしてくれたんだと思う」

小さな声が、聞こえるか聞こえないかぐらいの声で天井くんが呟いた。

「…いい奴だから、桜太」

よく聞こえなくて、聞き返そうとすぅっと息を吸った。

「あまっ」

「クラスでも喋れるようになったからっ」

でも先に声を出したのは天井くんの方だった。いつになくハッキリした声で、吸った息をそのまま飲み込んじゃった。

「普通に笑えるぐらいにはなったし、前みたいに緊張することも減ったから、だから…」

天井くんが空を見るように見上げる。

話の意図がよくわかんないんだけど、どうして今そんな話をしてるの…


なんで今、桜太くんの話を…?

天井くんは何を言おうとしてるのかな…


私に何が言いたいの…?


「荻野さんがいなくても大丈夫だから」


一瞬で視界が真っ暗になったみたいだった。


「え…」 


目の前に天井くんがいるのに白黒になっていくみたいで、遠くかすんでいく。

「ま。待って…何が?なんでっ、私がいなくてもって…っ」

ズキンッ、て痛む。胸が掴まれたみたい。


「桜太に言われて気遣って話しかけてくれたんでしょ」


天井くんが振り返る、やっと私の顔を見てくれたのに全然うれしくない。

そんな顔で見られても全然…


なんで天井くんの方がさみしそうな顔をしてるの?


「断れないもんね、荻野さん」


そんなさみしそうな顔で笑わないでよ。

泣きたくなっちゃうじゃん。

「じゃあ、行くね。早くそれ落とした方がいいよ、すぐに洗えば落としやすいって言うし」

「待って!」

また前を見た天井くんが歩き出そうとした。

「待って天井くん!」

でも私の声は届いてないのか足を止めてくれない。

「あれはそう言われたけど、でもそうじゃなくて!」

聞こえてるはずなのに。

「桜太くんに言われたからじゃないよ!言われたのは…本当だけど、でもだからって桜太くんにお願いされて天井くんに話しかけたんじゃないよ!」

「……。」

「私が天井くんと話したかったの!」

どうして聞いてくれないの?

なんで振り返ってくれないの?


私はずっと天井くんに話しかけてるのに…!


「ねぇ、待ってよ!」

追いかける、グッと大きく足を踏み込んで。

「天井くん…!!!」

引き止めたくて、無我夢中だった。

どうにか天井くんを捕まえたくて後ろから手を伸ばした。

ぎゅぅって抱きしめるみたいに。


「!?」


その瞬間、ポンッとキャラメルポップコーンが弾け飛んだ。


甘くておいしそうな香りがふわーっと広がる。

じゅわっとバターが溶け出して思わず食べたくなっちゃうような香りが、グラウンドの隅っこで草木ばかりで誰にも見えないこんな場所でポンッポンッと飛び出した。

「荻野さん…!?」

「あぁぁっ、ごめんね!?また私っ」

あーーーっ 

やっちゃった!

気持ちばっか先走っちゃって、どうしても天井くんを呼び止めたくて…


これはまたあの日の再来だ!


「ごめん私!またっ、その…遠足の時も嫌な思いさせちゃったのに!それなのにまた、あのっ」

すぐに離れた、ポンッとポンッと弾け飛ぶキャラメルポップコーンに私まで恥ずかしくなっちゃって顔が熱くなる。ただでさえ暑い中なのにまた体温が上がっていくのを感じて。

「ごめんなさい…!」

バッと頭を下げて、わけもわかんないままぎゅって目をつぶった。腰が直角に曲がるぐらい力を入れて、天井くんの前で。

やばい、また…
これじゃあ許してもらうどころか、もっと嫌われちゃう…!

もうやだやだっ、最悪…っ

ぎゅって目をつぶったから圧迫されて涙が…


「…嫌じゃないんだよ」


かすかな声が頭の上で聞こえた。

やっぱり小さくてよく聞こえなかったけど…


でも逃げられてはない?


ぽわぽわと漂うキャラメルポップコーンの匂いをかぎながらゆっくり顔を上げる。

「嫌じゃない」

これ以上にないくらい真っ赤な顔をした天井くんが顔を押さえながら瞳を潤ませていた。

「…え?」

私と目を合わせると、キャラメルポップコーンの匂いはもっと強くなった。
もはやキャラメルの海みたいな、とろとろして濃くてたまにポップコーンの香ばしい匂いがする。


「嫌じゃないんだよ、全然…っ」


初めて会ったあの時よりも、甘さが増してるみたい。

「でも、わかっちゃうから…っ」

必死に呼吸をするみたいに肩を上下に揺らして声を出して。

「近付いたら、オレがどれだけ緊張してるのかわかっちゃうから…!」

天井くんが喋れば喋るほどキャラメルポップコーンが作られていく。

そんな香りに私は溺れそうになって。

「荻野さんといたらドキドキして止まらなくて、緊張しっぱなしで、どうしていいかわかんなくなるんだよ…っ!」

ボンッ、て私の顔が弾けそうだ。

ずっと避けられてるのは嫌われたんだって思ってた。

私があんなことしたから天井くん嫌になっちゃったんだって思ってた。


え、待ってよ天井くん…


だって、それって…


「甘い香りがたくさん溢れてどうしたらいいかわからなくなるんだ、だから…っ!」


やばい、どうしようドキドキしてる。

何もしてないのに息が上がって来る。


右手を胸に当ててて体操服をきゅっと掴んだ。落ち着かない心臓をなだめたくて。

ぶわーって駆け上がるみたいに胸がいっぱいになって、溢れ出そうになるから。

「あのねっ、天井くん…!」

すぅっと大きく息を吸って、名前を呼んだ。

溢れ出そうになるこの気持ちを声にしたくて。


「あんまり近付かないでほしいんだ」


だけど、一瞬でサーっと消えてなくなっちゃった。霧になるみたいに粉々になって。

「え…?」

天井くんが俯いたから。

天井くんの押しつぶされそうな弱々しい声が胸に刺さる。


「ごめん」


胸が…



痛い。



ごめんって、それは…

どうゆう意味なの?


なんで天井くんが謝ったの?


全然わからないよ…


なんでかわからないけど、溢れ出そうにうなった気持ちが涙に変わって出て来ちゃうもう前が見えないくらいに。


天井くんが見えない。


もういないから、天井くんは私を置いて行っちゃった。



天井くんは…



「小桃、体操服落ちた?」


その声にあわてて涙を拭いた。

ハッとして両手で必死に拭った。

「はすみん!あ、えっと、まだ!これから…っ」

なんでもないフリをして振り返る、笑って見せるようにしてなんとなく取り繕っちゃった。

「小桃…、どうかしたの?」

たぶん私があまりに遅いから心配して来てくれたんだと思う、だから余計にそんなふうに振舞っちゃった。

「え、何が?なんでもないよ、ちょっと暑くてぼーっとしちゃった!気を付けないとだよね、熱中症とかあるもんね!」

すぐに蛇口の方へ、まだなんにもしてなくて汚れたままだった体操服を水で濡らす。ササッとこすって、土を落とそうと指で払って。

「…小桃泣いてた?」

「泣いてないよ!全然、ちっとも…っ」

蛇口の前でしゃがみ込んで、後ろにはすみんがいるのはわかっていた。でもとにかく水を出して、この場を誤魔化さなきゃって必死だったの。

気付かれたくなかった。

「なんか甘い匂いしない?キャラメルポップコーンみたいな」

「……!」

あ…
それはダメ、よくない。


忘れてたの、そんなこと。

全部粉々になって消えた時、キャラメルポップコーンの匂いも忘れてた。


すぅっと鼻をすすれば天井くんを思い出してしまう。


「小桃…、何があったか言ってくれなきゃわかんないよ!」


ジャージャーと蛇口から出て来る水の音より大きな声ではすみんが叫んだ。

「なんで言ってくれないの!?小桃は自分のこと言わな過ぎだよ、いっつもいっつも1人で大丈夫って顔して…」

「はすみん…?」

蛇口の水を静かに止めた、ゆっくり立ち上がって振り返る。

はすみんが私にそんなこと言うなんて今までなかったから。

「水やりだって、お便り貼るのだって、しおり作るのだって言ってくれたら手伝うのに!」

“私はやらないよ、部活だから”

そのままの言葉で受け止めてた。

その裏に隠された意味に気付いていなかった。

はすみんがずっと私に伝えようとしてくれてたこと…

「もっと言っていいんだよ、教えてよ!私だって小桃の力になりたいじゃん…!」

そんなこと…
はすみんが思ってたなんて、私全然…


いつも1人だったこと、それは私にとって普通のことだったの。

誰かに頼ることができなくて、そんな自分が悪いって思ってた…


だから、私を救い上げてくれるような言葉を言ってもらえるなんて思ってなかった。


「はすみん…っ」

一度必死で止めた涙が戻って来る。

もう止まらなくて、ポロポロと頬を伝って溢れ出した。

「小桃…!」

両手で顔を覆う私を、はすみんが両手で包み込むように抱きしめた。

私の震える体をさすって、その手が優しくてまた涙が流れた。

「小桃、小桃の思ってること教えてよ」

「はすみん…っ」

「私何でも聞くから」

「うん…」

どうしても私にはできなくて、誰かに言うのが怖かったの。

断られたらどうしようって、拒否されたらどうしようって、そう思うと怖くて言えなかったの。

「あのね、私ね…天井くんのことが好きなの」

私に足りないのはきっと勇気だった。

「うん」

自分の気持ちを言葉にするのって勇気がいる、それで変わっちゃうものがあるかもしれないって思ったら…

「でも、でもね!?もしはすみんもっ、同じ気持ちだったらそれはそれであの…っ!」

はすみんの胸から離れて、顔を見ようと思ったんだけどそこまではまだ勇気がなくて…両手を前に出して大きく開いた。大丈夫だからって身振り手振りで表して。

「小桃…」

「だから…っ」

「何言ってるの?私が天井のこと好きなわけないじゃん」

「……え?」

ピタッと体がフリーズしちゃった、はすみんの顔を見たらめっちゃ眉間にしわ寄ってた。

「え!?だってはすみんいつも、顔がいいとかイケメンだとかっ」

「それはそれ、これはこれでしょ。顔がいいと好きは全くもって違うから」

「そうなの!?」

「そうだよ、てゆーかあんな愛想のないやつ好きになるわけないよ」

そ…そーなんだ、確かに顔がいいと同じくらい愛想がないとも言ってたけど。

「私が天井のこと好きだと思ってたの?」

「そう…思ってたわけじゃないんだけど、もしかしてそうだったらとかそんな可能性もあるのかなとか…いろいろ」

しどろもどろまごまごして下を向きそうになる私の頬をそっとはすみんの両手が包み込む。

「小桃はいろんなこと考え過ぎ!」

私の顔を上げて、じっと目を見る。

「そうだとしてもいいだよ、それは小桃の気持ちだから」

キリッと眉毛を上げたはすみんがまっすぐ私を見てる。

「もっと言えばいいの、なんならもっと言ってほしい」

「……。」

「ちゃんと言わなきゃ何も伝わらないよ」

「はすみん…」

はすみんの腕にそぉっと手を触れて、きゅぅっと掴んだ。

両手で、震えながら。

ポロポロ流れる涙をはすみんが拭いてくれる、泣き過ぎだよって笑いながら。

子供みたいに声を出して泣いたのはいつ振りかな、こんなにも溢れて来る感情がまだ私にもあったんだ。

「天井と小桃に何があったのかわからないけど、小桃が聞いてほしいことなら何でも聞くし助けてほしいならいつでも助ける」

はすみんの親指がそっとまぶたについた涙をなぞる。

たくさん泣いた後の最後の涙を。

「本当愛想なくて何考えてるのかわかんない天井さけどさ、…だから小桃にしか知らない天井がいるんだよね」

私にしか知らない天井くん…?

私にしか知らない天井くんは…


「ちゃんと伝えれば大丈夫だよ、小桃ならきっと!」


はすみんの胸に飛び込んだら、少しびっくりして恥ずかしそうに笑った。

ぎゅーって腕に力を入れて、いっぱい抱きしめるとはすみんもいっぱい抱きしめてくれた。


また泣きたくなっちゃうな、でもこれはかなしいからじゃないうれしくて。



はすみんがいてくれてうれしかったから。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お父さん!義父を介護しに行ったら押し倒されてしまったけど・・・

マッキーの世界
大衆娯楽
今年で64歳になる義父が体調を崩したので、実家へ介護に行くことになりました。 「お父さん、大丈夫ですか?」 「自分ではちょっと起きれそうにないんだ」 「じゃあ私が

堕ちた父は最愛の息子を欲に任せ犯し抜く

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る

マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。 思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。 だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。 「ああ、抱きたい・・・」

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

お父様の相手をしなさいよ・・・亡き夫の姉の指示を受け入れる私が学ぶしきたりとは・・・

マッキーの世界
大衆娯楽
「あなた、この家にいたいなら、お父様の相手をしてみなさいよ」 義姉にそう言われてしまい、困っている。 「義父と寝るだなんて、そんなことは

女の子にされちゃう!?「……男の子やめる?」彼女は優しく撫でた。

広田こお
恋愛
少子解消のため日本は一夫多妻制に。が、若い女性が足りない……。独身男は女性化だ! 待て?僕、結婚相手いないけど、女の子にさせられてしまうの? 「安心して、いい夫なら離婚しないで、あ・げ・る。女の子になるのはイヤでしょ?」 国の決めた結婚相手となんとか結婚して女性化はなんとか免れた。どうなる僕の結婚生活。

処理中です...