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8章 幸せになろう

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Side.ケビン





「ケビン様、準備が整いました」
「分かった」

 カフスボタンを留め身だしなみを確認していると、後方にいる秘書官のオークリーが浮かない表情をしているのが鏡越しに見えた。

「どうした?」
「…っ!い、いえ…」

 オークリーがなぜそんな表情を浮かべているのか察しているが、牽制のためにもそう聞いた。俺の事を思って憂いてくれているのだろう。腹心の家臣としては関心だが、もう決めた事だ。

 部屋を出て彼女の所へ向かう。扉を開けると純白のドレスに身を包んだ彼女がいた。

「ミーシア、行こうか」

 そう声をかけるとミーシアは振り返り「はい」と返事をした。その瞳に怯えはなかった。そんなミーシアの姿に、俺も更に覚悟が決まった。

 あの男が俺の前に現れたのは一週間ほど前だった。何度も俺と話をしたいという旨の手紙を送ってきていたが俺には伏せられ、相手にしていなかったらしい。しかしその男はたった一枚の紙で状況を覆し、俺との面談に漕ぎつけた。

 ローガン・ウィリアムズ。俺の元婚約者、ミラ・イヴァンチスカの夫である。

 俺の前に現れた彼は憤っているのが分かった。仮にも国の王子である俺を前にしても、その態度を改めようという気はない様だった。

「話したい事とは一体何だろうか」
「妻が出て行きました」

 少し食い気味に返ってきた答えに目を開く。婚約式でまさかの対面をした時、来るはずのない彼女がいた事もだが、二人の仲睦まじい姿を見て驚いた。どう見ても良好な関係を築けていると感じたのだが、何があったのか。そしてその事で彼は憤っている事を知る。

「それが私にどう関係するんだ?」
「分かりませんか?」

 彼の真っ直ぐ刺す様な視線に、後ろにいるオークリーが動いたのが分かった。俺は片手を上げ宥めると「聞かせてくれ」と伝えた。

 そして彼の口から、彼女が国中に広まった自身の悪評に今も苦しんでいて、彼らに迷惑をかけたくないからという理由で出て行ってしまったと聞く。

「何故その様な表情をされているのでしょうか。これがケビン様の望まれていた事なのでは?」

 彼にそう指摘されて、自分が今どんな顔をしているのか気付いた。そう、釈然としなかった。彼の言う通り、俺はこうなる事を望んでいた筈なのに。

 俺なりに彼女との未来を考えて距離をはかろうとしたが毎回冷ややかな反応をされ、最終的には迷惑そうに意味がわからないと言われて正直腹が立った。そしてミーシアに出会いどうしようもなく惹かれてしまった。

 俺はそれを彼女が俺を蔑ろにするからだと思い、周りの彼女に関する噂や、俺の名前を使って宝石やドレスを買い込んでいる話を知って一層嫌悪した。そして彼女がミーシアを階段から突き落とした事をきっかけに婚約を破棄すると宣言した。そしてミーシアを守るために彼女を遠くに追いやった。

 あの時はそれが最善で、国民が俺達を擁護する声を聞いて俺がした事は正しいと思っていた。ある真相を知るまでは。

「…例のものを見せてもらえるか」
「はい」

 彼は一枚の紙を机の上に置いて滑らせ、俺の前に差し出した。そこにはとある令嬢三人が事実とは異なるミーシアの噂を広め、それをミラ・イヴァンチスカが行ったと偽った事を認める直筆の陳述書だった。これが彼が俺との面会を漕ぎつけた例の紙だ。

 ある日ミーシアが王子だけでなく色んな令息をたぶらかしていて、王立学園に入れたのもそのおかげだと騒がれ始めた。その後すぐにその噂はミラ・イヴァンチスカが風潮したと判明し、俺は彼女に失望した。だがそれが実は他人によって仕組まれた事で、しかもミーシアを取り巻く近しい人間達が行った事だったのだ。

「こちらは本物ではなく写しです。隠滅しようとしても意味はありませんよ」
「…そんな事をするつもりはない」
「それは良かった」

 ちっとも信用していない表情と声音で彼はそう言うと、「さて」と続ける。

「こちらを新聞社の方で記事にしてもらい、全国に発行します。それととある証言が出たので、その事も載せさせて頂きたいと思っています」
「とある証言?」
「ミーシア様は突き落とされたのではなく、単なる事故だったのではないかというものです」

 思わず目を開く。彼は相変わらず坦々とした態度と声で続ける。

「近くで二人を見ていた他の招待客から話を聞くと、あれは単純に声をかけられたミーシア様が驚いて階段から踏み外した事故だった様に見えた、という話が数件あったのです。ですがどの人物も一瞬の出来事だった事と、ケビン様の激昂しておられる姿を見て何も言えず、自分が見た事は間違いだったのかもしれないと思われた様です。ちなみに、ミーシア様が階段から落ちられて最初に騒いだのは、件の令嬢三人でした」

 何が言いたいのか分かるだろう?といった目で彼は俺を見ていた。確かに俺が気付いた時にはミーシアは階段から落ちていて、誰かのミラ・イヴァンチスカがミーシアを突き落としたという声が聞こえた瞬間に頭に血が昇って激昂していた。そう、俺はミーシアが落ちる瞬間を見ていない。

「これも令嬢達のでっちあげだと?」
「そこは頑なに否定されました。必死な形相で確かに見た、と。ただ色眼鏡をかけた彼女達の目から見たら、本当にそう見えたのかもしれません。正直真相は不明です。突き落としたかもしれない本人も曖昧なくらいでしたから」
「…そうなのか」
「ケビン様は、本当に何もご存知ないのですか?」

 そう問われて膝に乗せていた手がじわりと汗をかいた。

 ミラ・イヴァンチスカとの婚約を破棄し、ミーシアを新たな婚約者として迎えた。そう決まった日から妃教育が始まったが、ミーシアは日に日に憔悴していった。俺はなるべく時間をとってサポートする様にしていたのだが、ある日ミーシアが取り乱す時があった。泣きながら謝るミーシアを落ち着かせようとするも拒否され、少し揉み合いになり何とか宥めた後、ミーシアは震えながら言った。

『…あの時私は、本当に突き落とされたのでしょうか?』
『ミーシア…?』

 独り言の様にぶつぶつと呟いた後、ミーシアは俺の目を見ながら言った。

『…私達は彼女が積み上げてきたものを全て奪った…なのにどうして被害者の様な気持ちでいたのでしょうか』

 そのままミーシアは帰りますと言って去って行き、俺は初めて見たミーシアの姿と、溢した言葉を反芻して立ち尽くしていた。

「ケビン様?」

 彼の呼びかけでハッとする。相変わらず強い瞳で俺を見つめていた。

「…すまない」
「思い当たる節がおありなのですね?」

 逃さないと言わんばかりに彼は俺の言質をとった。何も言えずに黙っていると、彼は続けた。

「婚約破棄の最大のきっかけとなったあの事件は単なる事故だったかもしれない。記事が出る事によってそれが国中に知れ渡る事になりますが、よろしいですか?」
「…貴様いい加減にしろ!」

 我慢出来なくなったオークリーが声を荒げた。彼はそんなオークリーを一瞥した後、再び俺を真っ直ぐ見つめて言った。

「侮辱罪で私を牢屋にいれますか?貶しているつもりはありませんが、横柄な態度をとっている事は自覚しておりますので構いませんよ。
 ただ私は遠縁でも王族との血の繋がりを待っている者です。こんな罪如きじゃ懲役期間なんて大した事ありませんし、保釈金も協力者のおかげで十分にありますのですぐに出て来られます。我々の領地も昔と違って自給力がつきましたから、その辺りをつつこうとしても無駄です」

 予想以上の用意周到さにオークリーは次の言葉が出なかった。そのまま彼は続ける。

「彼女は幼少期から王族になる人間だと教育されてきました。常に一流の気品とプライドを持て、上だけを見続けろと言われ育ってきたのです。確かに彼女は平気で人を見下し、思いやりにかけた行動や発言をしていました。周りから孤立してしまうのも無理もありません。ただそれは、そんな世界しか父親から教わらなかったからなのです。
 ケビン様もご覧になったでしょう。彼女は誰にでも愛される素質を持っている素敵な女性です。けれど世間の目は厳しく、幸せになれると分かっていても俺から離れてしまった。
 そして彼女はその幼少期からの教育により、王族であるあなた方に反抗出来ません。いえ、しようという発想もないでしょう。何も言わず受け入れ、逃げる事しか出来ない…それをいい事に世間もあなたも彼女を責めた。なぜ彼女ばかりが苦しまなければならないのでしょう。だから私がここに来たのです」

 ただ愛する人の為にために身を挺してここに来た、そんな覚悟の決まった瞳に見つめられ、思わず目を逸らしそうになった。

 ふと婚約式から数日後に出たとある記事を思い出す。そこには婚約式に彼女を招待した事の批判と、人間らしい彼女の一面を引き出せなかった俺にも問題があったのではといった事が書かれていた。図星だった。

 俺が何をやっても彼女は全く心を開いてくれなかったのに、ローガン・ウィリアムズはたった数ヶ月で彼女の心を解いていた。どうしてそれが出来たのか、実際に彼とこうして顔を合わせてよく分かった。

 俺は彼女に人を想う気持ちはないのかと責めたが、それは俺もだった。彼女がどうして俺を受け入れる事が出来なかったのか、その気持ちや背景を考えた事はあっただろうか。そんな事もせずに俺は早々に諦め彼女と向き合うのをやめた。

 例え彼女がどんな人間だったとしてもミーシアに惹かれていただろう。けれど彼女に相手にされなかった事と、周りの彼女に対する評判に流されて自分を正当化し、こうなるのはどうしようもない事なのだと決めつけた。だから王族としての風格を忘れその場で激昂し、正しい順序も踏まずに勝手に婚約を破棄すると宣言した。しかもそれは自身が見聞きした事ではなく、全て他人からの声だけで行動していたのだ。

 それのどこが正しい行いなのだろうか。彼女の悪評と、国民の支持に隠れて自分がした事から目を背けていただけじゃないのか。

 俺は彼女を裏切った。その結果は変わらない。ならば、俺がやらなければいけない事は自ずと決まっていた。

「私は何をしたらいいんだ?」

 俺がもっと反抗すると思っていたのだろう。彼は少しだけ目を開いた後言った。

「公の場で、彼女に謝罪をして下さい」
「…分かった」
「ケビン様!!」
「オークリーすまない、少し出て行ってくれるか」

 しかしオークリーは動かなかった。仕方なく何も口を挟まない条件でそこに止まることを許す。オークリーの気持ちも分かるが、俺はこの事に向き合わない訳にはいかないのだ。

「近い内にある公の場となると、我々の結婚式になる。それでいいか?」
「勿論です」

 そう言った後彼は椅子から立ち上がると、胸に手を当て深々と礼をした。

「本当にローガン・ウィリアムズの言う事を聞くおつもりですか…?」
「口を挟むなと言った筈だが」
「ですが…!」
「例えどんな理由があろうと、俺が彼女を裏切った事実は変わらない」

 俺がそう言うと、オークリーはハッとした様な顔をした。そうだ、俺も含め何故か誰もがその事実から目を背けている。

「ミーシアと一緒になりたかったのなら、きちんと順序立てて彼女との婚約を解消すれば良かったんだ。なぜか彼女を悪者にして、言い分も聞かずに一方的に責めて赤の他人と結婚させた。幸い彼は彼女にとっての最適なパートナーだったが、彼女は今もその悪評に苦しみ結局耐えきれず出て行ってしまったんだ。その事に彼女の夫が憤るのは当たり前だ」

 いくらでも目を瞑る事は出来る。だがあの男は許さず、何度でも俺の前に現れるだろう。こんな立場のくせに分かってしまう。俺にも、愛する人がいるから。

 俺はオークリーにそう言った後、ミーシアの所へ行った。陳述書の存在はミーシアも知っていて、また俺に秘密で何か行動を起こそうとしている事も知っている。だから俺が結婚式での演説時に彼女に謝罪をする事を伝えると、力強く頷いてくれた。

 ミーシアは婚約式を堺に変わった。

 ミーシアが初めて取り乱したあの日から数日後、珍しく俺に頼み事をした。友人に招待状を送りたいと言われ、送り先も碌に聞かずに少しでも活力になるのならと喜んで了承した。そしてミーシアは彼女に婚約式の招待状を送った。

 彼女を婚約式に呼ぶという行為は王族としての吟持に関わる。ただでさえよく思われていないミーシアが更に父からの信頼を失えばどうなる。だがそんな事に気付かない人間ではないはずだ。すぐに何者かの陰謀に巻き込まれていると分かった。

 何と卑しい事を、と怒る父に全て俺がした事だと伝え必死に謝り、ラワン・イヴァンチスカが全て処理してくれた。おかげでミーシアに何の音沙汰もなかったが、本人にとったら本当は丸く収まらずに何かしらの罰を受けたかったのだろうと思う。

 この先どうなるのかと思っていたが、ミーシアは変わった。何事も前向きに取り組む様になり、批評されても受け入れ、すぐに改善する。俺が何度も励ましの言葉をかけたり、出来る限りのサポートしたりしてもここまでの成果は出なかった。見る見る内にミーシアは成長していった。

 ミーシアは彼女会ったのだろう。そして何か力になる言葉を与えられたのだ。ミーシアの言う通り、俺達は当たり前のように彼女の全てを奪ったのに。だから自分達の行いを正し、彼女に幸せになってもらいたいと願うのはあまりにも都合が良すぎるだろうか。

 同じ轍は踏まない様にと、父にも結婚式の演説の際に彼女に謝罪する事を伝える。宰相達から反対意見が出て父も難色を示したが、意外にも味方してくれたのはラワン・イヴァンチスカだった。

 別の宰相から冗談混じりで『貴公の娘だからか』と言われ、ラワン・イヴァンチスカは変わらぬ表情で『ええ』と答えた。自身の野望のために娘を英才教育し、それが果たされないと分かるとすぐに捨てた冷酷な父親。そんな人物が即答で娘を心配している事を認め、そこにいる全員が驚いた。

 後から聞いた話だが、ラワン・イヴァンチスカにも彼は根回ししていた様だった。だが『ええ』と言ったあの時の表情は、その話を聞いた後でも取り繕ったものだったのか本心からだったのかは分からない。

 結局俺は許しを得た。この婚約破棄の騒動はあまりにも国中で騒がれ、他国にもその情報が流れていた。しかもこの国を愛してくれている国民と違って冷静に捉えられていて、理由はどうであれ俺の不貞ではないのかという意見が出ている様だった。そのため今後の国政の事も考えて、きちんと向き合う姿勢を見せた方がいいという事になり決定したのだった。やはりその提案をしたのはラワン・イヴァンチスカだった。

 改めて自分の立場というものを見返す。自身の感情一つで国全体を揺るがしてしまうのだ。本来ならば好き勝手にしてはいけない立場なのだと冷静になった。だが愛した人の人生を巻き込んだからには、絶対に前を見続けなければいけない。

「ケビン様」
「どうした?」

 カーテンの向こうはたくさんの国民達が待っている。既に歓声が聞こえる中ミーシアが俺の名を呼んだ。

「私…あなたに、この国に、相応しい王妃になる。絶対に」

 今一度覚悟を決めた様に再び言ってくれたその言葉はまた違って聞こえた。俺は彼女に向けて微笑んだ後、あの時よりもさらに力強く答えた。

「俺も、君に相応しい男になる。さあ行こう」

 カーテンが開かれ聞こえていた歓声が更に大きくなる。俺たちは腕を組み、その歓声の中に足を踏み入れた。






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