噂の悪女が妻になりました

はくまいキャベツ

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7章 ミラ・イヴァンチスカの独白

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 馬車に降りてから、周辺の視線が徐々にこちらに向けられていくのが分かった。懐かしい。いや、別にこんな不躾な視線達を懐かしいなんて思いたくない。私がここに来た事にさぞ驚いている事でしょうとどこか愉快に思いながら、彼と歩く。思っていたよりも受け止めてれている。

 すると彼が突然私の口角を人差し指で押し上げた。あまりにも不可解な行動に呆れた視線を送ると、彼も自分の行動のおかしさに気付いてすまないと謝った。

 どうやら彼なりに私にリラックスさせようとしてやってくれたらしい。よくこんな空気の中でやってのけたなと彼の行動に可笑しくなり、ふ、と心が落ち着いたのが分かった。そうよ、私には彼がいるんだ。私は今一度切り替えて再び歩き始めた。

 会場へはすんなり入る事が出来た。やっぱりケビン様が私を招待したのは、単純に自分達の姿を私に見せびらかしたかったのかと確信する。正直うんざりしながら彼らが出てくるであろう位置を見つめる。すると遠巻きにこちらを見ていた人達がこそこそとしだして、もっと騒ぎになってしまえと思っていたら、彼が私に飲み物を渡してくれた。この人は本当にさり気なく気遣ってくれる。

「君が悪女ねえ…」
「あなただけよ、この中で私をそうじゃないと思っている人は」

 この会場に入る前の馬車の中で、私は堪らなくなって少しだけ彼に打ち明けていた。あえて追求出来ないタイミングで言った辺り自分でも卑怯だと思うけど、それでもこうやって信じてくれている彼に嬉しくなる。

「君の両親は?」

 でも当たり前のように聞いてくる彼にハッとさせられた。そうか、彼はずっと両親に愛されて育ってきたから分からないのね。

「私の事をそう思っていなかったら、手切金なんて渡さないわ」

 随分と冷静に言えたな、と思った。本当にそのくらいどうという事はないのだけど、すぐにファンファーレが響いてまたもや追求出来ない状況にしてしまった。彼の気まずげな視線が感じる。

 父は必ずここに参加しているだろう。もう気付かれただろうか。私を呼ぶ事は知っているのだろうか。どちらにせよ、私はもう捨てられたのだし顔を合わせないに越した事はない。

 やがて主役のお二人が現れた。たくさんの拍手に包まれて二人がゆっくりと階段を降りてくる。全く未練なんてないけれど、問題が起きなければあそこにいたのは自分なんだなと思うとすごく不思議な気持ちになった。と同時にほっとした。何でほっとするんだろうと思いながら隣にいる彼を横目に見る。彼は特に何も言わず、私達はケビン様の挨拶を聞いた。

 二人のファーストダンスが終わって、彼らに挨拶したい人間達が列を成す。私達もそこに並んだ。こんなに目立つ様な行動を選んだのにはこのドレスに注目されたいからというのもあるが、単純に腹が立っていたからだ。

 でもここに立った瞬間、少し冷静になってしまった。そんな私に振り回されている彼が急に不憫に思えてきて隣を見たら、見た事がない程彼の表情が強張っていた。さっきから私の話を中途半端にさせられている上に、国の王子に喧嘩を売るのに付き合わされているのだ。

 私は彼に耳を寄せて「緊張する?」と聞くと、彼はものすごく私を責めたような声と目で「今までの人生の中で一番」と答えるので笑ってしまった。そこからいつもの様に二人でこそこそと話していたら、図々しい、という声が聞こえた。

 辺りを見回して気付いた。彼女の取り巻き令嬢達がいた。こちらを向いてはいないが絶対にあいつらだ。腹の底が騒ついた瞬間、彼が「骨のあるやつがいるな」と呟いた。その言い回しが面白くて、また笑ってしまう。一気にあの人達の事がどうでも良くなって、また話を戻そうとしたら彼が私の名を呼んだ。

「なに?」
「手を握ろうか?」
「どうして?まだ大丈夫よ」

 そう答えたのに彼は私の手を握った。

「ちゃんと守るよ」

 出発前にくれた言葉をこの場で改めて言ってくれる。すごく嬉しかったのに、さっきも聞いたなんていう全然可愛くない返しをして何も言えなくなった。やっぱり彼の手は暖かくて安心した。

 その時何か強い視線を感じた。さっきの令嬢達だろうかと見ると違った。ケビン様だった。その表情を見た瞬間、私は全てを理解する。そして彼の手を引っ張って出口を目指した。

 誰かの陰謀に巻き込まれるなんてごめんだ。間違ったら私達まで疑われてしまう。どうして気付かなかったのだろうと悔やむも、既に手遅れだった。どこからか現れた近衛騎士が私達の行手を阻み、城の中へと案内された。

 ある一室に通され落ち着かない様子の彼に着席してもらい、私が気付いた真相を伝える。それにしてもケビン様が私を婚約式に呼ぶという非常識さを、流石に弁えていた様で安心した。でもやはり抜けている事には変わらない。彼女の要望を何の疑いもなく叶えていたのだから。彼女も何でもかんでも信じると簡単に人に利用されてしまう立場である事が分かって、これで二人とも気が引き締まっただろう。あとは私達の疑いが晴れて何の問題もなくウィリアムズ領に帰れれば解決だ。

 私の説明に納得してくれた彼は、「じゃあ一体誰がミーシア様を陥れようとしたんだろう」と言った。勿論その見当もついている。十中八九、継母だろう。

 継母は私の事は無関心だったが、ケビン様との婚約は大いに望んでいた。私が王女になる事で生みの母は立場が上がるだけであって、実際に恩恵を受けるのは継母だ。そしてそれは継母の愛する息子達にも影響がある。それなのに父はあっさりと私の手を離した。継母もこんな事で私の立場が返り咲く事になるとは思っていないだろう。でもどうせ話を聞こうとしない父に、もっと息子達の事も考えてやってくれと反発したかったのだと思う。完全に巻き込まれたなと思ったが、難しい立場の私と母に何も言わず、弟達に私を姉と認識させてくれた継母に免じて知らないふりをすることにした。

 さて、私が気付いたくらいなのだ。父が気付いていない訳がない。それにただでさえ私の事で国王からの信頼は落ちていて、これに継母の件まで関わったらさらに立場が悪くなる。父自らこの事態の収拾を図ろうとするだろう。継母もどうせ父が上手く丸め込むだろうと思っての行動だ。だからこその小さな復讐なのだ。よってここに来るのは国王ではなく、必ず父が来る。

 その時、部屋のノック音が響いた。誰が来るんだと動揺する彼に思わず手を握ってと頼んだ。ずっと私の生きる指針だった人物。おかしな人間だと分かっていても、私は父に反発する事は出来ない。ちゃんと私達は無関係だと言えるだろうか。父の言う事をまた鵜呑みしてしまうんじゃないだろうか。その不安が一気に爆発した。彼は何も言わずに私の手を握ってくれた。ほっとした後、私は彼に伝える。

「きっとここに来るのは…私の父よ」

 扉が開く。予想通り、相変わらずの無愛想な表情をした父が現れた。

 父が私達の前に着席する。いたたまれない空気だった。やっぱりいざ対峙すると体が固まって何も言えなくなってしまった。どうしよう、と思っていたら彼が急に立ち上がった。

「ご挨拶が遅れました!この度娘さんと」
「…そんなのはいい。もう彼女は御宅の娘だ。それよりも聞きたい事があるから座ってくれるかね」

 まさかこんな状況で挨拶をするとは思わず、私は呆然とした。案の定父からもばっさりと切り捨てられ、彼は大人しく着席する。しかしその後は父の質問に彼は臆する事なく答えていく。私は彼の手を握ってとにかく身を小さくさせているだけで良かった。

 彼が私に「守るよ」と言ってくれたのを思い出した。それを彼は本当に実行してくれていた。別に疑っていた訳じゃないが、今までそんな事をされた事がなくて、守られるってどういう事なのか分かっていなかった。こんなにも安心するものなんだ、こんなにも頼りになるものなんだ、と彼の暖かな手を握りながら実感した。

 彼の真っ直ぐな言葉は父すらも信じさせた。確かに父がここに来るのは念のためだろうとは思っていたが、驚くほどあっさりと引いた。しかも父に「良い味方をつけたな。お前を庇ってここまで物を申してくる奴は初めてだ」とまで言わせたのだ。

 話終えた父が出て行く際、私達を商会の人間達が待ち構えていると教えてくれた。これは父からの私達を巻き込んだ詫びだと感じとった私は、咄嗟に話をさせてもらう様に頼んだ。父にこんな事を頼んだのは初めてだった。無事了承を得ることが出来て、父は出て行った。

 扉が閉まったすぐ後に彼が息を吐きながらしゃがみ込み呟いた。

「怖すぎだろ、君の父上…」

 父と対峙していた時はそんな風には見えなかったのに、私の為に頑張ってくれたんだと思うと思わず彼に抱きついていた。泣きながら何度も感謝を述べる私の頭を、彼は優しく撫でてくれた。

 私は彼を坊ちゃんではなく、名前で呼ぶ事にした。

 抱きついた私を揶揄ってくる彼を交わしながら会場へと戻る。あの父と対等に話していた彼を見て考えを改めた私は、もう一つの目的をちゃんと彼に伝えた。それは期待通り、会場に戻って様々な商会の人間に囲まれたが、私はたまに補足するくらいで殆ど彼が説明してくれた。結局本当に話を進めてくれそうな商会は二つだった。彼は少し落ち込んでいたけど十分だと思う。

「さ、帰ろう。“俺達の村”に」

 私が先程思わず口にしていた言葉を嬉しそうに揶揄う彼に、私も微笑む。そして会場を後にしようとした時だった。再び別の商会に声をかけられた。彼が私に話をしていいか目配せをしてきて、私は腕に絡めていた手を外し了承の意を示した。もう彼一人で十分説明が出来るので、私は後ろで朗らかな表情を浮かべながら若干退屈にしていたら、誰かが小声で私に声をかけた。

「ミーシア様がお話したいそうです。こちらへどうぞ」

 彼が私に背中を向けているのをいい事に、更に人混みに乗じてそう囁いた婦人は私の手をとった。そして私の手のひらにとある場所を示したスペルを指で書くと、どこかへ行ってしまった。成程、彼にも秘密にしろという事か。となるとこの商会の人間も仲間だ。私は心の中で彼に謝罪しながら、指定されたその場所へと向かった。

 到着すると、先程耳打ちしてきた人物がいて、私を隠し通路らしき所に案内した。そこを抜けると言われた通り、彼女が立っていた。私から伏し目がちに視線を外し、今日愛する人と婚約を果たした人間には思えないくらい暗い表情を浮かべていた。

「この度はケビン様とのご婚約、誠におめでとうございます」

 呼んでおいて何も言わない彼女に痺れを切らして、私は先程出来なかった祝いの挨拶をした。嫌味たらしく聞こえただろうか。別にそう聞こえても構わないのだけど、彼女は私の言葉にありがとう、とだけ返した。相変わらず伏し目がちなのは変わらず、むしろ更に落ち込みが増した様に見えた。

 呼び出すくらいだから何か言ってくるのかと思っていた。自分がケビン様の婚約者なんだと、彼女の悪評を流し、階段から突き落とした私に自身の優位性を示そうとしてきてもおかしくない筈だ。

 その時何となく察した。彼女は唆されたからではなく、本当に私に会いたくてあえて利用されたのかもしれない。気のせいかと思ったが、私が祝いの挨拶をした時彼女から羨望の眼差しを感じた。もしかしたら彼女は、幼い頃から妃になる教育を受けてきた私に劣等感を抱いているのではないか。

 当たり前だ。私の所作は一朝一夕で出来たものではない。沢山の事を犠牲にして手に入れたものなのだ。それは彼女に伝えた筈だが、実際に自分がその立場になってやっと痛感したのだろうか。そして私を見て、やっぱり自分じゃなくミラ・イヴァンチスカが適任だったんだと確かめたくて呼んだのか。

「まだ私を搾取しようとなさるのですか」

 思わずそう言っていた。それを確かめたとて何だというのだ。今更反省されても困る。私があの時どれだけ惨めで苦しんだか。そして今もこの先も私を苦しめ続ける。あなたが彼に近づかなければ、こんな事にはならなかったのに。

 でも一つ気付いた事がある。私達の結婚に愛なんて必要ないと思っていたけど、私は分かっていなかったのだ。愛にも色々な形がある。

 恋をする事だけが愛ではない。思いやる気持ち、相手を大切にしようとする気持ちも愛だ。ケビン様が私を知ろうとしてくれていたのも愛そうとしてくれたからだった。私はそれを一切拒否した。だからといって他の人に現を抜かしてもいい理由にはならないが、それでも私には人を想う気持ちがあまりにも欠けていた。正にそう指摘してきたケビン様の顔が浮かぶ。私は彼をちっとも愛せていなかった。

 私がそう気付けたのは、ウィリアムズ領、村のみんな、何より彼のおかげだ。私はやっと愛し愛される事を知った。ただ恨み言を連ねるだけだった昔の自分とは違う。

「あなたなら大丈夫です。私と違って、あなたは素直な人だから」

 まさかこんな事を言える人間になれるとは思わなかった。きっと彼女は私がどれだけ苦しみ、時には死を選びそうになった事も知らないだろう。でもそれでいい。彼女は国の頂点に立つ人間なのだ。私なんかに囚われてないで、さっさと前を向くべきだ。ここで無駄に躊躇われている方が、腹が立つ。

 礼を述べられもうこれで話は終わりだろうかと思ったら、私が彼女を突き落とした話を蒸し返される。それもあって私は彼女に強く出られない。私が彼女を許す代わりに、彼女にもそれを許してもらう。でもあれは本当に故意にした事なのか、彼女も疑問に思っている事を知った。

「失礼します」と言って踵を返す。もう会う事はないだろう。すっきりとした気持ちで歩いていたら急に誰かに腕を引っ張られた。

「!?」
「ミーシア!」
「…ケビン様」

 ケビン様の声が聞こえる。私は咄嗟に息を潜めた。二人はそのまま何か会話している。でも自分の心臓が強く跳ねて何も聞こえてこない。

 柱の物陰で、私を守る様に抱きしめる人物の顔を確かめる。やっぱり彼だった。目が合うと、彼は心配そうに目を細めた後、私の頭に手を添えて更に包み込む様に抱きしめた。私は目を瞑り彼に体を預ける。ようやくほっと息を吐けた。

 私達は首都を出発し、宿泊地へと向かった。中々の外観に驚いてしまったけれど、久しぶりの外泊に心が踊り始める。ドレスから寝衣に着替えながら、私は覚悟を決めていた。彼に全てを話すのなら今日しかない。

 着替えのために出てもらっていた彼を部屋に呼び戻し、いつ切り出そうかと伺う。なぜか彼は私に背中を向けて喋っていた。やっぱりいきなり同室はまずかっただろうか。すると彼が酒を買いに行こうと提案してくれた。私は喜んで了解した。

 外に出ると馬車守りをお願いしたロレンツォが話しかけてくれた。見るからに好青年で、実際に頼んでいた仕事以上の事までしてくれていて、私達はすっかりロレンツォを信頼した。おすすめの酒屋を教えてもらい、そこで酒と新事業に向けての発起会に向けて大量のエールとワインも買った。彼が嬉しそうで何よりだった。

 彼も私と同じ様に久々の外泊に浮かれているのだろうか。いつも節制を心がけている彼が両手いっぱいに食べ物を抱えていて、それが新鮮で思わず笑った。

 部屋に戻り、早速乾杯をする。薦めてくれたスパークリングワインは本当に私好みで、買ってきたお供達も美味しい。

 酒を嗜む様になったのも、将来の為だった。王族は催しが常だ。酒の味を分かっていれば外交にも役立つ。そう思って寝る前の時など飲む様になったが、習慣化する内にすっかり好きになっていた。

 あの事件が起きてからは食が細くなったのと、手を出せばどんどん酒に溺れていきそうな気がして辞めていたが、このふわふわとする感じが久しぶりで心地がいい。何より、誰かと“美味しい”と言い合えるのがいい。

 私は自然と彼に切り出していた。何があってもずっと私を信じ守ってくれた彼。そんな人に、私は本当に噂通りの人間なんだと告げる。彼は真剣に私の話を聞いてくれていた。思ったよりもすらすらと口にする事が出来た。

 でも彼女を本当に突き落としたのかもしれないと告白する時は一気に怖くなった。自ら殺人を告白する様な物だ。急に様子がおかしくなった私を彼がすぐに寄り添ってくれる。暖かな手を握りながら、お願いだから離れないでと願いながら、私は縋るように彼に告白した。

 しばらく私の啜り泣く声だけが響く。彼は何も言わずただただ私の背中を優しく撫でる。そして言ってくれた。“君は何も悪くない”と。

「どうしてそんなに私を信じてくれるの…?」
「それが事実だから。それに、君が俺を信じさせてくれたんだ」

 彼のまっすぐな瞳に私が映っている。穏やかな青い瞳が私を癒していく。この人は、本当にどんな私も信じて受け入れてくれるんだ。思わずもっと肯定して欲しくて、彼女があれは事故ではないのかと言っていた事も言うと笑われた。「じゃあ絶対冤罪じゃないか」という彼の言葉に安心する。どっちが真相でもいい。彼が私を信じてくれたらそれでいい。

 序でにと言っては何だが、彼の過去も聞いてみた。こんなに人を思いやれる人間が、どうして今まで所帯を持っていなかったのか知りたかった。どうやらウィリアムズ家の資産が原因で上手くいかなかった様だった。その女性はなんて勿体無いことをしたのかしら、と少し苛立ったのと同時に嬉しくなる。その人のおかげで私は彼と出会えた。感謝したいくらいだった。

 それがきっかけで私達は普段通りに会話を始めた。酒はすすむし、日中の疲れが徐々に押し寄せてくる。もう瞼も落ちかけてきた瞬間に、彼に寄りかかっていた。優しい声で彼が私に問いかける。ふわふわとする頭で子供みたいに答えていると、ベッドまで運んでくれた。

 初めてこんなに誰かに甘えた気がした。まだ母が近くにいた頃でも甘えられるのはあの食事の時だけで、物心ついた時からは一人で寝ていたし、とにかく自立した人間にならなきゃと必死だった。

 頭を撫でてとお願いして瞼を閉じる。彼の暖かな手を感じながら私は眠りについた。
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