終生飼育は原則ですから

被保護編 340年

340年2月1-2

　ソウシュウ様には側室が二人いて、解雇というか整理してくれようとした。
　そんなことしなくていいから。
　今までの頻度を変えずに二人を遇するように頼んだ。むしろ増やしてくれた方がいい。

　二人は美人だった。当然だけど美人だった。綺麗系とかわいい系。頭の回転も早くて私を目の敵にしたりしないいい人たち。こんな人たちが特に何もせずに暮らしているってもったいない。何か仕事を、社会の役に立てないと。

　ソウシュウ様は、おそらく彼女たちに子供を産むことを許さない。
　だから大丈夫だと思う。
　私由来のウイルスや細菌や寄生虫は広がらない。

　だけどレイサスが・・・。レイサスが他の人を抱けば、そこから広がるかもしれない。ずいぶん、あの、・・・濃厚な触れ合いだった。
　他の人を勧めていたのにおかしいけど、ようやく現実味が出てきた。
　いや嫉妬とかではなく。嫉妬ではないと思いたいけど、独占欲なんだろうか。
　馬鹿な。どの面下げて。

　レイサスが早くふさわしい人を見つけてほしい。本当にそう思ってる。
　それとは別次元での心配だから。
　社会制度は、ちょっと早いか遅いかの違いで、どの道起こる変化の一つだと気軽に手をつけた。
　しかし病原菌についてはね。

　いや大丈夫だとは思うよ。高齢喪女だったし。喪女でよかったと本当に思うよ。
　しかし大丈夫なんだろうか。
　そしてこの消せない心配が、嫉妬由来のものではないと、どうしても言い切れない。腐ってやがる。

　フェゾの世話をして、遠乗り早駆けもしているけど、護衛がいっぱいで大変めんどくさい。
　今の私には敵が多いからね。そしてソウシュウ様にも多いからね。