終生飼育は原則ですから

乃浦

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被保護編 339年

339年10月10-1

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 いやいやようやく帰れるよ。
 ソウシュウ殿下は私たちを、主に私を値踏みしていた。話し合える相手か試していたんだろう。
 ようやくヘラート村について、話に乗ってくれた。

 まあ、彼の立場だと「そんなことがあったとは知らなかった」と言うでしょ。
 知らないよねー。勝手にランリスがやってるだけだもんね。頼んでなんかいないもんね。だったらいいな的なことは言ったかもしれないけど。

 だから私も、あそこには港ができるといいな。港は漁業者も商船も利用できて、村の人の働き口になればいいな。運用は、やっぱり慣れたツァイリスの意見を聞けるといいな。ランリスだけじゃなくて各国の港の利用料が、特にソファリスの利用料が下がれば、もっと物流がよくなるのになと、自分の希望を口走りました。

 ソウシュウが自分もそうなったらいいと思うと言ったので、引き上げられる。長かった。
 ソファリスに来て二週間、もう十五日間か。長い。ビーとノットに会いたい。元気だろうか。
 早々にレイサスは約束をなし崩しに破るし、疲れた。

 だけど最後にランリスに寄らないと。
 そしてソファリスの最後のパーティで曲を弾かないと。
 昨日と今日で楽団のみなさんにはマスターしてもらい、明日のパーティで披露です。

 ソファイユリスの楽譜は、私にはわからない。学習する暇もなかった。
 五線譜の方がわかりやすいと思うんだよね。慣れてるだけかな。
 その比較は帰ってから時間があるときにやるとして、今は一人一人に弾き写しで覚えてもらわないと。

 やるのは迷ったけど、アニソンからあんまりメジャーじゃない曲を選んだ。好きなんだよね。テンポが速くて激しくてドラマチックなのが。
 ドラムがほしい。ストリングスはそれはそれでいいけど、やっぱりドラムがないと盛り上がりに欠ける。
 ドラムの代わりにせめて低音をと、バスを増やせないか聞いてみたら、もう一人連れてきてくれた。ありがたい。あとは私が間違えなければね。私が一番下手なんだ。

 昨日の練習にはレイサスもついてきたけど、今日は私とレンツォーリだけで行った。レイサスたちは出発の挨拶に回っている。

 完璧だ。私以外は。
 不安が消えない私以外の皆さんは出来に満足したので、明日よろしくと頼んで部屋を出た。レイサスに合流しないと。

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