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被保護編 338年
338年7月1-3
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広場では今年のベストカップルを選ぶというイベントをやっている。
恋人同士や、恋人になりたい者が二人の名前を書いて投票すると、票の多いカップルが選ばれる。恋人同士でなければ呼び出された時に告白する。断ったらその年のベストカップルはない。
今年は恋人同士が選ばれたらしい。盛り上がっていたが、壇上の司会者から呼び出された。
「レイサス王太子殿下、大変失礼ですが、もしよろしければこちらに、お連れの方とご一緒にこちらに来ていただけないでしょうか」
ともやは嫌なのはわかっている。だが諦めたように微笑を浮かべた。その表情で通すつもりだろう。
壇上に上ると、先程より人が沢山集まっているようだ。
「王太子殿下、お越しいただいて、我々一同大変喜んでおります」
歓声が上がる。
「しかもオーサー様までご一緒とは」
さっきよりも声が大きい。ともやは好かれている。
「大変お似合いのお二人で、皆見惚れておりました」
ともやは困ったように首を振っている。笑っていればいいのに。
「このお二人に、ベストカップル特別賞をお贈りしたいと思う方は、拍手をお願いします」
公園中から拍手が起こった。嵐のようだ。私も彼女も受け入れられ、二人一緒が相応しいと認められている。心から嬉しい。これもともやの力だ。
ともやの手を握ったまま持ち上げて振る。
肝心の彼女は、何とか笑顔に見える複雑な表情だった。そうだろうな。
「私と彼女を受け入れてくれたことに感謝する」
発言を求められた。
ともやが言った方が皆喜ぶだろうが、ともやが何を言い出すかが心配だ。
「そなたらが彼女に感謝している事はわかっている。私も感謝している。大切にする事を、皆に誓おう」
握ったままの手にキスをすると、ともやがビクッと遠ざかった。手にさえまだ慣れない。
腰を抱きとめて、周囲に手を振りながら壇から降り、帰る為に開けられた道を歩く。
ともやも笑顔で小さく手を振るが、今ので一気に疲れたのはわかる。
また頭痛が起こるかもしれない。それは申し訳ない。
しかし、とても楽しかった。とても幸せだった。
恋人同士や、恋人になりたい者が二人の名前を書いて投票すると、票の多いカップルが選ばれる。恋人同士でなければ呼び出された時に告白する。断ったらその年のベストカップルはない。
今年は恋人同士が選ばれたらしい。盛り上がっていたが、壇上の司会者から呼び出された。
「レイサス王太子殿下、大変失礼ですが、もしよろしければこちらに、お連れの方とご一緒にこちらに来ていただけないでしょうか」
ともやは嫌なのはわかっている。だが諦めたように微笑を浮かべた。その表情で通すつもりだろう。
壇上に上ると、先程より人が沢山集まっているようだ。
「王太子殿下、お越しいただいて、我々一同大変喜んでおります」
歓声が上がる。
「しかもオーサー様までご一緒とは」
さっきよりも声が大きい。ともやは好かれている。
「大変お似合いのお二人で、皆見惚れておりました」
ともやは困ったように首を振っている。笑っていればいいのに。
「このお二人に、ベストカップル特別賞をお贈りしたいと思う方は、拍手をお願いします」
公園中から拍手が起こった。嵐のようだ。私も彼女も受け入れられ、二人一緒が相応しいと認められている。心から嬉しい。これもともやの力だ。
ともやの手を握ったまま持ち上げて振る。
肝心の彼女は、何とか笑顔に見える複雑な表情だった。そうだろうな。
「私と彼女を受け入れてくれたことに感謝する」
発言を求められた。
ともやが言った方が皆喜ぶだろうが、ともやが何を言い出すかが心配だ。
「そなたらが彼女に感謝している事はわかっている。私も感謝している。大切にする事を、皆に誓おう」
握ったままの手にキスをすると、ともやがビクッと遠ざかった。手にさえまだ慣れない。
腰を抱きとめて、周囲に手を振りながら壇から降り、帰る為に開けられた道を歩く。
ともやも笑顔で小さく手を振るが、今ので一気に疲れたのはわかる。
また頭痛が起こるかもしれない。それは申し訳ない。
しかし、とても楽しかった。とても幸せだった。
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