終生飼育は原則ですから

乃浦

文字の大きさ
上 下
40 / 365
被保護編 337年

337年4月2-1

しおりを挟む
 三回、トイレに行ってきた。二回目まではろくに目を開けていなかったから周りを見ていないけど、ごそごそと虫のように動き出す前に毎回「ここどこだ」となった。
 三回目の帰りには、ドア前に服と水を置いたカートがあることに気づいたので部屋に入れた。使っていいんだよね。また眠る。


 ここどこだ。
 うちの寝室は濃い藍色の壁にしている。遮光カーテンだから昼でも暗いんだけど、ここは明るい。そして広い。

 イユリスだ。
 あらゆる意味でくしゃくしゃになってるな。顔を洗わずに寝たから気持ち悪い。今何時だ。というか何日なんだ。

 うちの居間くらいある部屋を見て回るとドアがあり、空のクローゼットと浴室だった。石鹸とタオルが用意してある。蛇口が二つあるので出してみたけど、水しか出ない。

 ベッドに戻って鈴を鳴らしてみたらメイドさんがドアを叩いた。立っていって小さく開けた。この顔を見られたくないんだけどな。
「すみませんが、お風呂に入れるでしょうか」
「十分後にご用意いたします」
「あの、お湯を運ぶんですか?」
「いえ、ボイラー室で水を沸かしますので、蛇口からお湯が出ます」
「でしたら自分でやります」
 そのまま帰ってもらった。

 十分ね。カートに載っていた服、パジャマに近いみたい。下着もあった。服はともかく下着も男物みたいだけど、サイズは大丈夫そうだからいいか。ブラジャーどうしよう。それはなかった。この世界のブラジャーについては、さすがにレイサスには聞いていない。
 わりと生地が厚いシャツだからなくてもいいか。ブラジャー嫌いだし。

 風呂は気持ちよかったです。微かにあった頭痛の気配も消えた。頭と顔も洗えたし、着ていた下着も洗って、最後にバスタブもざっと洗っておいた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

王女の朝の身支度

sleepingangel02
恋愛
政略結婚で愛のない夫婦。夫の国王は,何人もの側室がいて,王女はないがしろ。それどころか,王女担当まで用意する始末。さて,その行方は?

【R18】散らされて

月島れいわ
恋愛
風邪を引いて寝ていた夜。 いきなり黒い袋を頭に被せられ四肢を拘束された。 抵抗する間もなく躰を開かされた鞠花。 絶望の果てに待っていたのは更なる絶望だった……

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

完結 R18 媚薬を飲んだ好きな人に名前も告げずに性的に介抱して処女を捧げて逃げたら、権力使って見つけられ甘やかされて迫ってくる

シェルビビ
恋愛
 ランキング32位ありがとうございます!!!  遠くから王国騎士団を見ていた平民サラは、第3騎士団のユリウス・バルナムに伯爵令息に惚れていた。平民が騎士団に近づくことも近づく機会もないので話したことがない。  ある日帰り道で倒れているユリウスを助けたサラは、ユリウスを彼の屋敷に連れて行くと自室に連れて行かれてセックスをする。  ユリウスが目覚める前に使用人に事情を話して、屋敷の裏口から出て行ってなかったことに彼女はした。  この日で全てが終わるはずなのだが、ユリウスの様子が何故かおかしい。 「やっと見つけた、俺の女神」  隠れながら生活しているのに何故か見つかって迫られる。  サラはどうやらユリウスを幸福にしているらしい

【R18】聖女のお役目【完結済】

ワシ蔵
恋愛
平凡なOLの加賀美紗香は、ある日入浴中に、突然異世界へ転移してしまう。 その国には、聖女が騎士たちに祝福を与えるという伝説があった。 紗香は、その聖女として召喚されたのだと言う。 祭壇に捧げられた聖女は、今日も騎士達に祝福を与える。 ※性描写有りは★マークです。 ※肉体的に複数と触れ合うため「逆ハーレム」タグをつけていますが、精神的にはほとんど1対1です。

【R18】騎士たちの監視対象になりました

ぴぃ
恋愛
異世界トリップしたヒロインが騎士や執事や貴族に愛されるお話。 *R18は告知無しです。 *複数プレイ有り。 *逆ハー *倫理感緩めです。 *作者の都合の良いように作っています。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

騎士団長の欲望に今日も犯される

シェルビビ
恋愛
 ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。  就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。  ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。  しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。  無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。  文章を付け足しています。すいません

処理中です...