5 / 41
第5話 俺のヴィエルジュを愚弄するな
しおりを挟む
アルバート魔法王国にご到着。
魔法の国をゆっくり観光したかったが、そんな時間もなし。
今日は観光じゃなくて入学試験を受けに来たからね。
さっさとアルバート魔法学園へレッツゴー。
てな流れで学園へご到着。
王国一の魔法学園だけあって、校門も豪華な造りとなってんなぁ。
校門を潜った先に見える校舎は、まるで城のようにそびえ立っている。
ここが学園とは思えない造り。エリート輩出校は校舎からレベルが違うのね。
「ここの入学試験を受けて合格することで、晴れてアルバート魔法学園の生徒となり、与えられた寮での生活となります」
ヴィエルジュの説明に改めて、ゾッとしてしまう。
「逆に言うと、入学試験に落ちたら……?」
「路頭に迷いますね」
「まじに受からんとやべー!!」
ヘイヴン家を追放された今、全寮制のこの学園に入学できなければ住む場所がなくなる。
しかし、魔法なんてロクに使えない俺なんかが入学試験を突破できるのだろうか……。
「あー胃がいてぇ」
「大丈夫です? キスします?」
「胃薬飲みます? のノリでとんでもないこと言ってくるメイドだね」
俺達は、どこに行っても通常運転な会話を繰り広げている。
『ねぇ。あれって……』
そよ風に乗って聞こえてくるひそひそ声。
こちらへの視線を感じて振り返ってみると、同年代のグループがこちらに聞こえるようなボリュームで会話しやがる。
『間違いない。ヘイヴン家の落ちこぼれだ。あのレオン様のご子息にまさかあんな無能が生まれるなんてな』
『どうしてその落ちこぼれが魔法学園に?』
『大方、レオン様に見限られて来たのだろう。騎士の家系だからまともに魔法も使えんだろうに、のこのこ来るとはとんだ恥さらしだ』
『私だったら死んでしまいますわね』
あっはっはっ!
「あっはっは。ご主人様。あの方々へ裁きの鉄槌を下してもよろしいでしょうか?」
うわー。ヴィエルジュの機嫌が悪くなった。
「きみがやると全員死んでしまうからやめなさい」
「ご安心を。ギリギリ命の炎が灯る程度には手加減致します。死んだ方がマシだと思う程度ですが」
ウチのメイドがマジで怖いんだが……。
俺のために怒ってくれているのは嬉しいんだけど、このままじゃここが殺人現場と化す。
スッと彼女の肩に手を置いてからキザったらしく言ってやる。
「周りになんと思われようが、俺にはヴィエルジュが側にいてくれるから平気だよ」
「ふんぬー!」
美少女にあるまじき鼻息の鳴らし方だね。
それでも可愛いいんだから、ほんと可愛いって正義だわ。
少し興奮気味のヴィエルジュは、そのまま俺に抱きついて来ましたとさ。
「一生お仕え致します。ご主人様♡」
「なんかプロポーズされてる気分で勘違いするぞ」
「どうぞ勘違いなさってくださいませ。その勘違いは真実でございますので」
「どぅどぅどぅ」
「はぅはぅはぅ♡」
暴れ馬を落ち着かせる要領で彼女の頭をなでてやる。
こうするとヴィエルジュは落ち着くからね。よしよしっと。
さて、頭をなでながらも冷静に考えると俺ってば有名人なんだね。もちろん、悪い意味で。
そりゃ世界的に有名な侯爵家、ステラシオン王国騎士団の団長レオン•ヘイヴンの息子ってありゃ、世界中の貴族達に名が通っているか。
俺は悪評で通っているからご覧の通りってわけだな。
別に悪く言われるのは慣れっこだから、そこは問題じゃない。こうも変に目立つとろくなことがねぇんだよ。
前世でもこの世界でもそれは同じなんだ。
『落ちこぼれのくせに随分と余裕じゃぁないかい?』
なぁんか嫌ーな予感と共に、嫌らしい声が聞こえてきたぞー。
見ると、ブロンドヘアのどっかの貴族のおぼっちゃまみたいな奴が絡んでくる。
「騎士の家系から追放され、今から人生やり直しを賭けた入学試験だってのに、そんな余裕で良いのかい?」
「なんだか噛ませ犬みたいな奴が現れたな」
「カマーセル・イ・ヌゥーダだ」
名前からして即退場貴族が現れた。
『きゃー!』
唐突に周りから黄色声が湧き上がる。
『カマーセル様よ!』
『あの由緒正しき魔法一族、ヌゥーダ伯爵家のご子息だ!』
『やべー! すげー! やっぱりすげー人が集まる学園、アルバート魔法学園はしゅごしゅぎるうううううう!』
モブ達よ、ご説明ありがとう。噛ませ犬の素性がなんとなくわかった。
「きみみたいな魔法も使えない騎士の落ちこぼれと一緒に入学試験を受けるのも恥ずかしいってものだ。さっさと消え失せてくれないかい」
ほらぁ。悪目立ちするとろくなことがない。変な奴に絡まれたじゃーん。
ギャラリー達も、『いいぞー! もっといけー!』なんて噛ませ犬を盛り上げてやがる。
つーか、ギャラリーめっちゃ増えてない?
「それに……」
噛ませ犬はチラッとヴィエルジュの方へ視線を送ると、ゴミを見るような目で言い放ってくる。
「どこの馬の骨かもわからないメイドと一緒とはあさはかだ。そのメイドもどうせ主人同様にゴミクズ──」
「あん?」
彼の言葉の途中で俺は一瞬で頭に血が上り、瞬時に噛ませ犬の背後に回る。
「──はへ?」
父上を意識して威圧するようにボソリと言ってやる。
「それ以上俺のヴィエルジュを愚弄したら殺すぞ」
「あ、へ、あ……」
噛ませ犬は声にならない声を出して、へなへなと膝から崩れ落ちた。
『え?』
『なに?』
『なにが起こった?』
ただそいつが俺にビビっただけじゃ、ボケ。
「……行くぞ、ヴィエルジュ」
こいつを殺してもなんの意味もなし。この場にいてもイラつくだけだ。
「はい。ご主人様」
俺達はギャラリーを押し除けて校内へと入って行った。
魔法の国をゆっくり観光したかったが、そんな時間もなし。
今日は観光じゃなくて入学試験を受けに来たからね。
さっさとアルバート魔法学園へレッツゴー。
てな流れで学園へご到着。
王国一の魔法学園だけあって、校門も豪華な造りとなってんなぁ。
校門を潜った先に見える校舎は、まるで城のようにそびえ立っている。
ここが学園とは思えない造り。エリート輩出校は校舎からレベルが違うのね。
「ここの入学試験を受けて合格することで、晴れてアルバート魔法学園の生徒となり、与えられた寮での生活となります」
ヴィエルジュの説明に改めて、ゾッとしてしまう。
「逆に言うと、入学試験に落ちたら……?」
「路頭に迷いますね」
「まじに受からんとやべー!!」
ヘイヴン家を追放された今、全寮制のこの学園に入学できなければ住む場所がなくなる。
しかし、魔法なんてロクに使えない俺なんかが入学試験を突破できるのだろうか……。
「あー胃がいてぇ」
「大丈夫です? キスします?」
「胃薬飲みます? のノリでとんでもないこと言ってくるメイドだね」
俺達は、どこに行っても通常運転な会話を繰り広げている。
『ねぇ。あれって……』
そよ風に乗って聞こえてくるひそひそ声。
こちらへの視線を感じて振り返ってみると、同年代のグループがこちらに聞こえるようなボリュームで会話しやがる。
『間違いない。ヘイヴン家の落ちこぼれだ。あのレオン様のご子息にまさかあんな無能が生まれるなんてな』
『どうしてその落ちこぼれが魔法学園に?』
『大方、レオン様に見限られて来たのだろう。騎士の家系だからまともに魔法も使えんだろうに、のこのこ来るとはとんだ恥さらしだ』
『私だったら死んでしまいますわね』
あっはっはっ!
「あっはっは。ご主人様。あの方々へ裁きの鉄槌を下してもよろしいでしょうか?」
うわー。ヴィエルジュの機嫌が悪くなった。
「きみがやると全員死んでしまうからやめなさい」
「ご安心を。ギリギリ命の炎が灯る程度には手加減致します。死んだ方がマシだと思う程度ですが」
ウチのメイドがマジで怖いんだが……。
俺のために怒ってくれているのは嬉しいんだけど、このままじゃここが殺人現場と化す。
スッと彼女の肩に手を置いてからキザったらしく言ってやる。
「周りになんと思われようが、俺にはヴィエルジュが側にいてくれるから平気だよ」
「ふんぬー!」
美少女にあるまじき鼻息の鳴らし方だね。
それでも可愛いいんだから、ほんと可愛いって正義だわ。
少し興奮気味のヴィエルジュは、そのまま俺に抱きついて来ましたとさ。
「一生お仕え致します。ご主人様♡」
「なんかプロポーズされてる気分で勘違いするぞ」
「どうぞ勘違いなさってくださいませ。その勘違いは真実でございますので」
「どぅどぅどぅ」
「はぅはぅはぅ♡」
暴れ馬を落ち着かせる要領で彼女の頭をなでてやる。
こうするとヴィエルジュは落ち着くからね。よしよしっと。
さて、頭をなでながらも冷静に考えると俺ってば有名人なんだね。もちろん、悪い意味で。
そりゃ世界的に有名な侯爵家、ステラシオン王国騎士団の団長レオン•ヘイヴンの息子ってありゃ、世界中の貴族達に名が通っているか。
俺は悪評で通っているからご覧の通りってわけだな。
別に悪く言われるのは慣れっこだから、そこは問題じゃない。こうも変に目立つとろくなことがねぇんだよ。
前世でもこの世界でもそれは同じなんだ。
『落ちこぼれのくせに随分と余裕じゃぁないかい?』
なぁんか嫌ーな予感と共に、嫌らしい声が聞こえてきたぞー。
見ると、ブロンドヘアのどっかの貴族のおぼっちゃまみたいな奴が絡んでくる。
「騎士の家系から追放され、今から人生やり直しを賭けた入学試験だってのに、そんな余裕で良いのかい?」
「なんだか噛ませ犬みたいな奴が現れたな」
「カマーセル・イ・ヌゥーダだ」
名前からして即退場貴族が現れた。
『きゃー!』
唐突に周りから黄色声が湧き上がる。
『カマーセル様よ!』
『あの由緒正しき魔法一族、ヌゥーダ伯爵家のご子息だ!』
『やべー! すげー! やっぱりすげー人が集まる学園、アルバート魔法学園はしゅごしゅぎるうううううう!』
モブ達よ、ご説明ありがとう。噛ませ犬の素性がなんとなくわかった。
「きみみたいな魔法も使えない騎士の落ちこぼれと一緒に入学試験を受けるのも恥ずかしいってものだ。さっさと消え失せてくれないかい」
ほらぁ。悪目立ちするとろくなことがない。変な奴に絡まれたじゃーん。
ギャラリー達も、『いいぞー! もっといけー!』なんて噛ませ犬を盛り上げてやがる。
つーか、ギャラリーめっちゃ増えてない?
「それに……」
噛ませ犬はチラッとヴィエルジュの方へ視線を送ると、ゴミを見るような目で言い放ってくる。
「どこの馬の骨かもわからないメイドと一緒とはあさはかだ。そのメイドもどうせ主人同様にゴミクズ──」
「あん?」
彼の言葉の途中で俺は一瞬で頭に血が上り、瞬時に噛ませ犬の背後に回る。
「──はへ?」
父上を意識して威圧するようにボソリと言ってやる。
「それ以上俺のヴィエルジュを愚弄したら殺すぞ」
「あ、へ、あ……」
噛ませ犬は声にならない声を出して、へなへなと膝から崩れ落ちた。
『え?』
『なに?』
『なにが起こった?』
ただそいつが俺にビビっただけじゃ、ボケ。
「……行くぞ、ヴィエルジュ」
こいつを殺してもなんの意味もなし。この場にいてもイラつくだけだ。
「はい。ご主人様」
俺達はギャラリーを押し除けて校内へと入って行った。
198
お気に入りに追加
575
あなたにおすすめの小説
俺が異世界帰りだと会社の後輩にバレた後の話
猫野 ジム
ファンタジー
会社員(25歳・男)は異世界帰り。現代に帰って来ても魔法が使えるままだった。
バレないようにこっそり使っていたけど、後輩の女性社員にバレてしまった。なぜなら彼女も異世界から帰って来ていて、魔法が使われたことを察知できるから。
『異世界帰り』という共通点があることが分かった二人は後輩からの誘いで仕事終わりに食事をすることに。職場以外で会うのは初めてだった。果たしてどうなるのか?
※ダンジョンやバトルは無く、現代ラブコメに少しだけファンタジー要素が入った作品です
※カクヨム・小説家になろうでも公開しています
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
鍵の王~才能を奪うスキルを持って生まれた僕は才能を与える王族の王子だったので、裏から国を支配しようと思います~
真心糸
ファンタジー
【あらすじ】
ジュナリュシア・キーブレスは、キーブレス王国の第十七王子として生を受けた。
キーブレス王国は、スキル至上主義を掲げており、高ランクのスキルを持つ者が権力を持ち、低ランクの者はゴミのように虐げられる国だった。そして、ジュナの一族であるキーブレス王家は、魔法などのスキルを他人に授与することができる特殊能力者の一族で、ジュナも同様の能力が発現することが期待された。
しかし、スキル鑑定式の日、ジュナが鑑定士に言い渡された能力は《スキル無し》。これと同じ日に第五王女ピアーチェスに言い渡された能力は《Eランクのギフトキー》。
つまり、スキル至上主義のキーブレス王国では、死刑宣告にも等しい鑑定結果であった。他の王子たちは、Cランク以上のギフトキーを所持していることもあり、ジュナとピアーチェスはひどい差別を受けることになる。
お互いに近い境遇ということもあり、身を寄せ合うようになる2人。すぐに仲良くなった2人だったが、ある日、別の兄弟から命を狙われる事件が起き、窮地に立たされたジュナは、隠された能力《他人からスキルを奪う能力》が覚醒する。
この事件をきっかけに、ジュナは考えを改めた。この国で自分と姉が生きていくには、クズな王族たちからスキルを奪って裏から国を支配するしかない、と。
これは、スキル至上主義の王国で、自分たちが生き延びるために闇組織を結成し、裏から王国を支配していく物語。
【他サイトでの掲載状況】
本作は、カクヨム様、小説家になろう様、ノベルアップ+様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる