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第33話 狂犬が目覚めた日

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「潮風の香りがして来たな。そろそろか?」

村を飛び出し走り続けると、村長の地図通りホルシド教の拠点を見つけた。
拠点は、教会を無理やり増築して基地にしたような建造物だった。

森の中に突如として現れる、
石造りのそれは驚くほど異質な雰囲気を漂わせている。

「こんなに立派なのに近づくまで気づけなかった……
上等な偽装魔法でも施されているのか?」
「その通りだ」
バタバタバタ!

僕が入ろうとした途端に、三人の信者が入口から飛び出してきた。
彼らはそれぞれ別々の武器を持っている。
信者の一人は素手、一人は弓、最後の一人は剣だ。

「早速お出ましかよ……」
「ソエラ様の魔術を受けて生きているとはな……だが、少し死ぬのが遅れただけだ。お前の運命は変わらない」

素手の信者が僕に語る。

「御託はいいからさっさと退け!」

こんな所で足止めされる訳にはいかない。
僕は棍棒を構えて、信者達に向かっていく。

「ハッ!」
カンッ!
「フン!」

まず剣の男の攻撃を受け止めた。

「オラッ!」
ガスッ!  バギィ!
「ぐほっ!」

そして腹部に蹴りを入れてひるませた後に棍棒で殴りつけ、倒した。

「くらえッ!」
ビシュン!
「ヒッ……」

咄嗟に動くと、矢が目の横を通過した。
危なかった……

「縮地!」
バコンッ!
「ゴハァ!?」

次が来る前に縮地で距離を詰めて殴りぬける。
弓の男もこれで倒した。

「そして次はお前だ!」
パァン!
「……なるほど、報告通り中々やるガキのようだ」
「なにぃ……!」

勢いのまま素手の男も制圧しようと殴りつける。
だが、男は軽くはたかれた程度の反応しかみせない。
……かなり全力で殴ったのにな。

「だが、調子に乗るな。お前が今まで倒したのは下級構成員にすぎん。でいっ!」
ブン!
「ちっ!」

素手の男が放つ右ストレートを後ろに避ける。
確かに耐久力といい攻撃の速さといい、今までとは違う相手だ。

「鑑定!」

-----------------------------------------------------------------------------------------
名前:???
種族:人間
年齢:??歳
HP:50/50
MP:40/40
腕力:20
↳攻撃力:20
体力:13
魔力:11
敏捷:12
頑丈:15+3
↳防御力:18
スキル
格闘術Lv2
無慈悲
-----------------------------------------------------------------------------------------

以前戦った奴らと比べると明らかにステータスが高いな……勝てるのか?

バタバタ!

「なっ……増援か!」

既に倒れた二人を埋め合わせるように、二人の信者が建物から現れた。
一人はナイフ、もう一人は槍。
バリエーション豊かな奴らめ……

「彼らも俺と同じレベルの戦闘員だ。貴様に倒せるかな?」

「……やるしかないんだよ!」

僕は気合いを入れて構え直す。

「そりゃあ!」
「クックック……」

ナイフの信者は素早い足取りでこちらに急接近して攻撃してくる。

「うおっ!?」

体を逸らして身をかわす……刃はさっきまで僕の首があった場所を切り裂く。
ブン!

「……くっ!」

そしてそのまま腕を曲げ、なおも僕の首を切ろうとしてくる。
僕はさらに避けた。

「ほらほら!」
シュッ!  ブン!
「攻撃が途切れないな……!」

急所狙いの一撃が次々と繰り出される。
一度でも喰らえば間違いなく命は無い……。

「……見切った!」
ガシッ!

しかし、僕は何度目かの突きを見切り、彼の腕を掴んだ。
ナイフの信者は予想外だったようで目を丸くしている。

「……!」
「オラァ!」
べシイ!

そのまま背負い投げで地面に叩きつける。
なんとか倒せたな……!

「どこ見てる?」
「そんな不意打ち当たるか!」

背を向けた隙を狙ったのか、槍の信者が突きを放ってくるが……そんなの読めてる。
僕は屈んで避け、更に槍の棒部分を掴んだ。

「武装解除!」
バキッ!
「なっ……槍が……」

棍棒で棒と槍の繋ぎ目を殴ると簡単に折れた。

「こんなものはこうしてっと……」

槍部分を遠くに放り投げて、僕は折れ槍の男と向き合う。

「舐めるなよ……命尽きるその時まで殉じるのがホルシド教の掟だ!」
ブンッ!
「悪あがきを……!」

折れ槍の男は少しも怯まずに棒部分を振り回して襲ってきた。
冷静さを欠けた単調な動きだが……殺意と闘志に溢れている。

ブン!ブン!ブン!

「死ねっ!  死ねぇっ!」
「いい加減にしろ」
カアン!

僕は攻撃に合わせて弾き、棒すらも男の手から奪いとった。

「クソぉぉぉぉ!」
「まだやんのか!」

しかしそれでもなお男は向かってきて、僕に掴みかかってくる。

「ァァァ……!」
ガシッ!
「や、めろ……」

最初は胸ぐらを掴んでいたのが、強引に首に手を伸ばされた。
息が……苦しい……

「離せよ!」
ブォン!
「ガアアッ!?」

警棒で腹部を殴りつけ、緩まった所を振りほどく。

「ゲホッゴホッ……!」
「中々頑張るものだな!」

息を整える暇も取らせず、素手の男がきやがった。
それでも僕はなんとか構えるが……

バキィ!  ドスッ!
「……ぐはっ……」

側頭部への殴打と、腹部への蹴り。
手痛い一撃を貰った僕は数歩下がって片膝を着いた。
クソッ……脳が揺れたのか頭がボーっとしてくる……

「その目。まだ諦めていないようだが無駄だ」
「なん……だと……?」

素手の男が首を動かして、見るよう促してきた。

「まだまだ……!  邪神様の為に……!」
「お力を……」
「よくもやりやがったな……ぶっ殺してやる……!」

素直にそちらに視線を移すと、僕が倒した三人が起き上がっている。
マジかよ……

「手負いの上に五対一。ここまでだろう?」

素手の男はわざと構えをといて僕を煽ってくる。

「………………」

……本当にここまでなのか。
友達も助けれずに……自分も死んで……

『貴方より長くこの世界を見た者として断言しますが……
この世界には殺しをなんとも思わない連中なんて幾らでもいます。
そういう人間になれとは言いません。
ですが、そういう奴らに出会った時……殺し返す覚悟が無ければ、
貴方は将来大切なものを、もしかしたら自身の命だって落としかねません』

次にジョージの警告が聞こえた。
ああ……お前の言う通りだったのかもな……
僕はあの時なにを思ってたんだっけ。

『そりゃあ……殺さないで済むならその方がいいだろ。
人を殺しちゃいけないってのは常識だ』

そうだ、そんな風に考えてた。
人を殺しちゃいけないってのは常識だ。
人を殺しちゃいけないってのは常識だ。
人を殺しちゃいけないってのは常識だ。
殺しちゃいけないってのは常識だ。
いけないってのは常識だ。
ってのは常識だ。
常識だ。常識だ。常識だ。常識だ。常識だ。常識だ。常識だ。常識だ。常識だ。
常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識
常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識常識
常識―――――   ―――――常識?

「あっ」

ブチッ。
と、自分の中で何かが千切れた音が聞こえた。

そうか、そうだよ……
誰にも縛られたく無いなんて言って飛び出した癖に。

僕は僕自身を縛ってたんじゃないか!
なんでこんな簡単な事に気づかなかったんだろう!?

「あっはは……アッハッハッハッハッ!!!
アーッハッハッハハッハッハ!!!!!」

「……?  死を前に気でも狂ったか?」

常識とか倫理とか世間体とか……大事な事だよな……分かってる。
でも、そいつらに縛られてもっと大事なものを落とすくらいなら。

「僕はそんなもの喜んで捨てよう」

ザスッ。

構えを解き、油断仕切っていた男の胸に深々とナイフが突きささる。
僕が刺した。

「…………は?」
プシャッ。

引き抜くと、おびただしい量の血が溢れて僕を汚す。
生暖かいその感覚は、愉快なものじゃないけど……さして不愉快でも無かった。
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