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第10話 装備更新
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それから僕は急いで裏路地を抜け、慣れない道で目的の店を探し回った。
首を必死に左右に振ること数分……
「……よし、たぶんここだな。看板にも『裁縫屋』って書いてあるし」
やっと目的の店を見つけた。
急いでドアをノックして扉を開き、店内を覗き込んだ。
店の中は薄明るく、様々な糸や布、服などが所狭しと並んでいるのが見える。
「……すいませーん」
見たところ誰もいなさそうだが、声をかけてみる。
「はーい! ちょっと今手が離せないので少々お待ちをー!」
奥からそんな声が聞こえてきた。
「じゃあ、店内の見物でもして待とう」
店内にはエタブレで見た事あるような素材が多く飾ってある様に見える。
例えばあの服は「ワイルドコート」魔獣の革で作られた防具。
「土と風魔法に強い耐性を持ってるが、火魔法には弱い」
そんな感じの装備だったはず。
他にも「旅人の服」「僧侶の法衣」などなど……
エタブレ序盤から中盤にかけての装備が置いてあるようだ。
「お待たせしましたー!」
僕がさして重要でもない知識を思い出していると、
奥から人が出てきた。
「こんにちは。私、このお店の店主のサリアって言います」
そう言いながら、女性は頭を下げた。
サリアと名乗った彼女は、赤い長髪で緑の瞳を持つ美人さんだ。
「どうもこんにちは」
頭を下げ返す。
「えっとー、今日はどう言ったご用で?」
「用……って言うか……友達に呼び出されたんですよ。アシュリーって子に」
僕がそう言うと、サリアさんは合点がいったと言いたげに表情が明るくなった。
「あら、あの子のお客さん! って言うことは……リバティー君?」
そう言いながら、ニコニコと笑っている。
「その通りです!」
「ほうほう……ちょっと失礼」
サリアはそう言いながら近づいてくる。
「……? !?」
そして僕の身体をペタペタ触りだす。
突然の事に僕は何も出来ない。
……いきなりなんだこのお姉さんは。
「……? ??……?」
「なるほど胸囲はこのくらいで……腰も結構細くて……」
「あ、あの??」
「ああ! ごめんなさい! 細かい調整をするには
本人で確認する必要があったから」
「……採寸?」
「そりゃそうよ。意味も無く人の身体をベタベタする訳無いでしょう?」
ああ、ビックリした。うん、服屋だもんな。
別に採寸されても何も不思議ではない。
……ん? じゃあ僕用の服が用意されてるって事なの?
「……こんにちは」
背後からドアの開閉音と聞き覚えのある声がした。
「こんにちは、アシュリー」
「先に来てたんだ」
「そう。人を待たせるのは嫌いでさ」
「えっと、背中……? 大丈夫?」
アシュリーが指摘したのは、さっき路地で乱闘した時の汚れだろう。
「ああこれは……まあ気にしないで」
家のゴタゴタに彼女を巻き込みたく無いし。
僕は適当に誤魔化す。
「……分かった」
アシュリーが頷く。
「あら、アシュリーちゃん、こんにちは。
"例の品"は少し調整が必要だから二人で待っててね」
サリアはそう言って店の奥に引っ込む。
「例の品……僕はなんの為に呼ばれたのかな?」
「直ぐに分かる」
「そう。じゃあ大人しく待たせてもらうとしますかね」
サリアさんの様子から、呼ばれた理由になんとなく察しはつくが、
それを口に出してしまうのは野暮と言うもの。
僕は再び店内を見回して暇を潰す。
「お、この手袋なんかいいじゃん」
僕が手に取ったのは指ぬきのグローブ。
確かゲームでは器用+60くらいのそれなりに優秀な装備だったはず。
「アシュリー。君にこういう装備は合うんじゃない?
いつも解体作業で、手が汚れてたしさ」
そう言ってアシュリーの両手に目を移す。
――彼女の手には、昨日にはなかった、青アザがついている。
「……その傷は?」
「……! ちょっと、ぶつけただけ」
アシュリーは傷をサッと隠す。
……そんな風に、手の甲をぶつける事が有るのか?
傷の付き方から推測するに、誰かの攻撃を咄嗟に防御した様に見える。
「素直に話してくれても良いんだよ?」
「……リバティーだって背中の汚れの事話してくれなかった。お互い様」
「たしかに。それもそうだ」
彼女にも何か人に言いづらい事情があるのかもしれない。
もしも、【飛び出した実家から追手が来ている】
そう僕が正直に言えたら彼女も話してくれるのだろうか。
「お待たせしましたー! 調整終わりましたよ!」
奥から出てきたサリアが、
場の雰囲気を振り払う明るい口調でそんな事を言ってきた。
「さーさ、どうぞ奥へ」
サリアに促されるまま、二人揃ってに奥に通された。
「これは……?」
店の奥は針、糸、布が乱雑に置かれた作業場だった。
そして、その作業場の中心に有る仕立て台の上に置かれた、シャツとジャケット。
シャツは白い糸で編まれたシンプルなものだが、
ジャケットの方はグレーの本革で、袖部分に金色に輝くボタンが縫い付けられ、
裏地は鮮やかな赤に染まっている派手なデザインだ。
「もしかして……僕の服ですか!?」
「ええ、その通り。アシュリーちゃんからのプレゼントよ」
予想以上に最高のサプライズを受けてテンション上がっちゃう。
「ありがとう。アシュリー、この恩はいつか必ず返すよ!」
僕は彼女の手を握りしめてハッキリとお礼を述べた。
「別に……大したことじゃ……私は素材を集めただけだし……
プレゼントするって決めたのも、君をほっといたら何時までも
その服でいそうだったからで」
普段の様子とはうってかわって、よく喋るアシュリー。
彼女の頬はほんのり赤に染まっている。
「もう、アシュリーちゃんったら。
世話焼きの癖にこういう時素直じゃないんだから~」
セリアさんがそう言いながらアシュリーの頬を指でグリグリしだす。
彼女は何も言わずに目を伏せた。相当照れてるな。
「ちょ、ちょっと外の風に当たってくる……」
彼女はそう言って顔を伏せたまま出て行ってしまった。
「じゃあ早速着て見ましょうかね!」
汚れた服を脱ぎ、椅子にかける。
そして白シャツを手に取り、袖を通した。
「……良いな」
サイズは少し余裕が有り、長く着る事を想定されているのだろう。
そして何より着心地が良い。
絹を思わせる肌触りに、ビックリするくらい生地が軽い。
「良いですね、これ。凄い品質の高さを感じます」
「その『蜘蛛糸のシャツ』は、頑丈な蜘蛛糸を生地に採用したシャツなんですよ~。しかも見た目よりずっと丈夫で、軽いのに防具としての性能も優秀です。ちょっとした刃物とかも防げるくらいには!」
「それはそれは……」
僕はスキルの都合上、重い鎧を着込んで機動力を落とす訳にはいかない。
だから、この装備は僕に最適と言える。
「次はこのジャケットを」
シャツが素晴らしかった分、期待のハードルは上がる。
僕はワクワクしながらジャケットを羽織った。
「おおおお……」
「そのジャケットは狼の革を素材に使っているの。
ナイフで素早く獲物を仕留めるらしいリバティー君にはピッタリでしょう?」
「そうみたいですね」
不思議な事に、僕はこのジャケットと10年の付き合いなんじゃないかと
勘違いしそうになるくらいにしっくりくる。
「それにちょっと特別な加工がしてあってね……汚れがとても落ちやすいの!
こまめに洗えば長いこと着ていけるはずよ!」
「ほうほう……」
なるほど、あんまり汚すようなことは
したくないけど長く付き合っていきたいしな。
嬉しい機能だ。
「いやぁ、本当にありがとうございます。ちなみにお代は……?」
「良いのよお代は、素材はアシュリーちゃんに提供して貰ったから、請求するとしても技術費くらいかしらね。
それも貴方が活躍すれば良い宣伝になるでしょうし」
なんだか人の温かさが目に染みるなぁ……。
こんなに親切にされる経験が出来るなんて、転生して良かった。
「わかりました! ガンガン名声を広めて宣伝しますよ!」
自由気ままに暴れていたらその内に名も売れるだろう。
やりたいようにやるだけで恩返しも出来るとは、自由の素晴らしきかな。
「ちょっとアシュリーにお披露目してきますよ。
彼女のプレゼントですし」
「ええ、それがいいわ。あと……」
「?」
「彼女とはずっと仲良くしてあげてね。アシュリーちゃんはちょっと複雑な事情抱えてて、あんまり他人と打ち解けようとしないのよ。同世代の友達なんて初めてじゃないのかしら? 私だって話をするのに随分かかったもの」
サリアさんは懐かしむように遠くをみながら、フフッと笑う。
「大丈夫ですよ安心してください、複雑な事情なら僕も負けてませんし」
転生者だし、家出貴族だし、偽名だし。
アシュリーからどんな面倒な事情が出てこようと受け止めなければ、
僕が彼女と仲良くする資格なんて無くなる。
「ふふ……そう。それを聞けて安心したわ」
僕はその言葉に笑顔を返し、店を出た。
これを贈ってくれた彼女にお披露目しなくては。
首を必死に左右に振ること数分……
「……よし、たぶんここだな。看板にも『裁縫屋』って書いてあるし」
やっと目的の店を見つけた。
急いでドアをノックして扉を開き、店内を覗き込んだ。
店の中は薄明るく、様々な糸や布、服などが所狭しと並んでいるのが見える。
「……すいませーん」
見たところ誰もいなさそうだが、声をかけてみる。
「はーい! ちょっと今手が離せないので少々お待ちをー!」
奥からそんな声が聞こえてきた。
「じゃあ、店内の見物でもして待とう」
店内にはエタブレで見た事あるような素材が多く飾ってある様に見える。
例えばあの服は「ワイルドコート」魔獣の革で作られた防具。
「土と風魔法に強い耐性を持ってるが、火魔法には弱い」
そんな感じの装備だったはず。
他にも「旅人の服」「僧侶の法衣」などなど……
エタブレ序盤から中盤にかけての装備が置いてあるようだ。
「お待たせしましたー!」
僕がさして重要でもない知識を思い出していると、
奥から人が出てきた。
「こんにちは。私、このお店の店主のサリアって言います」
そう言いながら、女性は頭を下げた。
サリアと名乗った彼女は、赤い長髪で緑の瞳を持つ美人さんだ。
「どうもこんにちは」
頭を下げ返す。
「えっとー、今日はどう言ったご用で?」
「用……って言うか……友達に呼び出されたんですよ。アシュリーって子に」
僕がそう言うと、サリアさんは合点がいったと言いたげに表情が明るくなった。
「あら、あの子のお客さん! って言うことは……リバティー君?」
そう言いながら、ニコニコと笑っている。
「その通りです!」
「ほうほう……ちょっと失礼」
サリアはそう言いながら近づいてくる。
「……? !?」
そして僕の身体をペタペタ触りだす。
突然の事に僕は何も出来ない。
……いきなりなんだこのお姉さんは。
「……? ??……?」
「なるほど胸囲はこのくらいで……腰も結構細くて……」
「あ、あの??」
「ああ! ごめんなさい! 細かい調整をするには
本人で確認する必要があったから」
「……採寸?」
「そりゃそうよ。意味も無く人の身体をベタベタする訳無いでしょう?」
ああ、ビックリした。うん、服屋だもんな。
別に採寸されても何も不思議ではない。
……ん? じゃあ僕用の服が用意されてるって事なの?
「……こんにちは」
背後からドアの開閉音と聞き覚えのある声がした。
「こんにちは、アシュリー」
「先に来てたんだ」
「そう。人を待たせるのは嫌いでさ」
「えっと、背中……? 大丈夫?」
アシュリーが指摘したのは、さっき路地で乱闘した時の汚れだろう。
「ああこれは……まあ気にしないで」
家のゴタゴタに彼女を巻き込みたく無いし。
僕は適当に誤魔化す。
「……分かった」
アシュリーが頷く。
「あら、アシュリーちゃん、こんにちは。
"例の品"は少し調整が必要だから二人で待っててね」
サリアはそう言って店の奥に引っ込む。
「例の品……僕はなんの為に呼ばれたのかな?」
「直ぐに分かる」
「そう。じゃあ大人しく待たせてもらうとしますかね」
サリアさんの様子から、呼ばれた理由になんとなく察しはつくが、
それを口に出してしまうのは野暮と言うもの。
僕は再び店内を見回して暇を潰す。
「お、この手袋なんかいいじゃん」
僕が手に取ったのは指ぬきのグローブ。
確かゲームでは器用+60くらいのそれなりに優秀な装備だったはず。
「アシュリー。君にこういう装備は合うんじゃない?
いつも解体作業で、手が汚れてたしさ」
そう言ってアシュリーの両手に目を移す。
――彼女の手には、昨日にはなかった、青アザがついている。
「……その傷は?」
「……! ちょっと、ぶつけただけ」
アシュリーは傷をサッと隠す。
……そんな風に、手の甲をぶつける事が有るのか?
傷の付き方から推測するに、誰かの攻撃を咄嗟に防御した様に見える。
「素直に話してくれても良いんだよ?」
「……リバティーだって背中の汚れの事話してくれなかった。お互い様」
「たしかに。それもそうだ」
彼女にも何か人に言いづらい事情があるのかもしれない。
もしも、【飛び出した実家から追手が来ている】
そう僕が正直に言えたら彼女も話してくれるのだろうか。
「お待たせしましたー! 調整終わりましたよ!」
奥から出てきたサリアが、
場の雰囲気を振り払う明るい口調でそんな事を言ってきた。
「さーさ、どうぞ奥へ」
サリアに促されるまま、二人揃ってに奥に通された。
「これは……?」
店の奥は針、糸、布が乱雑に置かれた作業場だった。
そして、その作業場の中心に有る仕立て台の上に置かれた、シャツとジャケット。
シャツは白い糸で編まれたシンプルなものだが、
ジャケットの方はグレーの本革で、袖部分に金色に輝くボタンが縫い付けられ、
裏地は鮮やかな赤に染まっている派手なデザインだ。
「もしかして……僕の服ですか!?」
「ええ、その通り。アシュリーちゃんからのプレゼントよ」
予想以上に最高のサプライズを受けてテンション上がっちゃう。
「ありがとう。アシュリー、この恩はいつか必ず返すよ!」
僕は彼女の手を握りしめてハッキリとお礼を述べた。
「別に……大したことじゃ……私は素材を集めただけだし……
プレゼントするって決めたのも、君をほっといたら何時までも
その服でいそうだったからで」
普段の様子とはうってかわって、よく喋るアシュリー。
彼女の頬はほんのり赤に染まっている。
「もう、アシュリーちゃんったら。
世話焼きの癖にこういう時素直じゃないんだから~」
セリアさんがそう言いながらアシュリーの頬を指でグリグリしだす。
彼女は何も言わずに目を伏せた。相当照れてるな。
「ちょ、ちょっと外の風に当たってくる……」
彼女はそう言って顔を伏せたまま出て行ってしまった。
「じゃあ早速着て見ましょうかね!」
汚れた服を脱ぎ、椅子にかける。
そして白シャツを手に取り、袖を通した。
「……良いな」
サイズは少し余裕が有り、長く着る事を想定されているのだろう。
そして何より着心地が良い。
絹を思わせる肌触りに、ビックリするくらい生地が軽い。
「良いですね、これ。凄い品質の高さを感じます」
「その『蜘蛛糸のシャツ』は、頑丈な蜘蛛糸を生地に採用したシャツなんですよ~。しかも見た目よりずっと丈夫で、軽いのに防具としての性能も優秀です。ちょっとした刃物とかも防げるくらいには!」
「それはそれは……」
僕はスキルの都合上、重い鎧を着込んで機動力を落とす訳にはいかない。
だから、この装備は僕に最適と言える。
「次はこのジャケットを」
シャツが素晴らしかった分、期待のハードルは上がる。
僕はワクワクしながらジャケットを羽織った。
「おおおお……」
「そのジャケットは狼の革を素材に使っているの。
ナイフで素早く獲物を仕留めるらしいリバティー君にはピッタリでしょう?」
「そうみたいですね」
不思議な事に、僕はこのジャケットと10年の付き合いなんじゃないかと
勘違いしそうになるくらいにしっくりくる。
「それにちょっと特別な加工がしてあってね……汚れがとても落ちやすいの!
こまめに洗えば長いこと着ていけるはずよ!」
「ほうほう……」
なるほど、あんまり汚すようなことは
したくないけど長く付き合っていきたいしな。
嬉しい機能だ。
「いやぁ、本当にありがとうございます。ちなみにお代は……?」
「良いのよお代は、素材はアシュリーちゃんに提供して貰ったから、請求するとしても技術費くらいかしらね。
それも貴方が活躍すれば良い宣伝になるでしょうし」
なんだか人の温かさが目に染みるなぁ……。
こんなに親切にされる経験が出来るなんて、転生して良かった。
「わかりました! ガンガン名声を広めて宣伝しますよ!」
自由気ままに暴れていたらその内に名も売れるだろう。
やりたいようにやるだけで恩返しも出来るとは、自由の素晴らしきかな。
「ちょっとアシュリーにお披露目してきますよ。
彼女のプレゼントですし」
「ええ、それがいいわ。あと……」
「?」
「彼女とはずっと仲良くしてあげてね。アシュリーちゃんはちょっと複雑な事情抱えてて、あんまり他人と打ち解けようとしないのよ。同世代の友達なんて初めてじゃないのかしら? 私だって話をするのに随分かかったもの」
サリアさんは懐かしむように遠くをみながら、フフッと笑う。
「大丈夫ですよ安心してください、複雑な事情なら僕も負けてませんし」
転生者だし、家出貴族だし、偽名だし。
アシュリーからどんな面倒な事情が出てこようと受け止めなければ、
僕が彼女と仲良くする資格なんて無くなる。
「ふふ……そう。それを聞けて安心したわ」
僕はその言葉に笑顔を返し、店を出た。
これを贈ってくれた彼女にお披露目しなくては。
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