【BL】【R18】金がないのでヴァンパイアに血と体を売ってる人間の話

ペーパーナイフ

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6 ルークの嫉妬

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金曜日になった。ルークと会うのがやけに久しぶりに感じる。いつものように彼の家を訪れた。

彼は俺に温かい紅茶を出してくれた。
ここ最近バカでかいお屋敷にいたから実家のような安心感がある。

彼の部屋はいつ来ても整理整頓、掃除が行き届いていて美しかった。

「ノイスはここ数日間何してたの」

「んーとバイトかな」

「バイト?」

やばい。つい口が滑ってしまった。言っても問題ないか…?逆にルークしか客がいないっていうのも変だよな。

「そう、平日血を売るバイトいれたんだ」

「へぇ…」
彼は眉をひそめてお茶をすすった。

「何歳ぐらいの人?王都に住んでるの?どのぐらい続けるの?」
それから怒涛の質問攻めがおこる。

「え、えーっと。王都で…18歳のお坊ちゃんで…期間は特に決まってないよ」
驚きつつ俺は答えた。

「危ない仕事じゃない?」

「全然」
初日にナイフ飛ばされたけど。

彼はカチャリとコップを机に置くとソファの隣の席に座ってきた。

「お金足りないならもっと払うよ」

「いや、そういうわけじゃ」
確かに金欠だけど、ただでさえ高額で雇ってくれてるのにこれ以上搾り取るわけにはいかない。

「そいつに何された?」

「血をあげただけだよ」

「どこから?」

「て、手首!」
ルークはじっとこちらを見つめる。
ううっ…。なんだこの間は…。別に付き合っているわけではないのになんか浮気を責められている気分になる。

そして彼はゆっくりと顔を近づけ、キスをした。
「僕以外とこんなことしないでね」

なんだその彼氏みたいなセリフ…っ。

「わ、わかった」
もう恋人ごっこ?は始まっているのかもしれない。彼にとってはこんな嫉妬みたいなやり取りも遊びなんだから深く考える必要はない。

「お金あげるから抱かせてって言われてもだめだからね?」

「それ言ったのはルークだろ」
俺たちは二人でくすくすと笑いあった。


その後ティーカップを片付けるとルークは戸棚から小瓶を取り出した。それは我が国では一般的な薬だった。体質変化の薬。

ヴァンパイアはもともと日光に弱く血液を主食としていた。それでは人間との共存は難しかった。そのため開発されたのがこの薬だ。

青い色のは長期的に体質を変化させるもので、赤い色は短期的。赤は大体一日ぐらいで効果が切れるから遊びとして使われることが多い。

大抵のヴァンパイアはこの薬で日光に強く、人間と同じ食事を取れるように体質変化させている。実は俺もお世話になっていた。
この仕事は大量に出血するから普通の人間だと貧血になる。
俺はこの薬で血を大量に流しても大丈夫なようにしていた。

使用方法は簡単で飴のような薬を一粒飲んで強くお願いするだけ。かなり値が張るから俺はあまり使ったことないけど。

「今日はこれで遊ぼう」

そう言って彼は赤い飴玉を一つ取り出すとそれを口に放り込んだ。何をお願いするのだろうか。

「ノイス」
彼はいつもどおり俺を横抱きにするとベッドまで運んだ。
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