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4 二日目の夜
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翌日もグレイさんは朝酔っ払って帰り、昼まで寝てそこから仕事にでかけた。
彼がなんの仕事をしているのかは知らない。でも家や身なりからお金持ちだということは分かる。
一方俺は、昼過ぎまでには家事を一通り終わらせ夕食の準備を始めた。グレイさんの分はどうせ作っても捨てられるだけだけど…。
それでも一応作る。
そして夜、昨日と同じ時間に家を出た。
夜遊びは俺にとって唯一の娯楽だった。昨日のあの幸福感をもう一度味わいたい。
昔、孤児院でお腹が空いたときパン屋からパンを一つ盗んだあの頃のワクワク感と似ていた。
冷たい夜の街を一人歩いた。今日は誰にしようか。できればホテル代を払ってくれそうな人がいい。俺は仕事をすることもお小遣いを貰うことも禁止されていたから…。
外でするには寒すぎるし。
そんなことを思いながら昨日と同じ噴水に腰掛け人間観察をしていると、なんとまたあの男がいた。
「うわっ」
もしかしてこの近くに住んでいるのだろうか。
「君は…よかった。また会えた!」
ヴィルはこちらに駆け寄ると俺を抱きしめた。
「なんで勝手に帰ったんだ?」
「寝てたから起こすのも申し訳ないかなって思って…」
まさかまた会うとは思っていなかったから少し驚いた…。
「朝、君がいなくて寂しかった。ところでライアはここで何してるの?夜は冷えるだろう」
そう言って彼は着ていた高そうな上着を俺に羽織らせた。
「あ、ありがとう。なにって…」
ヴィルは俺のことをどう思っているのだろうか。ワンナイトの関係にしてはフレンドリーというか優しいというか…。
俺は彼をじっと見つめた。もしかして今夜もいける?正直他に探すのも面倒だしそのほうが助かる。
ヴィルはキョトンとした表情でこちらを見ていた。俺は彼の腕に抱きつくと上目遣いでお願いをした。
「今夜もヴィルと過ごしたい。だめ?」
彼は大きく目を見開いた。
「もしかして私のことを待っていたのかい?」
「…う、うん、そうだよ」
そう言うと彼は強く抱きしめる。
「そっか待たせてごめんね。温かい場所に行こうか」
なんかよくわからないけど上手くいったみたいだ。
彼が連れてきてくれるホテルはやはりすごく高そうなところだった。まぁ、ホテルなんて入ったことないからわからないけど。こういうのが普通なのかな。
部屋はとても広いしバスルームには大きな窓があって夜景を一望できる。お湯に浸かるなんてこと家じゃできないから初めはすごくドキドキした。
まさか今夜もそれが味わえるなんて。
温かいお湯に肩まで浸かると嫌なことすべて忘れられそうだ。
ヴィルは風呂から出ると部屋の電気をつけた。
「わっなんでつけるの?!」
俺はとっさにベッドの上で、布団で体を隠す。彼は上半身裸で濡れた髪をタオルで拭いていた。
「今日は電気つけたまましてもいいかな?昨日は部屋が暗くて君のことがよく見えなかったから」
「だめ」
部屋を明るくしたら体にたくさん残っている傷跡を見られてしまう。理由を聞かれても同情されても萎えさせても嫌だし、電気をつけてするメリットはない。
「そっか…」
俺が断ると彼は悲しそうに電気を消した。
「あ、恥ずかしいから…だからだめ」
「わかったよ」
彼がなんの仕事をしているのかは知らない。でも家や身なりからお金持ちだということは分かる。
一方俺は、昼過ぎまでには家事を一通り終わらせ夕食の準備を始めた。グレイさんの分はどうせ作っても捨てられるだけだけど…。
それでも一応作る。
そして夜、昨日と同じ時間に家を出た。
夜遊びは俺にとって唯一の娯楽だった。昨日のあの幸福感をもう一度味わいたい。
昔、孤児院でお腹が空いたときパン屋からパンを一つ盗んだあの頃のワクワク感と似ていた。
冷たい夜の街を一人歩いた。今日は誰にしようか。できればホテル代を払ってくれそうな人がいい。俺は仕事をすることもお小遣いを貰うことも禁止されていたから…。
外でするには寒すぎるし。
そんなことを思いながら昨日と同じ噴水に腰掛け人間観察をしていると、なんとまたあの男がいた。
「うわっ」
もしかしてこの近くに住んでいるのだろうか。
「君は…よかった。また会えた!」
ヴィルはこちらに駆け寄ると俺を抱きしめた。
「なんで勝手に帰ったんだ?」
「寝てたから起こすのも申し訳ないかなって思って…」
まさかまた会うとは思っていなかったから少し驚いた…。
「朝、君がいなくて寂しかった。ところでライアはここで何してるの?夜は冷えるだろう」
そう言って彼は着ていた高そうな上着を俺に羽織らせた。
「あ、ありがとう。なにって…」
ヴィルは俺のことをどう思っているのだろうか。ワンナイトの関係にしてはフレンドリーというか優しいというか…。
俺は彼をじっと見つめた。もしかして今夜もいける?正直他に探すのも面倒だしそのほうが助かる。
ヴィルはキョトンとした表情でこちらを見ていた。俺は彼の腕に抱きつくと上目遣いでお願いをした。
「今夜もヴィルと過ごしたい。だめ?」
彼は大きく目を見開いた。
「もしかして私のことを待っていたのかい?」
「…う、うん、そうだよ」
そう言うと彼は強く抱きしめる。
「そっか待たせてごめんね。温かい場所に行こうか」
なんかよくわからないけど上手くいったみたいだ。
彼が連れてきてくれるホテルはやはりすごく高そうなところだった。まぁ、ホテルなんて入ったことないからわからないけど。こういうのが普通なのかな。
部屋はとても広いしバスルームには大きな窓があって夜景を一望できる。お湯に浸かるなんてこと家じゃできないから初めはすごくドキドキした。
まさか今夜もそれが味わえるなんて。
温かいお湯に肩まで浸かると嫌なことすべて忘れられそうだ。
ヴィルは風呂から出ると部屋の電気をつけた。
「わっなんでつけるの?!」
俺はとっさにベッドの上で、布団で体を隠す。彼は上半身裸で濡れた髪をタオルで拭いていた。
「今日は電気つけたまましてもいいかな?昨日は部屋が暗くて君のことがよく見えなかったから」
「だめ」
部屋を明るくしたら体にたくさん残っている傷跡を見られてしまう。理由を聞かれても同情されても萎えさせても嫌だし、電気をつけてするメリットはない。
「そっか…」
俺が断ると彼は悲しそうに電気を消した。
「あ、恥ずかしいから…だからだめ」
「わかったよ」
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