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25 俺の番

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ようやく体育祭がはじまった。
天気は晴れ。絶好の体育祭日和だった。

俺は赤色のはちまきを巻き参加した。
リレーに玉入れ、綱引きどれも大盛り上がりだったが、一番はαクラスのリレーがすごかった。


お昼休みのことだった。俺はΩクラスの場所で弁当を広げた。
すると後ろから声がかけられる。

「ナギ」

振り返るとそこにはレイマがいた。

「レイマ…」
とても久しぶりな気がする。最後に顔を合わせたのは夏休みの序盤だった。彼は俺のうなじに視線を移した。そこにはチョーカーはない。
しかしはっきりとした噛み跡があった。

そう、会長と番ってからΩになる時間が少しずつ増えてきて最近ではほぼ元の性別に戻っていた。

「やっぱり番ったんだね…」
彼は項を指先でなぞり寂しそうな顔をした。
その瞬間周りから一斉に視線が集まる。

「え、あいつ番できたの?」
「相手誰だよ」
「出来損ないのくせに…」
くすくすくす。

アオイが消えてからいじめは少しマシになったが未だに俺はスクールカースト最下位だった。
実際半分βだし出来損ないっていうのは本当か…。


「俺だ」

その時低い声が響いた。
振り返るとそこには会長がいた。

声の主に一斉に視線が集まり悲鳴が上がった。

「なんで会長がここに…?!」

しかし次の瞬間、場の空気は一気に冷えきった。

うっ…。体が重くなるような圧がかかる。これはαの威嚇フェロモンだ…。
そしてそのフェロモンを出しているのは間違いなく会長だ。

彼は一歩一歩こちらに歩み寄ると、俺を抱きしめる。

「こいつナギは俺の番だ」

え…。それ公表していいの…っ。

「世界で一番愛している。彼を侮辱するやつは俺が許さないから覚えておけ」

そう言うと彼は俺を横抱きにして歩き出した。

「ちょっと…会長…っ」
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