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17 君がほしい※

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ようやく風呂場に到着した。

お風呂はα、Ω、男、女で分かれている。βは性別だけ注意すればどちらに入っても構わないことになっている。

俺は迷っていた。βでありΩである俺はどうすればいいんだろう。入り口の暖簾の前で唸っているとレイマが話しかけてきた。

「ナギ何してるの?一緒にαの方入ろうよ」

「うーん」
βならそれでも全く問題ない。レイマと雑談しながら長風呂するのも悪くないな。でもさっきの会長の言葉が脳裏をよぎる。 

『お前はもっとΩとしての自覚を持て』

「俺一応Ωだしこっちにするわ」
俺はΩと書かれた男の暖簾をくぐった。

「そう?」
彼は少し残念そうに眉を下げた。





お風呂から上がって部屋に戻るときのこと。廊下で前を歩いていた女の子がハンカチのような布を落とした。

俺はそれを拾い上げて声をかける。

「あの、すみません。落としましたよ」
俺の声に彼女はハッと振り返った。

うわっ。
凄い美人だ。金髪の髪の毛に青い瞳、鼻は高くお人形のような美少女だった。
外国の方かな。
彼女はピンク色の唇をゆっくり開く。

「ありがとうございます」
そう微笑んだ。
やはり外国の方なのだろう。すこしカタコトな気がする。
美女は一礼するとその場を後にした。

お風呂上がりできれいにまとめられたお団子の下、つまり彼女のうなじについ目がいった。

首元にはくっきりとした歯型がついていた。なるほど彼女もΩなのだろう。俺もいつかあんなふうに噛み跡をつけられる日が来るのだろうか。




部屋につくとばたりとベッドに横たわった。シーツの香りが心地良い。
パリパリの真っ白なシーツにダイブするときってすごい幸せを感じるよな。
しばらく俺がゴロゴロしているとレイマが飲み物を持ってきてくれた。

「おお、ありがとう」
浴衣イケメンは優しく微笑むとジュースを差し出してきた。

キンキンに冷えた飲み物はお風呂上がりの熱った体に染み渡る。

「ぷはっうまっ」

俺はジュースを一気に呷る。
空のコップを受け取って彼は俺のベッドにゆっくりと腰掛けた。


「ねぇナギ、今朝のバスでの会話の続きなんだけどさ」

「んー」

「運命って怖いよね」

「なんで?」
あーシーツのいい匂いがする。

「どんなに好きな人がいても体が運命を求めちゃうんだよ。理性が全くきかなくなる」

「へー」
なんか眠くなってきた。体はポカポカしてるしベッドはフカフカで気持ちいいし。

「ナギと再会できたのは僕にとって奇跡だったんだ」

「うん、俺も会えるとは思わなかったよ」
体が熱い。俺は仰向けに横たわった。

「ナギは僕の初恋なんだ。ねぇ、どうしても君がほしい」

「え?」
レイマはギシッとベッドに乗り上げると俺に跨った。

あれ、レイマ今なんて言ったんだ?
頭がぽーっとする。のぼせたのかな。

彼は俺の腕を押さえつけると首元に鼻を寄せた。
「あぁいい匂い。ナギのフェロモンだ」

ふぇろもん…?

「ナギ今すごいえっちな顔してる…」
レイマはうっとりと呟く。

「発情するとやっぱΩになるんだね。ナギ、僕のΩになって」
彼がそっと俺のうなじに触れる。体がビクッと反応した。

「かわいい…」
え、俺今発情してるの??なんで…なんで…。どうしようチョーカーつけてない。
せっかく会長が注意してくれたのに忘れてた。

「れぃま…だめ…」

彼は俺の口に指を突っ込むとゆっくりかき混ぜた。
そして浴衣の帯を解く。

首元に舌を這わせながら後ろの穴に濡れた指をつぷりと挿し込んだ。

「んぁっ」
そして浅いところを何度もこする。

「トロトロで熱い…あぁ、早く挿れたいな」

前に会長に刺激されたときはとても気持ちよかったのに今回はただ違和感があるだけだった。

でも体がとても熱くて痒くて少しの刺激でもびくっとしてしまう。

「ビクビクしててかわいい…」


彼は指を引き抜き俺をうつ伏せにするとうなじに唇を近づけた。

体がうごかな…。
レイマなんで…

彼はぺろりと首筋を舐める。

「きれいな噛み跡つけてあげる」
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