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4 肝試し
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翌日のことだった。
「ねぇ、ちゃんと渡したの?」
教室でぼっち飯をしていると、確かアオイとかいうΩが俺の席までやってきた。
「渡したよ」
俺は弁当を食べながら答える。
「ならなんで生徒会長様は約束の場所に来てくれなかったんだよ!君、そんなこと言って手紙届けてないんじゃないの?」
かなりご立腹のようだ。こっちだって危険な目にあいながら頑張って渡してきたというのに…。
そこまで面倒見きれないよ…。俺は深いため息をついた。
あの変態生徒会長にはもう二度と関わりたくない。校舎も別だし今後顔を合わせることはないだろう。そう思っていた。
しかし、あれから一週間後のことだった。
俺たちは突如夜の学園に集められた。
今夜は学園内でお化け屋敷をするというイベントらしい。勘弁してくれよ。俺は早く帰って寝たいのに…。
しかしこのイベントは強制参加らしくクリアしなければ寮に戻ることはできないみたいだ。
Ωとαの出会いの場でもあるためか、Ωとαでペアになって学園を探索する決まりがある。俺は学級委員から一本棒状のくじ引きを受け取った。番号は50番だった。
50番~70番はΩ棟1階の探索をするらしい。α棟や体育館など様々な施設を使うことで大人数でも混むことなく肝試しができるようになっている。さすが私立。すごい手が込んでいる。
「何番だ」
その時後ろから声がかかった。係員の人かと思って振り返るとそこには生徒会長がいた。
「げっ」
俺はとっさに後ずさる。変態痴漢生徒会長じゃん。
俺の言葉に一瞬眉を潜めたが、
「50番か」
しかし彼は番号だけ確認するとどこかへ行ってしまった。
どうやら俺に絡みに来たわけではなく生徒会としてくじの番号を確認しに来たみたいだ。手には名簿のようなものを持っている。びっくりした。
どんなαとペアになるのかな。生徒会長みたいに見境なく襲いかかる変なやつじゃないといい。なんて思いながら俺は列に並び順番待ちをしていた。
するとアオイがこちらにダッシュでやってきた。
「ねぇ、番号交換して!」
かなり焦っているようだ。彼は59番の棒を強引に押し付けてくる。
「嫌だよ。もうすぐ順番くるし。はやく帰って寝たいから」
そして俺が断るのも無視して彼は棒を無理やりひったくった。
「生徒会長様が50番なんだよ。譲って」
え?生徒会長が?!
「わかった。いいよ」
俺は素早く59番の棒を受け取る。
「50番の方~」
その時丁度案内係が声をかけた。
「ふんっ一応お礼言ってやるよ」
アオイはこちらを振り返り偉そうにそう言うと、嬉しそうに案内者のもとへかけていった。
俺は大きくため息をつく。
はぁーーー。あっぶなかったぁぁあ!!
ラッキー!これに関してはアオイグッジョブだ。あの変態と二人で夜の校舎を回るなんて絶対嫌だ。
まさか偶然生徒会長と同じ番号だったなんて驚きだったな。
しばらくすると俺も番号を呼ばれた。
受付に案内され、校舎の入り口に向かうとそこには知り合いのαがいた。
「あれ?!」
「え、ナギ?!」
「ねぇ、ちゃんと渡したの?」
教室でぼっち飯をしていると、確かアオイとかいうΩが俺の席までやってきた。
「渡したよ」
俺は弁当を食べながら答える。
「ならなんで生徒会長様は約束の場所に来てくれなかったんだよ!君、そんなこと言って手紙届けてないんじゃないの?」
かなりご立腹のようだ。こっちだって危険な目にあいながら頑張って渡してきたというのに…。
そこまで面倒見きれないよ…。俺は深いため息をついた。
あの変態生徒会長にはもう二度と関わりたくない。校舎も別だし今後顔を合わせることはないだろう。そう思っていた。
しかし、あれから一週間後のことだった。
俺たちは突如夜の学園に集められた。
今夜は学園内でお化け屋敷をするというイベントらしい。勘弁してくれよ。俺は早く帰って寝たいのに…。
しかしこのイベントは強制参加らしくクリアしなければ寮に戻ることはできないみたいだ。
Ωとαの出会いの場でもあるためか、Ωとαでペアになって学園を探索する決まりがある。俺は学級委員から一本棒状のくじ引きを受け取った。番号は50番だった。
50番~70番はΩ棟1階の探索をするらしい。α棟や体育館など様々な施設を使うことで大人数でも混むことなく肝試しができるようになっている。さすが私立。すごい手が込んでいる。
「何番だ」
その時後ろから声がかかった。係員の人かと思って振り返るとそこには生徒会長がいた。
「げっ」
俺はとっさに後ずさる。変態痴漢生徒会長じゃん。
俺の言葉に一瞬眉を潜めたが、
「50番か」
しかし彼は番号だけ確認するとどこかへ行ってしまった。
どうやら俺に絡みに来たわけではなく生徒会としてくじの番号を確認しに来たみたいだ。手には名簿のようなものを持っている。びっくりした。
どんなαとペアになるのかな。生徒会長みたいに見境なく襲いかかる変なやつじゃないといい。なんて思いながら俺は列に並び順番待ちをしていた。
するとアオイがこちらにダッシュでやってきた。
「ねぇ、番号交換して!」
かなり焦っているようだ。彼は59番の棒を強引に押し付けてくる。
「嫌だよ。もうすぐ順番くるし。はやく帰って寝たいから」
そして俺が断るのも無視して彼は棒を無理やりひったくった。
「生徒会長様が50番なんだよ。譲って」
え?生徒会長が?!
「わかった。いいよ」
俺は素早く59番の棒を受け取る。
「50番の方~」
その時丁度案内係が声をかけた。
「ふんっ一応お礼言ってやるよ」
アオイはこちらを振り返り偉そうにそう言うと、嬉しそうに案内者のもとへかけていった。
俺は大きくため息をつく。
はぁーーー。あっぶなかったぁぁあ!!
ラッキー!これに関してはアオイグッジョブだ。あの変態と二人で夜の校舎を回るなんて絶対嫌だ。
まさか偶然生徒会長と同じ番号だったなんて驚きだったな。
しばらくすると俺も番号を呼ばれた。
受付に案内され、校舎の入り口に向かうとそこには知り合いのαがいた。
「あれ?!」
「え、ナギ?!」
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