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10 嫉妬
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その日俺は自室で柚木とゲームをしていた。
床に足を伸ばして座っている柚木の太ももに頭を乗せゲーム機をいじる。いい枕だ。
彼がサラリと俺の頭を撫でた。
なんか猫になった気分だ。
榊は部屋の中央にある机で読書をしている。
「そんなものやって楽しいのか?」
榊が怪訝そうにこちらを見た。
「ゲーム?楽しいよ 榊もやる?」
「いや、僕はいい」
そういうと彼はオレンジジュースが入ったペットボトルを開けた。プシュっと炭酸の抜けるいい音がする。いいな俺も飲みたい。
榊が飲んだところでそ、れ一口くれと手を伸ばした。
「…んっ」
彼は少し面倒くさそうに、でもわざわざこちらまで歩いてペットボトルを手渡してくれた。
こういうところは育ちの良さを感じる。俺の場合この距離なら多分投げてしまうと思う。
「ありがと」
そう言ってオレンジジュースを受け取る。
すると突然柚木がそれを取り上げた。
「おいっ」
俺はジュースに手を伸ばす。
彼は俺を冷たい目で見つめると
「のどが渇いたなら俺がジュース取りに行ってくる これは榊のだろ」
そう言って彼はペットボトルを机の上におき、部屋を出ていった。
なんかあいつ少し機嫌悪かったような…。気のせいか?
ドアの方をぼうっと眺める俺に榊が話しかける。
「お前たち前から思っていたけどすこし距離近くないか…?」
「そうかな?」
あまり気にしたことなかったけどな。
「普通は男同士で膝枕なんてしないし頭も撫でない」
彼は口を尖らせフンッとそっぽ向いた。
これはもしかして…。
「拗ねてんの?」
俺がからかうようにそう言うと榊は顔を真っ赤にした。こいつはすぐに顔が赤くなる。
「は?ばかなのか、僕がそんなことで拗ねるわけないだろ!自意識過剰なやつめ」
初めは仲良くなれるか心配だったがいつの間にか友達認定してくれているみたいでとても嬉しい。
俺は彼ににじり寄った。
「な、なんだ…っ」
榊が身構える。
俺は彼に抱きつき頭をワシャワシャと撫でてやる。
「や、やめろ‥っ」
「大丈夫だってお前も大事な友達だから」
抵抗する榊に俺はじゃれつく。
「友達の証にちゅーしてやるよ」
そう言ってちゅーっと彼の頬に唇を寄せた。気持ち悪いなっ触るな!やめろ!そういう反応を待っていたのに彼は耳から首まで赤くして固まってしまった。そしてまるで信じられないというような目でこちらをじっと見つめていた。
「え」
やばいお坊ちゃんたちにはこんな男同士の悪ノリ文化なんてもしかしてないのか…。
「なにしてるの」
そのとき低い声がドアの方から聞こえた。
「…っ」
や、やっぱ、なんか、すごい怒ってる。
やばい今日の柚木は最強に不機嫌だ。
彼は俺の首根っこつかむとベッドの上まで引っ張っていきそこに座らせた。そしてキンキンのオレンジジュースを手渡してくる。
「あ、ありがとう」
俺はそれをごくごくと飲み干した。
柚木が後ろから抱きつくように座って俺の肩に顎を乗せてくる。
「冬早くゲームの続きしよ」
「あぁ、うん」
床に足を伸ばして座っている柚木の太ももに頭を乗せゲーム機をいじる。いい枕だ。
彼がサラリと俺の頭を撫でた。
なんか猫になった気分だ。
榊は部屋の中央にある机で読書をしている。
「そんなものやって楽しいのか?」
榊が怪訝そうにこちらを見た。
「ゲーム?楽しいよ 榊もやる?」
「いや、僕はいい」
そういうと彼はオレンジジュースが入ったペットボトルを開けた。プシュっと炭酸の抜けるいい音がする。いいな俺も飲みたい。
榊が飲んだところでそ、れ一口くれと手を伸ばした。
「…んっ」
彼は少し面倒くさそうに、でもわざわざこちらまで歩いてペットボトルを手渡してくれた。
こういうところは育ちの良さを感じる。俺の場合この距離なら多分投げてしまうと思う。
「ありがと」
そう言ってオレンジジュースを受け取る。
すると突然柚木がそれを取り上げた。
「おいっ」
俺はジュースに手を伸ばす。
彼は俺を冷たい目で見つめると
「のどが渇いたなら俺がジュース取りに行ってくる これは榊のだろ」
そう言って彼はペットボトルを机の上におき、部屋を出ていった。
なんかあいつ少し機嫌悪かったような…。気のせいか?
ドアの方をぼうっと眺める俺に榊が話しかける。
「お前たち前から思っていたけどすこし距離近くないか…?」
「そうかな?」
あまり気にしたことなかったけどな。
「普通は男同士で膝枕なんてしないし頭も撫でない」
彼は口を尖らせフンッとそっぽ向いた。
これはもしかして…。
「拗ねてんの?」
俺がからかうようにそう言うと榊は顔を真っ赤にした。こいつはすぐに顔が赤くなる。
「は?ばかなのか、僕がそんなことで拗ねるわけないだろ!自意識過剰なやつめ」
初めは仲良くなれるか心配だったがいつの間にか友達認定してくれているみたいでとても嬉しい。
俺は彼ににじり寄った。
「な、なんだ…っ」
榊が身構える。
俺は彼に抱きつき頭をワシャワシャと撫でてやる。
「や、やめろ‥っ」
「大丈夫だってお前も大事な友達だから」
抵抗する榊に俺はじゃれつく。
「友達の証にちゅーしてやるよ」
そう言ってちゅーっと彼の頬に唇を寄せた。気持ち悪いなっ触るな!やめろ!そういう反応を待っていたのに彼は耳から首まで赤くして固まってしまった。そしてまるで信じられないというような目でこちらをじっと見つめていた。
「え」
やばいお坊ちゃんたちにはこんな男同士の悪ノリ文化なんてもしかしてないのか…。
「なにしてるの」
そのとき低い声がドアの方から聞こえた。
「…っ」
や、やっぱ、なんか、すごい怒ってる。
やばい今日の柚木は最強に不機嫌だ。
彼は俺の首根っこつかむとベッドの上まで引っ張っていきそこに座らせた。そしてキンキンのオレンジジュースを手渡してくる。
「あ、ありがとう」
俺はそれをごくごくと飲み干した。
柚木が後ろから抱きつくように座って俺の肩に顎を乗せてくる。
「冬早くゲームの続きしよ」
「あぁ、うん」
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