【R18】【Bl】魔力のない俺は今日もイケメン絶倫幼馴染から魔力をもらいます

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5 スパルタ朝練?

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翌朝、やばい体がだるい…。今日はせっかくの休日だというのにまさか風邪か…?
なんかこう体が鉛になったようなだるさだ。でも別にのどは痛くないし鼻水も出ていない。

俺がベッドでぐったりしていると二段ベッドの階段を登ってきた榊がひょこっと顔を出した。

「生きてるか」

「んー死にそう風邪かも…」
枕に突っ伏して助けを求める。

「まぁ常人が僕の魔力をあんなに浴びたらそうなるだろな 行くぞ」
彼はそう言うと俺を無理やりベッドから引きずり降ろし寮の訓練場へと向かった。

訓練所はとても広くいろいろな魔法器具が置いてあった。榊は練習場の一番奥、まるで射撃場のような場所まで俺を引っ張っていくと指を指す。

「さぁ、魔力を発散しろ」

「発散?」

「そうだ あの的に当ててみろ」

あの的って…射撃場一番奥のあの豆粒みたいな的に?いや、無理だろ…。視力2の俺でも見えないぞ。

まぁとりあえずやってみることにする。
まず魔法ってどうやって撃つんだ…。

しかたないこの前の授業を思い出そう。
まずは指先に集中して…精一杯火を想像するんだったな。
すると…

その瞬間俺の指先からそれそれは大きな炎がぼわっと上がった。炎は天井までのぼり建物にどんどん炎が燃え移ってゆく。

「うわぁぁっ!」

え、え、やばいやばい火事だ火事だ!!
おさないかけないしゃべらないあとなんだっけ…えっとえっと

「きゃーーっっ火事!!!」
練習場は一瞬にしてパニックになった。
皆逃げ惑い腰を抜かす者もいる。
これかなりやばいのでは!!!

その時榊が一瞬手を大きく振りかざした。


その瞬間燃えていた炎がパッと跡形もなく消し飛ぶ。
練習場にはしばらく静寂が訪れた。
そしていきなりの拍手喝采。
すげー!すげーさすが榊様だ パチパチパチパチパチパチ

俺もつられて拍手したら思いっきり耳を引っ張られた。

「いででで…」

「お前は何をしているんだ!練習場になんの恨みがある!僕はあの的を撃てと言ったんだぞ」
はいわかってますごめんなさいでもできないんです…。

「いいか、こうやるんだ」
榊が人差し指を軽くふるだけでビュンっと風を切る音がする。
そしてガッという音と共に奥の的、ど真ん中に氷の破片がぶっ刺さった。
すげーーー。

…ん?まてよ?これ前にも見覚えが…。
も、もしかしてこいつ昨日、俺にこれを撃ったのか…??
さーっと血の気が引いてゆく。こわっ、完全に殺す気じゃん。
俺は榊を若干引き気味で見つめる。
すると彼が顔をくしゃっとさせて笑った。

「お前は驚いたり感心したり怯えたり表情がコロコロ変わるな」
ケラケラ笑っている。こいつこんなに笑うのか…。


ひとしきり笑ったあと彼は、さぁ今度はお前の番だと言わんばかりに的を指さした。

で、できる気がしない。俺は見様見真似で指を振った。
すると今度は大きな風が巻き起こり、的をすべてなぎ倒した。

こ、これはこれですごいのでは?
俺がドヤ顔で榊の方振り向くと彼は腹を抱えてゲラゲラ笑っていた。

「笑うなよ!」

「だってお前…的を…ふはははは」
何がそんなに面白いのか。俺はムッとする。
でも、この前の実習のときみたいなバカにされた不快感は不思議となかった。

「こんなこともできないとはな…この前の授業ではそこそこの魔力を持っているように見えたがお前魔力を操れないのか」

ぎくっ。あれはもらった魔力なんですとは言えない。

「ど、どうやるんだよ 教えて」

「ふんっ礼儀がなってないな 教えてください榊様だろう」

「おしえてくださいさかきさま…」

「よろしい」

それから俺は魔力が尽きるまで彼に特訓してもらった。激しく魔力を消費しているのにも関わらず数時間は持った。
すごい魔力だ。

俺は練習のおかげですこし氷を操ることができるようになった。氷は彼の得意魔法らしい。


俺が失敗するたび耳を引っ張るところ以外は教え方は完璧だった。

「いででで…だから引っ張るなよ!耳が伸びるだろっ」

「お前が失敗しなければいいだけの話だ」

もう体の魔力はほとんど残っていないみたいだ。体はスッキリとして気分がいい。
指先の炎も時間とともに弱々しくなっていった。

「冬っ」
もうそろそろ部屋へ帰ろうかと思っていたとき俺を呼ぶ声が聞こえた。

振り返るとジャージ姿の水瀬がこちらに駆けてきた。
「おおっ水瀬おはよう、いやこんにちはか」

「冬が朝からここにいるの珍しいね」

「まぁな お前はいつもここ使ってるのか」

「うん、時間があるときは」
そちらの人は?と彼が榊に目をやり視線で訴えかけてくる。

「こいつは同居人の榊 それでこっちは俺の幼馴染の水瀬 よろしくな」

ふたりとも軽く頭を下げ挨拶をしている。この顔面魔力つよつよの二人と一緒にいると俺の肩身が狭い…。

「冬、昼食まだだよね 一緒に食堂へ行かない?」
水瀬が食事に誘ってくる。

「榊も行くか?」

「いや、僕はまだここで魔力使ってく」

「じゃあまたな!練習ありがとな」

「んー」

俺たちは練習場を後にした。
水瀬がジャージから着替えたいと言ったのでまずは水瀬の部屋に行くことにした。
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