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そう、王子様が来るはずなんだ。でもいつ頃来るのだろうか。その前にまず魔女に毒りんごを売りに来てもらわなければならない。本来ならいつ来るかなんて全く検討がつかないけど私には前世の記憶がある。
確か絵本の白雪姫は17歳だった気がする。私達が住んでいる家も服装も、私が読んだ白雪姫の絵本の世界にそっくりだったから多分あっていると思う。
この前確認したところ姫は現在17歳!来月末には18になるのだ。つまり少なくとも来月末までには王子は現れることになる。
長く我慢したかいがあった。王子様早く白雪姫を回収しに来てください!!!
それから一週間ほどたったある日のこと。その日はちゃんとやってきた。私が一人で森の奥に薪拾いをしていると近くで枝を踏む音が聞こえた。
振り返る先には黒髪に赤い目の青年が立っていた。
彼は真っ白い制服に赤色のマント、腰には剣をぶら下げている。服の袖には金の刺繍が施されていてとても高そうだ。
長身で長めの前髪から覗く切れ長の赤い瞳は力強かった。
まさか白雪姫が毒りんごを食べる前にやってくるとは…。
彼は服装からして間違いなく王子様だろう。
でも私はこの人をどこかで知っている…?
彼は目を見開きまるで珍獣を見たときのような表情をした。それはそうだろう。こんな森の中で人に会うなんて普通考えないよね。
私が声をかける。
「こんにちは 私はこの森に住…」
まだ自己紹介している途中なのに彼がこちらへダッシュし勢いよく抱きしめてきた。
く、くるしい。
「キイロ…!!キイロキイロ!」
な、なんで私の名前を。
「キイロ、覚えているか?俺だ クロだ」
クロ…?クロ君…。その名前で忘れかけていた記憶が蘇る。
確か絵本の白雪姫は17歳だった気がする。私達が住んでいる家も服装も、私が読んだ白雪姫の絵本の世界にそっくりだったから多分あっていると思う。
この前確認したところ姫は現在17歳!来月末には18になるのだ。つまり少なくとも来月末までには王子は現れることになる。
長く我慢したかいがあった。王子様早く白雪姫を回収しに来てください!!!
それから一週間ほどたったある日のこと。その日はちゃんとやってきた。私が一人で森の奥に薪拾いをしていると近くで枝を踏む音が聞こえた。
振り返る先には黒髪に赤い目の青年が立っていた。
彼は真っ白い制服に赤色のマント、腰には剣をぶら下げている。服の袖には金の刺繍が施されていてとても高そうだ。
長身で長めの前髪から覗く切れ長の赤い瞳は力強かった。
まさか白雪姫が毒りんごを食べる前にやってくるとは…。
彼は服装からして間違いなく王子様だろう。
でも私はこの人をどこかで知っている…?
彼は目を見開きまるで珍獣を見たときのような表情をした。それはそうだろう。こんな森の中で人に会うなんて普通考えないよね。
私が声をかける。
「こんにちは 私はこの森に住…」
まだ自己紹介している途中なのに彼がこちらへダッシュし勢いよく抱きしめてきた。
く、くるしい。
「キイロ…!!キイロキイロ!」
な、なんで私の名前を。
「キイロ、覚えているか?俺だ クロだ」
クロ…?クロ君…。その名前で忘れかけていた記憶が蘇る。
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