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2 俺から逃げようとしたお仕置き※
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「お前俺に言うことねーの?」
安心したのもつかの間。朝のホームルームが終わるとハクは後ろを振り返った。
近くで見てもシミ一つない肌に左右対称な顔。相変わらずのイケメンだ。
「あ…ぇ……?」
俺はとっさのことにひどく驚き言葉に詰まる。
「タワシ」
そう言うと大きなため息をつき、少し苛立たしげに机を指先でコツコツとノックする。
俺はびくりと肩を揺らした。
「お前さ…住所、電話番号なんで嘘ついたんだよ」
「あっ…それはその…間違え!…かもしれない…」
やばいやっぱりバレてる…。俺は視線を泳がせながらも必死に嘘をついた。
「へぇ…」
彼は目を細め懐疑的な視線をこちらに送る。言わなくても彼が何を言いたいのかがわかってしまう。
う…うう。
しばらく二人の間に沈黙が訪れた。だめだ。気まずい。先に頭を下げたのは俺の方だった。
するとハクは俺の耳を強く掴み席をたつ。
「いっ痛い…っ」
「ちょっと来い」
やばいやばい殴られる…?もうすぐ一限が始まるというのに教室の外へと連行された。
連れて行かれたのは屋上へ続く階段だった。外へ出るための扉前の踊り場は、死角になっている。やっぱり殴られるのだろうか。
階段の一番上まで登ると、そこに座るよう誘導された。俺はぎゅっと目を閉じた。しかし痛みはいつまで経っても訪れない。ただ背中にぬくもりを感じた。
目を開けて確認すると、ハクが後ろからハグするように腰掛けていた。
ち、近い…。でも良かった殴られるわけではなさそうだ。
彼は昔から何故かくっついて座りたがる。
この距離感だと彼の使っているさっぱりした香水や柔軟剤の香りまで感じ取ってしまう。
「え、っと…」
困惑する俺の腰へ腕を回すとそのまま首元に顔を埋めた。
「わっ…」
ふわふわの白ヒョウのしっぽが太ももを擦るからくすぐったい。
どうすればいいんだろ…。これはどういう状況?ハクは怒っているのだろうか。というかどうして彼がこの学校に…?
疑問だらけの脳内は今にもパンクしそうだ。
「…ぅっ」
その時彼が俺の首筋に舌を這わせた。
少しざらついてぬるっとした感触にゾクゾクする。
「はぁく…っやめ…それ…」
逃げるように首を傾けても追いかけてきて。舌は首筋から顎のラインへと移動し耳たぶを軽く喰む。
俺たちケモミミには耳が2つある。一つは人間と同じやつで、もう一つは頭の上にある動物の耳。普段は頭上のを使うから人の耳は飾りみたいなものなんだ。
彼の吐息が近くで聞こえる。
「な、なにして…っ」
ハクは耳にかかった茶色の髪の毛をゆっくりかきあげると熱い舌を耳の中へとねじ込んだ。
「ぁ…んぅ…」
肩をがっしりと掴まれ逃げられない。まるで捕食されてるみたいだ。
くちゅくちゅ…。ぴちゃぴちゃ。
ぐりゅぐりゅと厚い舌を出したり入れたり擦り付けるようにして耳を犯される。
ふぅっと吐息を吹きかけられると頭がくらくらした。
「ぅ…ん…んんっ」
「お前が嘘付いてるのなんてバレバレなんだよ」
「…え…?」
やっぱり彼は怒っているのだろうか。
ハクはそのまま指先を俺の胸元まで持ってくるとワイシャツの上から擦った。
何かを探すように彼の骨ばった指が体を這っている。やがて胸の突起を見つけるとそこを爪先で軽く弾いた。
「ぁっ」
「ここ感じる?」
「気持ちいい?」
そう視線を絡ませたまま服の上から乳首をゆっくりと撫でる。
「よ、よくないっ。な、なにしてるんだよ」
俺はこの行為が苦手だった。彼は昔もよくふたりきりになるとこうして俺の胸を触る。これにどんな意味があるのかわからないけど彼に触られるとゾワゾワしてしまう。
でもこうして後ろから抱きつかれてるから逃げるに逃げられないんだ。
「俺から逃げようとしたお仕置き」
お、お仕置き…?
「ほら触ってると硬くなってきた」
いつの間にか服の上からでもわかるぐらいに乳首の形が浮き出ている。
恥ずかしくて俺は手足をバラつかせるが、すぐに押さえつけられてしまう。力では勝てないみたいだ…。
「ほらもっと嫌がれよ。はぁ、その表情すごいそそる」
ハクはうっとりと見惚れるように頬を染めた。
「ぅ…ぅう」
「勃起乳首恥ずかしいの?」
このサディストはこちらの反応を楽しむように顔を覗きこむ。
「し、…してないっ」
「へぇ…こんなにコリコリしてんのに?」
ハクは長い指で円を描くように胸の突起をさすった。やっぱりゾクゾクする…。
「ぁっ…っっ」
「じゃあ見せて」
「…ぇ…?」
「ロンの乳首どうなってるのか見せてよ」
「そ、それは…」
そう言うとハクは俺のワイシャツのボタンを一つずつ外していった。
プールとかで半裸になることはよくあるのに何故か今はとても恥ずかしい。
「だ…だめっ」
再度手足をバタつかせると耳たぶをガブリと噛まれてしまった。ちらりと彼の方を見ると目が完全に据わってる。
「ひっ…っ」
イケメンは長いまつげを伏せ、俺のはだけた胸元を覗き込んだ。
「真っ赤…」
彼に触られたところは確かに赤く充血している。
今度は直接肌に指を伸ばした。
ぷっくりとした突起を下から押し上げるようにゆっくりこすったり…。
グリグリと中に押し込むようにつついたり。
人差し指と親指で摘むと強く引っ張った。
「やっ…の、のびちゃうっ…っ」
引っ張りながらぐりぐりだめっ…。
「もっと勃ってきた。痛くされるのが好きとか、変態」
「好き…じゃな…ぃ…」
昔は違和感しかなかったその行為が今はただ快楽に変わっていく。
彼に触られるたび胸の先がビリビリする。
なんで…。
「ぁ…あぅ…んん…」
乳首をつねられたことで抑えていた声がつい漏れてしまった。すると彼は目を見開いた。
「…」
そしてゴクリと喉仏を上下させる。その後大きくため息をついた。
「はぁ…久しぶりすぎてつい魔が差した…」
「…?」
「まぁ、ロンが変わってなくてよかったってこと」
「…」
そう彼は俺の頭をぽんぽん撫でる。その表情はさっきと違い優しかった。
なんとなく居心地が悪くなって俺は視線を彼からはずす。
するとハクは俺の瞼に手を伸ばし滲んだ涙を拭った。
「次はもう逃さない。お前のこと捕まえに来たんだよ」
「え…?」
「これからよろしくな。タワシ」
そして幸せそうにそう言ったんだ。
安心したのもつかの間。朝のホームルームが終わるとハクは後ろを振り返った。
近くで見てもシミ一つない肌に左右対称な顔。相変わらずのイケメンだ。
「あ…ぇ……?」
俺はとっさのことにひどく驚き言葉に詰まる。
「タワシ」
そう言うと大きなため息をつき、少し苛立たしげに机を指先でコツコツとノックする。
俺はびくりと肩を揺らした。
「お前さ…住所、電話番号なんで嘘ついたんだよ」
「あっ…それはその…間違え!…かもしれない…」
やばいやっぱりバレてる…。俺は視線を泳がせながらも必死に嘘をついた。
「へぇ…」
彼は目を細め懐疑的な視線をこちらに送る。言わなくても彼が何を言いたいのかがわかってしまう。
う…うう。
しばらく二人の間に沈黙が訪れた。だめだ。気まずい。先に頭を下げたのは俺の方だった。
するとハクは俺の耳を強く掴み席をたつ。
「いっ痛い…っ」
「ちょっと来い」
やばいやばい殴られる…?もうすぐ一限が始まるというのに教室の外へと連行された。
連れて行かれたのは屋上へ続く階段だった。外へ出るための扉前の踊り場は、死角になっている。やっぱり殴られるのだろうか。
階段の一番上まで登ると、そこに座るよう誘導された。俺はぎゅっと目を閉じた。しかし痛みはいつまで経っても訪れない。ただ背中にぬくもりを感じた。
目を開けて確認すると、ハクが後ろからハグするように腰掛けていた。
ち、近い…。でも良かった殴られるわけではなさそうだ。
彼は昔から何故かくっついて座りたがる。
この距離感だと彼の使っているさっぱりした香水や柔軟剤の香りまで感じ取ってしまう。
「え、っと…」
困惑する俺の腰へ腕を回すとそのまま首元に顔を埋めた。
「わっ…」
ふわふわの白ヒョウのしっぽが太ももを擦るからくすぐったい。
どうすればいいんだろ…。これはどういう状況?ハクは怒っているのだろうか。というかどうして彼がこの学校に…?
疑問だらけの脳内は今にもパンクしそうだ。
「…ぅっ」
その時彼が俺の首筋に舌を這わせた。
少しざらついてぬるっとした感触にゾクゾクする。
「はぁく…っやめ…それ…」
逃げるように首を傾けても追いかけてきて。舌は首筋から顎のラインへと移動し耳たぶを軽く喰む。
俺たちケモミミには耳が2つある。一つは人間と同じやつで、もう一つは頭の上にある動物の耳。普段は頭上のを使うから人の耳は飾りみたいなものなんだ。
彼の吐息が近くで聞こえる。
「な、なにして…っ」
ハクは耳にかかった茶色の髪の毛をゆっくりかきあげると熱い舌を耳の中へとねじ込んだ。
「ぁ…んぅ…」
肩をがっしりと掴まれ逃げられない。まるで捕食されてるみたいだ。
くちゅくちゅ…。ぴちゃぴちゃ。
ぐりゅぐりゅと厚い舌を出したり入れたり擦り付けるようにして耳を犯される。
ふぅっと吐息を吹きかけられると頭がくらくらした。
「ぅ…ん…んんっ」
「お前が嘘付いてるのなんてバレバレなんだよ」
「…え…?」
やっぱり彼は怒っているのだろうか。
ハクはそのまま指先を俺の胸元まで持ってくるとワイシャツの上から擦った。
何かを探すように彼の骨ばった指が体を這っている。やがて胸の突起を見つけるとそこを爪先で軽く弾いた。
「ぁっ」
「ここ感じる?」
「気持ちいい?」
そう視線を絡ませたまま服の上から乳首をゆっくりと撫でる。
「よ、よくないっ。な、なにしてるんだよ」
俺はこの行為が苦手だった。彼は昔もよくふたりきりになるとこうして俺の胸を触る。これにどんな意味があるのかわからないけど彼に触られるとゾワゾワしてしまう。
でもこうして後ろから抱きつかれてるから逃げるに逃げられないんだ。
「俺から逃げようとしたお仕置き」
お、お仕置き…?
「ほら触ってると硬くなってきた」
いつの間にか服の上からでもわかるぐらいに乳首の形が浮き出ている。
恥ずかしくて俺は手足をバラつかせるが、すぐに押さえつけられてしまう。力では勝てないみたいだ…。
「ほらもっと嫌がれよ。はぁ、その表情すごいそそる」
ハクはうっとりと見惚れるように頬を染めた。
「ぅ…ぅう」
「勃起乳首恥ずかしいの?」
このサディストはこちらの反応を楽しむように顔を覗きこむ。
「し、…してないっ」
「へぇ…こんなにコリコリしてんのに?」
ハクは長い指で円を描くように胸の突起をさすった。やっぱりゾクゾクする…。
「ぁっ…っっ」
「じゃあ見せて」
「…ぇ…?」
「ロンの乳首どうなってるのか見せてよ」
「そ、それは…」
そう言うとハクは俺のワイシャツのボタンを一つずつ外していった。
プールとかで半裸になることはよくあるのに何故か今はとても恥ずかしい。
「だ…だめっ」
再度手足をバタつかせると耳たぶをガブリと噛まれてしまった。ちらりと彼の方を見ると目が完全に据わってる。
「ひっ…っ」
イケメンは長いまつげを伏せ、俺のはだけた胸元を覗き込んだ。
「真っ赤…」
彼に触られたところは確かに赤く充血している。
今度は直接肌に指を伸ばした。
ぷっくりとした突起を下から押し上げるようにゆっくりこすったり…。
グリグリと中に押し込むようにつついたり。
人差し指と親指で摘むと強く引っ張った。
「やっ…の、のびちゃうっ…っ」
引っ張りながらぐりぐりだめっ…。
「もっと勃ってきた。痛くされるのが好きとか、変態」
「好き…じゃな…ぃ…」
昔は違和感しかなかったその行為が今はただ快楽に変わっていく。
彼に触られるたび胸の先がビリビリする。
なんで…。
「ぁ…あぅ…んん…」
乳首をつねられたことで抑えていた声がつい漏れてしまった。すると彼は目を見開いた。
「…」
そしてゴクリと喉仏を上下させる。その後大きくため息をついた。
「はぁ…久しぶりすぎてつい魔が差した…」
「…?」
「まぁ、ロンが変わってなくてよかったってこと」
「…」
そう彼は俺の頭をぽんぽん撫でる。その表情はさっきと違い優しかった。
なんとなく居心地が悪くなって俺は視線を彼からはずす。
するとハクは俺の瞼に手を伸ばし滲んだ涙を拭った。
「次はもう逃さない。お前のこと捕まえに来たんだよ」
「え…?」
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