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5 だーくひーろーend

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そのまま上から乗り上げると、口の中にしっぽを突っ込んだ。

「んぐっ…っ」

「舐めてー」
先の尖ったしっぽが口内をぐちゅぐちゅとかき混ぜる。苦しい…っ
俺は彼のしっぽに噛み付いた。

「いだっ」
するとインキュバスは慌ててしっぽを出す。

「げほっげほっ」

「へぇ…なるほどねぇ従順じゃないのも嫌いじゃないよ」
今度は俺の口を無理やり開けさせ、固定すると再度しっぽを突っ込んだ。

「ぐっ…っあっ…」
それはぬるぬると舌を絡め取り、喉の奥まで入っていった。

「口の中気持ちいい…あーひさしぶりで凄いムラムラする」

ちゅぽっ。

いんはしっぽを引き抜くとそれをぺろりと舐めた。ゾクッと背筋が凍る。

「今度はこれをぉこっちに入れようか」

ちゅぷっ。

「あっあああっ」
彼は尻尾でお尻を擦ったあと穴に先を突っ込んだ。
そして何度もじゅぽじゅぽと出し入れを繰り返す。

「よさそうだねーじゃあ挿れよっか」

「まってやめ…っ」

悪魔のペニスはすごく大きかった。それは赤く充血していてもはや凶器だ。

「むりっそんなの入らないっ」

「大丈夫だよー無理やりねじ込めばいけるって」

「やっやだやだっ」

「インキュバスだもん絶対気持ちよくしてあげるから」

「あぁっっ」
彼は硬いちんぽを奥まで勢いよく突っ込むとぐりぐりと刺激した。

「まだ根本まではいってないよ」

「ぁうっ」

「どうー?気持ちいい?」

「はぁぅ…はぁぅっ」
ずぼずぼ出たりはいったりしてて…。
眼の前がチカチカした。

彼は激しく腰を揺らした。

「あははっ気持ちいぃ」

「魔王さぁ。まさか自分が閉じ込めた悪魔が恋人襲ってるなんて思わないよね。最高」

「やめっ…ぬいてぇ…っ」

「こーら逃げるなよ。まだ…っ出してないんだから」

「あんっ」

「抵抗してるけどさ、本当は気持ちいいんでしょ?」

「ちがぅ…」

「もっと腰動かせって」

「ぅぅ…」

俺は地面に這いつくばりながら画面に映し出される魔王を見た。
彼はまだ地面に座り込んだまま動かない。

確かに魔王は束縛すごいし外には出してくれないしで嫌だった。
けど悲しませたいわけじゃない。彼が俺を大事に思ってくれているからだ。

「もと…のせかぃに…はぁ…はぁもどしてくださゃい…っはぅっ」

「そーゆーの萎えるから。今は気持ちよくなろうよ。ねぇ?」

「君さー随分とお人好しなんだね。監禁されても魔王の心配するなんてさ。だから変なやつに好かれるんだよ」

「元の世界に…っ」

「しつこいなぁ。最後までやってからね」

「やだって…やめっ…」

「いいねもっと嫌がってよ。それ興奮するからさ」
悪魔には何をいっても伝わらないのだろうか。

「たぃがぁ…たいが…っ」

その時だった。



一瞬にして空間が歪んだ。

真っ白だった世界が黒く染まり耳鳴りのような音がする。




「お前だったか」
部屋に低い声が響いた。

誰かが立っている。スラッとしたシルエットの男だ。俺は彼を見上げた。

「え、嘘でしょ…ど、どうしてお前がここに」

タイガは大きく一歩俺たちに近づくと悪魔の首を締め上げた。

「ぐっ」

「絵画に閉じ込めたのにまだ懲りていないとはな…。しかも俺のものに手を出すなんて」

「タイガっ」

「ひっ。たっ退屈だったんですよっ。ここなにもないからっ…だから…っ」
インキュバスはうろたえながらバタバタと手足を動かした。

それでもかまわず魔王は首を締め上げる。
長い前髪は目元を隠していて表情は読み取れない。
彼は真っ赤な瞳で下から睨みつけた。

「閉じ込めるだけじゃ気に食わない。地獄よりももっと恐ろしい場所に強制送還してやる」

そして冷たくそう告げると魔王は右手をさっと振り上げた。

「…ャ…」

その瞬間悪魔は跡形もなく消え去った。空間には俺と魔王だけが取り残される。

「タイガ…ありがとう悪魔は…?」
俺はどうにか立ち上がり彼の元へと駆け寄った。
しかし俺の問いかけに魔王は反応しない。
ただ一点を見つめて立ち尽くしている。

「タイガ?」
正面に回り込み顔を覗き込むとその瞳に光はなかった。

「…っっ」

「ルフかえろ」

パチンッ。
彼が指を鳴らすと黒い空間は一瞬で飛散し元の部屋に戻った。

そのまま彼は俺を横抱きにしてお風呂場へと連れて行き、服を着たまま頭からお湯をかけた。

「タイガっ」
さっきから何度も呼びかけているのに彼は全く反応しない。声が届いているのか不安になった。

「だから嫌なんだ…」

「え?」

「どいつもこいつも俺から大事なものを奪おうとする…」

「鍵を締めて自分以外が触れられないところに閉じ込めないと…」

そう言って強く俺を抱きしめた。

「ルフ、ルフ…っ僕、怖くて君がいなくなるのがすごく怖かった。君がいないと生きていけないんだ…分かってくれ」

「…」

「大丈夫どこにも行かないよ」

「ほんとうに…?」

「うん」

彼はゆっくりと視線を上げた。

やっぱり放っておけないんだ。
誰よりも格好良くて才能があって、でも苦労していて、繊細で、臆病で…気を抜いたら崩れてしまいそうな彼を突き放すことは俺にはできなかった。

「これ、魔族になる薬なんだよな」
俺は彼の服のポケットからカプセルに入ったそれを取り出した。

そしてそれを口に含む。

ゴクリと飲み込んだ。
湯気がたつ浴室はお互いの顔がよく見えない。でも彼の瞳が揺れていることは分かった。

「これで俺が先に死ぬことはないし、タイガが死んだら俺も死ぬ」

「ルフ…」

「一緒だよ」

これは愛の呪いだ。魔王が死ぬまで俺は生き続ける。
魔族の寿命はかなり長いと聞く。その長い一生を俺は彼と生きることを決めたんだ。

「ルフ…っごめんね…ありがとう…」

「大好きだよ」


彼は強く抱きしめた。


end 
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