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1 ここはエロゲーの世界
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「あれ…ここは…」
目を開けるとすぐ近くにひどく整った顔があった。
左目を隠した銀髪はサラサラで絹のように艶々している。キリッとしたツリ目に、鼻は高くキメの細い透き通るような肌の男性だった。
泣きぼくろにメガネの色気漂う彼に、僕はベッドで押し倒されていた。あれ?ここはどこだっけ。この人は…誰だ?
さっきまで確か横断歩道を渡っていたはずなのに…。
「ナータ君。さぁ、確認しましょう」
白衣の男性は明らかに欲情した瞳でベッドの上から僕を見下ろしていた。
至近距離で見る目は美しい黄色で、瞳孔はひし形。そして舌は細く長い。まるで蛇のような美形男子だった。
この見た目どこかで…。あたりを見回してみると白いカーテンに白い天井、少し薬品の匂いが漂っている。ここは…保健室だ。
そして彼は
「ノ、ノーア先生…?!」
保健室の先生だ。現実のではない。"ゲームの世界の"保健室の先生だ。
なるほど、この状況を一瞬で理解した。そうか!ここは前にプレイしたR18乙女ゲームの世界だ。運悪くこの世界に転移、もしくは主人公に憑依してしまったのだろう。
ある日突然異世界に転移、転生することは僕の世界ではよくあることだった。一生に一度は誰もが経験することなんだ。
実際僕も数年前、モブキャラに憑依したことがある。あのときはすぐ現実に戻れたけど今回は少し厄介だ。
だってナータというのは確かこのゲームの主人公の名前。つまり主人公になってこのゲームを攻略しなければ現実には戻れないってこと?!
先生は僕の両手首をベッドに押し付けゆっくりと口づけをした。このシーン見たことある…。
「先生…っあの…!」
「しー」
彼は長い人差し指を立て唇に押し付けた。
「これからいけないことをするのですからお静かにね」
そう言ってくすくすと笑う。これはゲーム序盤のイベントだ。
彼はネクタイを緩め僕のワイシャツのボタンを外していく。
そして骨ばった指で僕のお腹を擦った。手付きがエロすぎてビクッと思わず腰が揺れる。
「例のお腹のマーク?見当たりませんね」
先生は首を傾げている。しかし先生の視線の先、僕のおへその下にはくっきりと1という数字が刻まれているのが見えた。
これは主人公だけが持っている特殊な呪いというか設定だ。お腹の数字は、攻略キャラクターと体の関係を持つことで上がっていく。数字が上限に達したときゲームはクリアになるんだ。
つまりクリアしたかったらキャラとたくさん寝なければならないってこと。
「もしかして嘘をついていたのですか?」
「いや、えーっと見間違えでした!多分!」
「そんなこと言って僕のことを誘っているのでしょう」
そう言うと先生は長い舌を口の中にねじ込んできた。そんなわけあるか!!
「んぅううう!!」
主人公はこのマークをなにかの病気だと思って放課後、保健室の先生に相談したんだ…。すると何故か一目惚れされて押し倒され今の状況になったってところだろう。
彼は確か20前半の新任の先生だったはずだ。なのに男子生徒に手を出すって普通にやばい。
でもそのやばいことが起こるのがエロゲーってやつだ。
声は完全に元いた世界の僕だったから憑依ではなさそうだし転移?転生?まぎらわしいな。とりあえず僕が主人公ポジションにいるのは間違いない。そもそも僕は男なわけだからこれは乙女ゲームじゃなくてBlゲームになるのではないだろうか。
そんなことをごちゃごちゃと考えている間にも、ぬりゅぬりゅと長い舌が口内を暴れまわる。
僕はできるだけ手足をばたつかせた。しかし体格差、体勢では圧倒的に不利。どうあがいても逃げられそうになかった。
先生は僕の顎を掴むと無理やり上を向かせる。するとどくどくとたくさんの唾液が口の中に流れ込んできた。
「ぁ…っっぅぅう」
「ほらしっかり飲んで」
ごくりと喉を鳴らすと先生は満足げに頭をなでた。
目を開けるとすぐ近くにひどく整った顔があった。
左目を隠した銀髪はサラサラで絹のように艶々している。キリッとしたツリ目に、鼻は高くキメの細い透き通るような肌の男性だった。
泣きぼくろにメガネの色気漂う彼に、僕はベッドで押し倒されていた。あれ?ここはどこだっけ。この人は…誰だ?
さっきまで確か横断歩道を渡っていたはずなのに…。
「ナータ君。さぁ、確認しましょう」
白衣の男性は明らかに欲情した瞳でベッドの上から僕を見下ろしていた。
至近距離で見る目は美しい黄色で、瞳孔はひし形。そして舌は細く長い。まるで蛇のような美形男子だった。
この見た目どこかで…。あたりを見回してみると白いカーテンに白い天井、少し薬品の匂いが漂っている。ここは…保健室だ。
そして彼は
「ノ、ノーア先生…?!」
保健室の先生だ。現実のではない。"ゲームの世界の"保健室の先生だ。
なるほど、この状況を一瞬で理解した。そうか!ここは前にプレイしたR18乙女ゲームの世界だ。運悪くこの世界に転移、もしくは主人公に憑依してしまったのだろう。
ある日突然異世界に転移、転生することは僕の世界ではよくあることだった。一生に一度は誰もが経験することなんだ。
実際僕も数年前、モブキャラに憑依したことがある。あのときはすぐ現実に戻れたけど今回は少し厄介だ。
だってナータというのは確かこのゲームの主人公の名前。つまり主人公になってこのゲームを攻略しなければ現実には戻れないってこと?!
先生は僕の両手首をベッドに押し付けゆっくりと口づけをした。このシーン見たことある…。
「先生…っあの…!」
「しー」
彼は長い人差し指を立て唇に押し付けた。
「これからいけないことをするのですからお静かにね」
そう言ってくすくすと笑う。これはゲーム序盤のイベントだ。
彼はネクタイを緩め僕のワイシャツのボタンを外していく。
そして骨ばった指で僕のお腹を擦った。手付きがエロすぎてビクッと思わず腰が揺れる。
「例のお腹のマーク?見当たりませんね」
先生は首を傾げている。しかし先生の視線の先、僕のおへその下にはくっきりと1という数字が刻まれているのが見えた。
これは主人公だけが持っている特殊な呪いというか設定だ。お腹の数字は、攻略キャラクターと体の関係を持つことで上がっていく。数字が上限に達したときゲームはクリアになるんだ。
つまりクリアしたかったらキャラとたくさん寝なければならないってこと。
「もしかして嘘をついていたのですか?」
「いや、えーっと見間違えでした!多分!」
「そんなこと言って僕のことを誘っているのでしょう」
そう言うと先生は長い舌を口の中にねじ込んできた。そんなわけあるか!!
「んぅううう!!」
主人公はこのマークをなにかの病気だと思って放課後、保健室の先生に相談したんだ…。すると何故か一目惚れされて押し倒され今の状況になったってところだろう。
彼は確か20前半の新任の先生だったはずだ。なのに男子生徒に手を出すって普通にやばい。
でもそのやばいことが起こるのがエロゲーってやつだ。
声は完全に元いた世界の僕だったから憑依ではなさそうだし転移?転生?まぎらわしいな。とりあえず僕が主人公ポジションにいるのは間違いない。そもそも僕は男なわけだからこれは乙女ゲームじゃなくてBlゲームになるのではないだろうか。
そんなことをごちゃごちゃと考えている間にも、ぬりゅぬりゅと長い舌が口内を暴れまわる。
僕はできるだけ手足をばたつかせた。しかし体格差、体勢では圧倒的に不利。どうあがいても逃げられそうになかった。
先生は僕の顎を掴むと無理やり上を向かせる。するとどくどくとたくさんの唾液が口の中に流れ込んできた。
「ぁ…っっぅぅう」
「ほらしっかり飲んで」
ごくりと喉を鳴らすと先生は満足げに頭をなでた。
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