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ーメール もっと知りたいー
しおりを挟むユンちゃんとメッセージのやり取りが
ごく自然に続いている。
これは想像にもしていなかったことだ。
人妻とか子持ちとかいう類の人と
16年しか生きてない俺が携帯で会話をする。
ちょっといけないことをしている気分。
でも、見た目だけじゃなくて
ユンちゃんて人をちゃんとわかるチャンス。
俺のことも知ってほしい。
だから俺は続ける!
メッセージのやりとりをしていてわかったこと。
・ユンちゃんは高2で妊娠して産むって決めて
高校担任に話したら俺と同じく自主退学のすすめ
をされた。でもかっこいい。俺あと1年後に親になるとか
絶対ありえないもん。
・2歳年上の旦那さんがいる。仕事は服屋さん。
朝めっちゃ早く行ったり忙しいと夜中に帰ってくる。
だから、俺とメッセージやりとりできるわけだ。
・子どもは2歳の男の子。写真見せてもらった。可愛い。
・旦那さん両親と同居している。ジョージ高のときは
姑に子ども見てもらっている。嫁姑ドロドロはなし。
・ユンちゃんの実家のお父さんは1年前に他界。病気で
急に亡くなった。まだ現実だと思えないらしい。
お母さんとおばあちゃんは健在。お兄さんは東京。
なんだかなー、ユンちゃんが苦労人に見えてくる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『俺でよかったらガキだけど何でも話聞くからね。
何かあってもなくても気軽に言ってね !』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これぐらいしか言えない俺の無力さ。
俺の話も色々としてみた。不思議と何でも
話せた。顔の見えないメッセージのやりとり。
だけどユンちゃんの優しくて真剣な言葉に
俺は心を許せちゃってる気がしてたんだ。
俺は小さい頃から何でか体弱くて
病院に入院したりしてて、幼稚園も小学校も
休みがちだった。
母さんは忙しいのに毎日病院に来てくれた。
兄弟全員小さいし、下の弟は母さんの腹の中にいたんだよな、たしか。
小学校3年くらいになったらだいぶマシになって
普通によっちゃんとかとバカやって過ごした。
中学では地毛が茶色いからって先輩に目つけられて
呼び出されたり喧嘩したり
センコーに目つけられたり罵られたり
ストレス溜まりすぎて蕁麻疹出たりしてた。
イライラして母さんに当たっちゃったり。
眠れないと夜中に抜け出してよっちゃんの兄ちゃんの
車でドライブ連れてってもらったりした。
俺がいると母さんに迷惑ばっかかけて申し訳ない
って思ってることとか。
親の離婚した意味が全くわかんないこと。
免許取ったらアメ車に乗りたいこと。
好きな食べ物はアイスとグミとラーメン。
いーーっぱい語った。
ユンちゃんが言ってた。
『ヒロくんとこんな風にたくさん話せるように
なるなんて思ってなかった!
でも不思議!すごい話しやすいし楽しい!
見た目クールっぽいけどメッセージの言葉とか
絵文字とか可愛いよね』
『俺も!ユンちゃんと仲良くなれてうれしい!
ユンちゃんは最初会ったときからタイプって
思ってたし。話してみたら性格まで優しい
お姉さんだし。ジョージ高に転校してよかった(笑)』
『ありがとう!タイプってのはお世辞でも
うれしいよ(笑)私もヒロくんカッコいいと思う』
とかなんとか
そのへんのカップルがカップルになる前に
するようなメッセージもやりとりしたんだ俺たち。
俺はドキドキとワクワクが止まらなかった。
『ユンちゃんは年下ってどう思う?付き合うなら
年上派??』
『うーん。もう結婚しちゃってるし付き合うっていう
ことがこの先ないからな~』
『んじゃもしもね!もしもの場合。
ユンちゃんがまだ結婚してなくて子どもちゃんも
いなかったら年下あり?』
『ヒロくんならあり!(笑)』
俺、今年いちばん震えた!!!
これってユンちゃんからの遠回しな
お誘いなんじゃないか!???
なんて返そう…!!!!
『俺もユンちゃん大アリ!!!』
『なんか次に直接会ったら照れて話せないかも』
照れるユンちゃんも可愛いー!!!!
ってな具合に次の学校の予定がまた楽しみになった。
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