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ーみつけたー
しおりを挟む7月から単位制高校に転校が決まり、
その学校に顔出しに行くことになった。
単位制ってなんかよくわかんないけど
自由なんでしょ?たぶん。
バカな俺でも受け入れてくれる。
世の中捨てたもんじゃないかもしれない(笑)
いやしかし!!
俺の家は市の中心部からだいぶ遠い。
つまり新しい高校に行くにもバス。
30分はかかる。金もかかる。だるい。
あーあ、俺が18歳で免許持ってたらな
16歳だし単車って手もあるな~
やっぱバイトかな~
とかなんとか妄想しながらバスで移動。
実を言うと本当は少し緊張してる。
新しい環境に馴染むのって苦手だ。
俺ね、身長はバカでかくて180cmあるけど
心はまだまだ成長途中。
これからビッグになるよ、うん。
駅に着いた。
新しい高校に向かって歩き出す。
細い裏路地通って駅から徒歩で5分…
って、えー!近!!(笑)
心の準備出来てない。
なめられたら終了、最初肝心!
よし行くぞ!!
玄関入ってすぐ職員室
中覗くか覗かないかで
「こんにちは!!津沢くんだよね?
待ってましたよ!すぐわかった??」
めちゃくちゃフレンドリー全開な
腹黒さ漏れ出てない男の先生が
声かけて近寄ってきた。
俺だって大人。笑顔でこられりゃ
笑顔で返すよ。
「あぁ~はい~」
ちょっと照れた。愛嬌ってことで。
「どうぞ、中入って!こっちで
座って話しましょう」
職員室の中に通された。
狭くてごちゃごちゃしてるのは
街中にある高校だから仕方ないんだろう。
もう1個不思議な光景。
生徒?と思われる、まぁ地味目な女の子や
パンク大好きですねみたいなロック女子
ガリガリ真面目な少年が
先生だよな?これまた優しそうな大人と
和気あいあいに楽しそうに笑って喋ってる!
職員室=呼び出される場所
の俺のイメージと全然違うじゃないか!!
「さぁ、どうぞ座って。申し遅れました、
私は君と同じ在学1年目の子を担任してる
佐久間です。よろしくお願いします!
ここ、職員室っぽくないな~って思った?」
俺の表情を読んだがごとく佐久間先生が言ってきた。
「そ~っすねぇ、
職員室の生徒が笑ってるの衝撃(笑)」
「あはは!確かにそうだよね!
この学校は、なるべく生徒と先生が壁を
感じずに居心地よく過ごせるように
職員室のドアは基本解放してて
出入り自由にしています。
授業なくても話すためだけにここにきたり
自習してくのもご飯食べるのもありだよ」
なんかすげぇとこだ。
まぁ俺がそれに染まるかは別だが。
「2階の教室も案内しますね!
自分の選択した授業がある日の時間だけ
登校して授業に参加すればいいから
クラスの教室ってのはないんだよ」
それが単位制ってやつなんだな、?
「ちょうど授業をやっているから、
廊下からしか見れないけど、みんな
真面目に授業に参加してるでしょ?」
「そーっすね、寝てる人いない」
「みんな自分で授業を選ぶからね
単位を取るために頑張っているよ」
佐久間先生の微笑みの優しさに
びっくりした。こんな大人もいるんだな。
校内を一通り案内されて、職員室に戻り、
今後の流れの説明と選択科目とか決めたり
することになった。
そんなこんなしてると授業が終わったのが
ゾロゾロと人が職員室の隣を通って出て行く。
「さよーならー」「ばいば~い」
「さくまっちまたねー」
「お昼食べてくるから~」
みんな佐久間先生を慕ってるのがわかる。
「よし!今日のところはこれで大体決まりだね!
そとに自販機あるから何か飲み物飲みたかったら買いに行く?」
佐久間先生に促され玄関横の人自販機の
ところに行って、ジュース買ってしゃがむ。
佐久間先生もなんとなく隣にいる。
沢山の生徒が帰って行く。
沢山の生徒が登校してくる。
俺も7月から通うんだな~
とりあえず頑張るかな~
って ぼ~っと眺めてた。
俺の左目の視界に飛び込んできた脚。
おお!っと思ってピントを合わせた。
その細くて華奢っていうのが似合う
ピンヒールを履いた脚の主を見ようと
自然に立ち上がる
膝上のタイトスカート履いて
白にグリーンのボーダーのニットを着て
髪は明るい茶色のボブヘアの女子!!
「おつかれ!ユン!あきら!」
佐久間先生が声をかけると
「さよーなら~佐久間先生。お昼行ってきま~す」
美脚主は顔に似合わずなんとも低い落ち着いた声。
いや顔が好きだ。なんか中の上って感じで
俺好みだわ。その弱目の笑い方!!
隣の小柄なちょっと派手な女の子の方は
「さくまっちも、あたしとユンとごはん一緒行く~?キャハハ」
って見た目通り(笑)可愛いがタイプじゃない。
俺、たぶん顔に出る。最強に素直だから。
佐久間先生は俺に言った
「めっちゃ見てたな!狙っちゃだめだよっ!
だってユンは人妻だからね!
なーんちゃって(笑)」
一瞬 時が止まった。
スローモーションよ止まれ、右向け右!
佐久間先生の顔を見る。
「えええええー!!まじっすか!!
そんな狙うわけ……」
笑って誤魔化す。
あるかもしれない。
美脚ユンちゃんが校門を出るまで後ろ姿をぼーっと眺めてた。
7月からの新生活楽しみが1つ増えた♪
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