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ヴァルラム
愛を確かめ合う
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智紀を元の世界に呼び寄せたのは、智紀が助けた子猫らの呼び声であった、とイリヤが言っていた。
子猫らの匂いも残っている。
優しい智紀を、母のように感じたのだろう。
慕う気持ちは理解できる。
成程、母を慕い求める幼子の呼び声ならば、さぞかし強かろう。
次元の壁であろうが容易く突破する筈である。
しかし。
他に保護者のいるような気配もしたのだが。
智紀は一体、誰に襲われ、私に助けを求めたのだろう。
*****
「ええと、話せば長くなるんだけど……」
「構わぬ。話すがよい」
智紀は、救助された際にとある男に人工呼吸をされ、息を吹き返し。
その男の家に連れ帰られたという。
こちらの世界のことは、全て夢であったのかと思ったようだが。
夢の中で、嘆いている私を見、気になっていたという。
実際は夢でなく、魂がこちらへ来ていたのだが。
その男は、以前から智紀を知っていたようだ。
顔ではなく、仕事での話だというが。
求婚され、襲われたので。
思わず夢の中の存在であるはずの私に助けを求めてしまった、という。
「その男に、何をされたのだ」
嗅いで確かめたが。
智紀や、他人の精の匂いはしない。犯されまではしなかったようだが。
あのように必死に助けを求めてきたのだ。
よほどの目に遭ったのだろう。
智紀は頬を染め。
「ええと。うつ伏せに押し倒されて、む、胸を触られて。首の後ろにキスされて……それで、ぞわっとして。助けて、って言ったらヴァルラムが助けに来てくれたんだよ」
「ふむ、」
触れられた時点で怖気立ち、嫌悪したというのか。
そうか。
他の男からは、触れられるのも嫌、か。
……いや、嬉しくなっている場合ではない。
嫌なことを思い出させてしまったな。
では。
その嫌な記憶を、塗り替えてやろうではないか。
*****
「ひゃ、……いっ、」
腰掛けていた絨毯に、うつ伏せに押し倒した。
可愛らしい乳首を、やや強めに摘まんでやる。
……ここを弄られ。どのような声を上げたのだ?
私が、ここで感じるようになるよう、ここまで仕上げたのだ。
もう二度と、他の誰にも触れさせぬ。
「や、……んっ、」
首筋を甘噛みし、もう一方の手で智紀の性器を弄る。
やわらかな性器が手の中で充血してくるのを感じる。
目を閉じた状態でも、私の手だと感じ。
身を委ねているのか。
「いやか?」
智紀はふるふると首を横に振った。
「い、やじゃな、……ヴァルラムの手、最初から、嫌な感じは、しなかったんだ」
「当然だ。智紀は、私のものだ」
忘れるな。
智紀を感じさせてやれるのは、触れていいのは私だけだと。
……他は、忘れてしまうがいい。
「……すき、ヴァルラム。……ここ、奥まで、ヴァルラムのにおい、つけて?」
智紀は腰を上げ、己の腹に手を当て。
私の寵愛をねだった。
どくん、と鼓動が跳ね上がり。
股間に血液が集中する。
色香に、くらりとした。
「くっ、そのような愛らしいことを言って。煽るな……、」
*****
潤滑剤を使い、智紀の繊細な襞を解してやる。
血管の集中している部分である。
感覚もそれだけ鋭敏だが、傷付きやすい器官であるので、慎重に扱わねばならない。
「ん、……あ、」
智紀は慣らす行為にすら、気持ち良さそうに腰を揺らしている。
ねだるような媚態に。
すぐさま突き入れたいのを、堪える。
狭く細い筒に無理を強いれば、傷つけてしまう。
愛しいツガイには、痛みではなく、快楽のみを与えたい。
「も、大丈夫、だから、」
喘ぎながら、挿入をねだられ。
背後から、様子を見つつ、少しずつ挿入する。
最初の内は、背面から受け入れた方が楽であると聞いた。
感じている顔を見ながら挿入したいところだが。
もう少し、行為に慣れてからの我慢である。
「……ん、いい、」
私に、挿れられてるだけでも気持ちいいのだと、正直に快楽を口にする。
触れれば返って来る反応に、嬉しくなる。
寝ている相手に触れるのは、卑怯であったと。
今更ながら思う。
智紀はこのように、私を許し、受け入れようとしているのに。
素直に想いを伝え。
事情を話した上で、触れれば良かったのだ。
*****
「動くぞ」
腰を掴み、ゆっくり引き抜いてはまた押し入れる。
「は、……ああ、」
智紀は絨毯を掴み、耐えている。
まだ半ばほどしか入れていないのだが。
きついくらいの締め付けである。
痛いのか、と心配になったが。
「ぜんぶ、入れて。ヴァルラムの、いいように、して?」
腰を揺らしながら、ねだられる。
「全く……煽るなと、……っく、」
智紀の細い腰を掴み。
望み通り、根元まで突き入れてやる。
まだ奥の方までは拡がっておらず、きついが。
「ふ、……く、」
なんという快感か。
互いに求め合うことの快楽を知る。
「ひぁ、あっ、あ、……は、ぁん、」
突き上げる度、私の理性を揺るがすような声を上げ、身悶えている。
首筋に牙を突き立て、思うさま犯したい。
どうしようもなく湧き上がる獣性を堪え。
小さな身体を突き上げる。
愛おしい、私だけのツガイ。
このように、私の心を乱すのは。
生涯、そなただけだ。
智紀。
*****
陰茎の根元が膨らんでゆく感覚。
「……中に、出すぞ、」
「ん、……出して、ヴァルラムで、お腹いっぱいにして、」
「く、だから、煽るなというに……!」
ぐい、と腹の奥に亀頭を押し付け。
「っあ、ああっ、」
腹の中に精を吐き出す度、感じているような声を上げ。
びくびくと内股が震えている。
智紀は私の腕の中で。
はあ、と溜め息を吐いた。
何かを深く思い悩んでいる様子である。
「……どうした? つらいか?」
犬族の射精は長時間に及ぶ。
故に、猫族などが相手の場合、嫌がられて、お互い無事では済まないというが。
もし、結婚を思い直すほどつらいのならば、中で出すのは自重するが。
子猫らの匂いも残っている。
優しい智紀を、母のように感じたのだろう。
慕う気持ちは理解できる。
成程、母を慕い求める幼子の呼び声ならば、さぞかし強かろう。
次元の壁であろうが容易く突破する筈である。
しかし。
他に保護者のいるような気配もしたのだが。
智紀は一体、誰に襲われ、私に助けを求めたのだろう。
*****
「ええと、話せば長くなるんだけど……」
「構わぬ。話すがよい」
智紀は、救助された際にとある男に人工呼吸をされ、息を吹き返し。
その男の家に連れ帰られたという。
こちらの世界のことは、全て夢であったのかと思ったようだが。
夢の中で、嘆いている私を見、気になっていたという。
実際は夢でなく、魂がこちらへ来ていたのだが。
その男は、以前から智紀を知っていたようだ。
顔ではなく、仕事での話だというが。
求婚され、襲われたので。
思わず夢の中の存在であるはずの私に助けを求めてしまった、という。
「その男に、何をされたのだ」
嗅いで確かめたが。
智紀や、他人の精の匂いはしない。犯されまではしなかったようだが。
あのように必死に助けを求めてきたのだ。
よほどの目に遭ったのだろう。
智紀は頬を染め。
「ええと。うつ伏せに押し倒されて、む、胸を触られて。首の後ろにキスされて……それで、ぞわっとして。助けて、って言ったらヴァルラムが助けに来てくれたんだよ」
「ふむ、」
触れられた時点で怖気立ち、嫌悪したというのか。
そうか。
他の男からは、触れられるのも嫌、か。
……いや、嬉しくなっている場合ではない。
嫌なことを思い出させてしまったな。
では。
その嫌な記憶を、塗り替えてやろうではないか。
*****
「ひゃ、……いっ、」
腰掛けていた絨毯に、うつ伏せに押し倒した。
可愛らしい乳首を、やや強めに摘まんでやる。
……ここを弄られ。どのような声を上げたのだ?
私が、ここで感じるようになるよう、ここまで仕上げたのだ。
もう二度と、他の誰にも触れさせぬ。
「や、……んっ、」
首筋を甘噛みし、もう一方の手で智紀の性器を弄る。
やわらかな性器が手の中で充血してくるのを感じる。
目を閉じた状態でも、私の手だと感じ。
身を委ねているのか。
「いやか?」
智紀はふるふると首を横に振った。
「い、やじゃな、……ヴァルラムの手、最初から、嫌な感じは、しなかったんだ」
「当然だ。智紀は、私のものだ」
忘れるな。
智紀を感じさせてやれるのは、触れていいのは私だけだと。
……他は、忘れてしまうがいい。
「……すき、ヴァルラム。……ここ、奥まで、ヴァルラムのにおい、つけて?」
智紀は腰を上げ、己の腹に手を当て。
私の寵愛をねだった。
どくん、と鼓動が跳ね上がり。
股間に血液が集中する。
色香に、くらりとした。
「くっ、そのような愛らしいことを言って。煽るな……、」
*****
潤滑剤を使い、智紀の繊細な襞を解してやる。
血管の集中している部分である。
感覚もそれだけ鋭敏だが、傷付きやすい器官であるので、慎重に扱わねばならない。
「ん、……あ、」
智紀は慣らす行為にすら、気持ち良さそうに腰を揺らしている。
ねだるような媚態に。
すぐさま突き入れたいのを、堪える。
狭く細い筒に無理を強いれば、傷つけてしまう。
愛しいツガイには、痛みではなく、快楽のみを与えたい。
「も、大丈夫、だから、」
喘ぎながら、挿入をねだられ。
背後から、様子を見つつ、少しずつ挿入する。
最初の内は、背面から受け入れた方が楽であると聞いた。
感じている顔を見ながら挿入したいところだが。
もう少し、行為に慣れてからの我慢である。
「……ん、いい、」
私に、挿れられてるだけでも気持ちいいのだと、正直に快楽を口にする。
触れれば返って来る反応に、嬉しくなる。
寝ている相手に触れるのは、卑怯であったと。
今更ながら思う。
智紀はこのように、私を許し、受け入れようとしているのに。
素直に想いを伝え。
事情を話した上で、触れれば良かったのだ。
*****
「動くぞ」
腰を掴み、ゆっくり引き抜いてはまた押し入れる。
「は、……ああ、」
智紀は絨毯を掴み、耐えている。
まだ半ばほどしか入れていないのだが。
きついくらいの締め付けである。
痛いのか、と心配になったが。
「ぜんぶ、入れて。ヴァルラムの、いいように、して?」
腰を揺らしながら、ねだられる。
「全く……煽るなと、……っく、」
智紀の細い腰を掴み。
望み通り、根元まで突き入れてやる。
まだ奥の方までは拡がっておらず、きついが。
「ふ、……く、」
なんという快感か。
互いに求め合うことの快楽を知る。
「ひぁ、あっ、あ、……は、ぁん、」
突き上げる度、私の理性を揺るがすような声を上げ、身悶えている。
首筋に牙を突き立て、思うさま犯したい。
どうしようもなく湧き上がる獣性を堪え。
小さな身体を突き上げる。
愛おしい、私だけのツガイ。
このように、私の心を乱すのは。
生涯、そなただけだ。
智紀。
*****
陰茎の根元が膨らんでゆく感覚。
「……中に、出すぞ、」
「ん、……出して、ヴァルラムで、お腹いっぱいにして、」
「く、だから、煽るなというに……!」
ぐい、と腹の奥に亀頭を押し付け。
「っあ、ああっ、」
腹の中に精を吐き出す度、感じているような声を上げ。
びくびくと内股が震えている。
智紀は私の腕の中で。
はあ、と溜め息を吐いた。
何かを深く思い悩んでいる様子である。
「……どうした? つらいか?」
犬族の射精は長時間に及ぶ。
故に、猫族などが相手の場合、嫌がられて、お互い無事では済まないというが。
もし、結婚を思い直すほどつらいのならば、中で出すのは自重するが。
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