36 / 52
ヴァルラム
ツガイに翻弄される
しおりを挟む
入口はきゅうきゅうと締めつけ。
中は、蕩けそうであたたかく。もっと奥へと誘う動きをしている。
しかし。
「ここまでしても起きぬとは、」
思わず苦笑する。
私に犯されて、嫌悪感はないのか?
私がツガイだから、抵抗しないのか?
寝たふりをしているのか?
囁きにも反応しているのは、間違いないのだが。
ゆるゆると腰を動かし。
中から前立腺を刺激してやる。
「ん、……っ、」
愛らしい声を上げる。
私に抱かれ、感じているようだ。
私の胴を、やわらかな腿で挟まれるのも心地好い。
愛おしい。私のツガイ。
慣れぬ身体に無理をさせるのは酷か。
今日のところは、挿入するのも半ばまでにしておこう。
中に入れたまま射精するのは、次でよかろう。
「可愛い智紀。……もう、私のものだぞ」
そう告げると。
智紀はこくりと頷いたのだった。
*****
愛しいツガイと初めて身体を繋げた翌朝。
天気は晴れ、吹く風は穏やかで心地好く。
大地の恵みも豊かであるとの報告を受ける。
聖神が幸福であれば、このような好天が続くという。
智紀は心身共に私のものになり、幸福なのだろう。
私も嬉しく、幸福である。
しかし。
昼食を共に摂ろうと神殿に向かったのだが。
智紀は私の姿を見るなり、レナートの背に隠れてしまったのだ。
昨日の今日である。
まだ照れているのだろうか?
終わった後も、頑なに寝たふりをしていたくらいであった。
面と向かって話すのは、まだ緊張するのかもしれぬ。
初めての朝を恥ずかしがるのも初々しく。愛らしいのだが。
そうあからさまに避けられては。
私は一国の王であるが、一人の男でもある。
愛するツガイにつれなくされるのは、さすがに傷付くのだが……。
仕事が忙しく、晩餐には行けないが、夜には行けそうだと伝えたかったのだが。
人目があるところで会うのはまだ恥ずかしいのだろう、と繭に向かうところを。
レナートとパーヴェルに止められた。
イリヤとユリアーンが、智紀に大事な話があるのだという。
*****
「どうやら私は智紀に避けられているようだが。……嫌われたと思うか?」
念の為、訊いてみる。
「いえ、真っ赤になって、照れている感じでしたよ」
レナートが否定し、パーヴェルも首を横に振った。
万が一にも無いとは思っていたが。
少々安堵する。
「天候からして、嫌な思いはしてなさそうだけど。ヒトの感情は、まだわからないからねえ」
「かつてない豊作らしいですね……」
本当に、天候と聖神の感情は連動しているのだろうか?
聖神の魂が召喚された時点で、天変地異が収まったのは確実なのだが。
智紀はあまり、自分の気持ちを口にしない。
奥ゆかしいのは美点であるが。
もどかしくもある。
この好天は、不満がないだけか?
幸福を感じているからか?
智紀の口から、聞きたいものだ。
*****
晩になり、神殿の繭へ向かうと。
丁度医療院へと戻るイリヤに会った。
どんな様子か訊けば。
イリヤは嫌そうに。
王を避けるのに、特に理由はなかったようです、と言った。
私が晩餐に顔を出さなかったことを気にしていたようである。
駆け引きのつもりであったのかもしれない、と考えた。
この私を焦らせるとは。罪なことをする。
揺り籠ですやすやと眠っている智紀を抱き上げ。
寝台を平らにし、そっと寝かせ、服を脱がせてやる。
酒精を摂っていないが、体温は高い。
「ん、」
ぼんやりとした様子だが。
「起きたか? 今宵は、私につれないことをした仕置きをしてやらねばな?」
口付け、舌を差し込む。
小さな舌を吸い、口内を探る。
丹念に愛撫をし、後孔を慣らすのは慎重にしたが。
智紀が達することが出来ぬよう、根元を締め付けてやる。
早く達きたい、ともじもじしているのも愛らしい。
達くことが出来ず、せつない様子だが。
智紀に避けられた私は、もっとせつない気持ちで居たのだぞ? 許しを乞うがよい。
「やあ、」
根元を戒める私の指を外そうとしているが。
力が入っていない様子である。
子猫の爪よりも弱い。
「ん? 達きたいか? ならば腰を上げ、私を求めよ」
智紀は、素直にうつ伏せになり。
腰を上げた。
やはり、私の訪れを心より待ち侘びていたのだ。
*****
「そら、挿れるぞ。たっぷりと味わえ」
腰を掴み、小さく口を開いた入口を貫いてやる。
「は、ああ、……あっ、」
智紀は白い背を反らせ、きゅうきゅうと私を締め付けた。
入口の締め付けと反し、心地好く包み込む、智紀のあたたかくやわらかな内部。
昨夜が初めてであるとは思えぬほどの動きをする。
うねり、吸い寄せ。精を搾り取ろうと。
もっと欲しいか?
「あ、……はぅ、」
私も悦いが。智紀も感じている。私に貫かれて。
可愛い私のツガイ。
仕置きはこれまでにし、たっぷりと可愛がってやろう。
智紀のものを戒めていた指を外し、両の腰を掴む。
腰を穿つ動きを激しくし、細い身体を揺さぶる度に、ぽたぽたと悦びの蜜を垂らし。
私の獣性を煽るような甘い声を上げる。
「……中に出すぞ?」
耳朶を甘噛みしながら、囁いてやると。
こくりと頷く。
愛おしい。
私の、唯一の伴侶。
これまで、このような快楽を味わったことは無かった。
ただの肉欲の解消とはまるで違う。
陰茎が、智紀の中で膨れていくのを感じる。
精嚢いっぱいに溜まった子種を、一滴残らず注ぎ込む。
腹一杯、私の精で満たされれば良い。
*****
智紀の小さな腹が、私の精で満ちてゆくのを感じる。
好いた相手を孕ませたいと思うのは、獣のサガであるが。
本来性器ではない場所を犯し、精で満たし、征服するこの行為に。
どうしようもなく高揚する。
「ん、」
きゅう、と締め付けられ。
智紀が身じろいだ。
今まで、意識を飛ばしていたようである。
「動くな。まだ全部注ぎ終わってない」
手を腰に回し、引き寄せる。
「え、ヴァルラ、……あっ、あう、」
智紀はこの長い射精に困惑しているようである。
犬族・狼族の交接が、どのようなものかを知らなかったのだろうか?
メスを確実に妊娠させるため、膣内を大量の精液で満たし、子宮までも浸透させる。
その為、長時間陰茎が抜けぬよう、根元に瘤状の膨らみが出来るのである。
陰茎骨も、長時間の交接を可能にするためのものである。
中は、蕩けそうであたたかく。もっと奥へと誘う動きをしている。
しかし。
「ここまでしても起きぬとは、」
思わず苦笑する。
私に犯されて、嫌悪感はないのか?
私がツガイだから、抵抗しないのか?
寝たふりをしているのか?
囁きにも反応しているのは、間違いないのだが。
ゆるゆると腰を動かし。
中から前立腺を刺激してやる。
「ん、……っ、」
愛らしい声を上げる。
私に抱かれ、感じているようだ。
私の胴を、やわらかな腿で挟まれるのも心地好い。
愛おしい。私のツガイ。
慣れぬ身体に無理をさせるのは酷か。
今日のところは、挿入するのも半ばまでにしておこう。
中に入れたまま射精するのは、次でよかろう。
「可愛い智紀。……もう、私のものだぞ」
そう告げると。
智紀はこくりと頷いたのだった。
*****
愛しいツガイと初めて身体を繋げた翌朝。
天気は晴れ、吹く風は穏やかで心地好く。
大地の恵みも豊かであるとの報告を受ける。
聖神が幸福であれば、このような好天が続くという。
智紀は心身共に私のものになり、幸福なのだろう。
私も嬉しく、幸福である。
しかし。
昼食を共に摂ろうと神殿に向かったのだが。
智紀は私の姿を見るなり、レナートの背に隠れてしまったのだ。
昨日の今日である。
まだ照れているのだろうか?
終わった後も、頑なに寝たふりをしていたくらいであった。
面と向かって話すのは、まだ緊張するのかもしれぬ。
初めての朝を恥ずかしがるのも初々しく。愛らしいのだが。
そうあからさまに避けられては。
私は一国の王であるが、一人の男でもある。
愛するツガイにつれなくされるのは、さすがに傷付くのだが……。
仕事が忙しく、晩餐には行けないが、夜には行けそうだと伝えたかったのだが。
人目があるところで会うのはまだ恥ずかしいのだろう、と繭に向かうところを。
レナートとパーヴェルに止められた。
イリヤとユリアーンが、智紀に大事な話があるのだという。
*****
「どうやら私は智紀に避けられているようだが。……嫌われたと思うか?」
念の為、訊いてみる。
「いえ、真っ赤になって、照れている感じでしたよ」
レナートが否定し、パーヴェルも首を横に振った。
万が一にも無いとは思っていたが。
少々安堵する。
「天候からして、嫌な思いはしてなさそうだけど。ヒトの感情は、まだわからないからねえ」
「かつてない豊作らしいですね……」
本当に、天候と聖神の感情は連動しているのだろうか?
聖神の魂が召喚された時点で、天変地異が収まったのは確実なのだが。
智紀はあまり、自分の気持ちを口にしない。
奥ゆかしいのは美点であるが。
もどかしくもある。
この好天は、不満がないだけか?
幸福を感じているからか?
智紀の口から、聞きたいものだ。
*****
晩になり、神殿の繭へ向かうと。
丁度医療院へと戻るイリヤに会った。
どんな様子か訊けば。
イリヤは嫌そうに。
王を避けるのに、特に理由はなかったようです、と言った。
私が晩餐に顔を出さなかったことを気にしていたようである。
駆け引きのつもりであったのかもしれない、と考えた。
この私を焦らせるとは。罪なことをする。
揺り籠ですやすやと眠っている智紀を抱き上げ。
寝台を平らにし、そっと寝かせ、服を脱がせてやる。
酒精を摂っていないが、体温は高い。
「ん、」
ぼんやりとした様子だが。
「起きたか? 今宵は、私につれないことをした仕置きをしてやらねばな?」
口付け、舌を差し込む。
小さな舌を吸い、口内を探る。
丹念に愛撫をし、後孔を慣らすのは慎重にしたが。
智紀が達することが出来ぬよう、根元を締め付けてやる。
早く達きたい、ともじもじしているのも愛らしい。
達くことが出来ず、せつない様子だが。
智紀に避けられた私は、もっとせつない気持ちで居たのだぞ? 許しを乞うがよい。
「やあ、」
根元を戒める私の指を外そうとしているが。
力が入っていない様子である。
子猫の爪よりも弱い。
「ん? 達きたいか? ならば腰を上げ、私を求めよ」
智紀は、素直にうつ伏せになり。
腰を上げた。
やはり、私の訪れを心より待ち侘びていたのだ。
*****
「そら、挿れるぞ。たっぷりと味わえ」
腰を掴み、小さく口を開いた入口を貫いてやる。
「は、ああ、……あっ、」
智紀は白い背を反らせ、きゅうきゅうと私を締め付けた。
入口の締め付けと反し、心地好く包み込む、智紀のあたたかくやわらかな内部。
昨夜が初めてであるとは思えぬほどの動きをする。
うねり、吸い寄せ。精を搾り取ろうと。
もっと欲しいか?
「あ、……はぅ、」
私も悦いが。智紀も感じている。私に貫かれて。
可愛い私のツガイ。
仕置きはこれまでにし、たっぷりと可愛がってやろう。
智紀のものを戒めていた指を外し、両の腰を掴む。
腰を穿つ動きを激しくし、細い身体を揺さぶる度に、ぽたぽたと悦びの蜜を垂らし。
私の獣性を煽るような甘い声を上げる。
「……中に出すぞ?」
耳朶を甘噛みしながら、囁いてやると。
こくりと頷く。
愛おしい。
私の、唯一の伴侶。
これまで、このような快楽を味わったことは無かった。
ただの肉欲の解消とはまるで違う。
陰茎が、智紀の中で膨れていくのを感じる。
精嚢いっぱいに溜まった子種を、一滴残らず注ぎ込む。
腹一杯、私の精で満たされれば良い。
*****
智紀の小さな腹が、私の精で満ちてゆくのを感じる。
好いた相手を孕ませたいと思うのは、獣のサガであるが。
本来性器ではない場所を犯し、精で満たし、征服するこの行為に。
どうしようもなく高揚する。
「ん、」
きゅう、と締め付けられ。
智紀が身じろいだ。
今まで、意識を飛ばしていたようである。
「動くな。まだ全部注ぎ終わってない」
手を腰に回し、引き寄せる。
「え、ヴァルラ、……あっ、あう、」
智紀はこの長い射精に困惑しているようである。
犬族・狼族の交接が、どのようなものかを知らなかったのだろうか?
メスを確実に妊娠させるため、膣内を大量の精液で満たし、子宮までも浸透させる。
その為、長時間陰茎が抜けぬよう、根元に瘤状の膨らみが出来るのである。
陰茎骨も、長時間の交接を可能にするためのものである。
2
お気に入りに追加
665
あなたにおすすめの小説
本日のディナーは勇者さんです。
木樫
BL
〈12/8 完結〉
純情ツンデレ溺愛魔王✕素直な鈍感天然勇者で、魔王に負けたら飼われた話。
【あらすじ】
異世界に強制召喚され酷使される日々に辟易していた社畜勇者の勝流は、魔王を殺ってこいと城を追い出され、単身、魔王城へ乗り込んだ……が、あっさり敗北。
死を覚悟した勝流が目を覚ますと、鉄の檻に閉じ込められ、やたら豪奢なベッドに檻ごとのせられていた。
「なにも怪我人檻に入れるこたねぇだろ!? うっかり最終形態になっちまった俺が悪いんだ……ッ!」
「いけません魔王様! 勇者というのは魔物をサーチアンドデストロイするデンジャラスバーサーカーなんです! 噛みつかれたらどうするのですか!」
「か、噛むのか!?」
※ただいまレイアウト修正中!
途中からレイアウトが変わっていて読みにくいかもしれません。申し訳ねぇ。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
目の前の魔法陣と男に巻き込まれて
葵桜
BL
※厨二病時の厨二病による厨二病異世界BL王道?ファンタジー
さっきから根暗くん根暗くんって何なんだ。
名前くらい覚えろやぁ!
ってなんで壁ドンされてんのかなぁ...?
あ、なんか君の後ろに魔法陣が見えるな!ハハハ!
勇者ぽい自己中顔面アイドル君に巻き込まれなんか異世界転移をとげるらしい。
どうか恋人ができますように。
いや、無双ができますように?
年に数回ぼちぼちとリメイクしています。
終わったあと興味があればぜひもう一度読んでください。
完結は…。できないかもしれないです。気長にお待ちください。申し訳ございません。
運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…
こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』
ある日、教室中に響いた声だ。
……この言い方には語弊があった。
正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。
テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。
問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。
*当作品はカクヨム様でも掲載しております。
牛獣人はお世話係にモウモウ夢中!俺の極上ミルクは美味しいでしょ?
ミクリ21 (新)
BL
貴族に飼われている牛獣人アルベドは、良質な極上ミルクを出すためにお世話係は厳選されている。
アルベドのお世話係になったラーミアは、牛のお世話はしたことあっても牛獣人のお世話は初めてだった。
「僕は可愛い牛のお世話がしたかったのに、色気の溢れるイケメン牛獣人なんて求めてません!」
「まぁそう言わずに、一杯俺のミルク飲んでみなよ」
「な…なんて美味しいミルクなんだ!?」
通販で美少年型カプセルを買ってみた
霧乃ふー 短編
BL
通販で買っておいた美少年型オナホのカプセル。
どれを開けようか悩むな。色んなタイプの美少年がカプセルに入っているからなあ。
ペラペラと説明書を見て俺は、選んだカプセルを割ってみた。
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる