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ヴァルラム
初めての交接
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智紀はこれまでに幾度騙されても、私の杯を断ることはせず。
結局クワスを飲まされ、寝てしまうのだが。
私が政務で忙しく、酒宴に参加できずに帰った時などは、寂しそうな様子を見せたのだ。
クワスを飲み、寝た日の夜には私が触れるとわかった上で。
あえて苦手な酒を飲み、触れられるのを期待しているのだろうか?
本日もまた、私が注いだクワスを素直に飲み。
すぐにすやすやと寝息を立て、私の胸に無防備に寄り掛かっている智紀に、複雑な感情を覚える。
愛しい。
だが、可愛がってやりたいのと同時に。滅茶苦茶に抱き、啼かせたいと思う。
己の本性は、所詮獣なのだと痛感する。
……今宵、私はそなたを抱くぞ。
泣こうが嫌がろうが、犯し、貫いて。
私のものだというしるしを、この身体に刻みつけてやろう。
「獣王、くれぐれも、」
「わかっている」
心配そうなイリヤを振り切り。
すやすやと気持ち良さそうに寝入っている智紀を抱き上げ、繭の中に運ぶ。
揺り籠を平面の寝台にし、寝かせる。
一人用なので狭いが、抱くには問題無い。
*****
先々代の聖神が降臨するまで。
我が国に文字は無く、魔術や呪術で意思疎通、生活をしていたという。
それまでこの国は、王都周辺しか人の住めぬ、死の大地であった。
聖神もたらした様々な智慧により飛躍的に文化が発展し、魔科学の進歩で、これほど国が豊かになったのだ。
魔力を多く持たぬ者にも使える道具を生み出し、海の水を清水に換え、土地を肥沃にした。
この”繭”や”揺り籠”などは、魔科学の粋といえよう。
先代も、資格を奪われるまでは国の発展に協力し、貢献していたというが。
その記録は殆ど無い。
努力しても先々代には及ばず、己の能力に失望し。
自ら聖神の資格を捨てようと考えたのではなかろうか?
何も無い所からの発展よりも、すでに在るものを更に発展させる方が難しいものだ。
それは、王である私も良く知ることである。
人の欲は尽きぬもの。
不満を解消すればまた次の不満が生まれる。
全ての民を平等に幸せに、など。
到底不可能である。
皆、聖神という存在に過大な期待を持ち過ぎている。
聖神は”天候を左右する存在”である。
居るだけで良い。
最悪の場合でも、揺り籠に入れ強制的に眠らせ、生命維持でもしていれば問題ない。
……そう考えていたのだが。
*****
話を聞けば、心優しく肉体が清いだけの、普通の人間であると知る。
我々との違いは、獣に変化できぬくらいか。
その清さが我々には無いのだが。
発情は本能的なものであり、この世界の人間では避けられぬこと。
故に、異世界より召喚する。
聖神は。
智紀は。
最初から神として生まれた訳では無かったのだ。
神として特別な教育を受けたのでもなく。
普通に暮らし、生まれてきた、普通の人間であった。
しかも神に聖神として選ばれたのならば、その心は清く、善良であり、世間擦れもしておらぬのだろう。
過剰な期待をされ、失望されれば、潰れるも道理。
民に期待するな、とは言えぬ。
千年に一度現れる、神の化身であり、天候を左右する存在であるという事実は変わりないのだ。
智紀。
そなたは何もせずとも良い。
私の伴侶となり、側で笑っていてくれるだけで。
智紀のやわらかな唇に口付ける。
舌で口内に割り入り、真珠のような歯や甘い舌を吸い、その舌触りを味わう。
唾液も甘く感じるのは、ツガイ故か。
深く口付けても、嫌そうな素振りは見せない。
うっとりとしているようだが。
服を脱がし、いつものように愛撫を施してゆく。
「ん、……ぁ、」
乳首を幼子のように吸ってやると、その度にぴくりと反応する。
胸を愛撫してやるだけでも感じるようで。
智紀の性器が充血して来た。
智紀の肌は、どこもかしこもやわらかで、すべすべで。
触れれば吸い付くようにしっとり馴染み。
いくら弄っていても飽き足りぬほどである。
*****
乳首は赤く色づき。
肌を吸えば、花が散ったような痕を残す。
残念ながら、この程度の痕跡は揺り籠で寝ていれば朝には完治してしまうのだが。
打ち身と同様の鬱血と判断するのであろうか?
「ん、」
愛撫を待ち侘びていたカルバサーのような愛らしい性器を口に含み、愛撫する。
裏側を舌で擦られるのが悦いようだ。
足を押さえる者が居ないので、私の頭を腿で挟んでくるのは心地好い。
小さな尻の肉を揉み、その狭間に触れる。
潤滑剤をつけた指を尻に入れ、あたたかいはらわたを弄ってやると。
「ふぁ、」
智紀は気持ち良さそうに、自ら腰を浮かせ。
奥へと誘う動きをした。
尻を弄られるのが好きな身体になったのだ。
私がそのようにしたのだと思うと。
どうしようもなく高揚する。
「あ、……あん、」
智紀は私の指をきゅうきゅう食みながら、色っぽい声を上げた。
ここに、自身を挿入した時の快楽を思うと。
すぐにも突き入れたくなるが。
まだ。
「い、あ、あっ、……ああっ、」
高い声を上げ、達した。
その蜜を、一滴残らず吸い上げてやる。
前立腺を刺激しながら強く性器を吸ってやれば、容易に射精してしまうようになったのだ。
欲望を放出し、胸を上下させている智紀。
脚を開き、更なる快楽を求め。
後孔をひくつかせて。
このような、淫らで感じやすい身体だというのに。
43年も、よく清童のままでいられたものである。
*****
「……そら、起きねば、このまま抱いてしまうぞ?」
寝台に乗り上げ、智紀の細い脚を肩に抱え上げ。
細い腰を掴む。
嫌なら、今の内に止めるがいい。
身体を繋いでしまえば。
もう、止まれなくなるぞ?
「……いいのか? 挿れるぞ?」
欲情し、腹に着きそうなほど反り返ったものを、後孔にあてがうが。
そこは、誘うようにひくひくと動いている。
抵抗は無い。
「……いいのだな?」
たまらず、先端を挿入した。
「っ、」
挿入に、感じたような声は上げるものの。
拒まれぬので、そのまま押し入れていく。
半ばまで挿入し。
しばし様子をみてみる。
外の気配を探るが。
今のところ、天候などに問題は無いようである。
安堵し、智紀に視線を戻す。
「は、」
薄く開いた唇。
桃色に染まった頬。
目は閉じられたままだ。
指よりも大きいものを受け入れたせいか、少々苦しそうであったが。
落ち着いたようである。
結局クワスを飲まされ、寝てしまうのだが。
私が政務で忙しく、酒宴に参加できずに帰った時などは、寂しそうな様子を見せたのだ。
クワスを飲み、寝た日の夜には私が触れるとわかった上で。
あえて苦手な酒を飲み、触れられるのを期待しているのだろうか?
本日もまた、私が注いだクワスを素直に飲み。
すぐにすやすやと寝息を立て、私の胸に無防備に寄り掛かっている智紀に、複雑な感情を覚える。
愛しい。
だが、可愛がってやりたいのと同時に。滅茶苦茶に抱き、啼かせたいと思う。
己の本性は、所詮獣なのだと痛感する。
……今宵、私はそなたを抱くぞ。
泣こうが嫌がろうが、犯し、貫いて。
私のものだというしるしを、この身体に刻みつけてやろう。
「獣王、くれぐれも、」
「わかっている」
心配そうなイリヤを振り切り。
すやすやと気持ち良さそうに寝入っている智紀を抱き上げ、繭の中に運ぶ。
揺り籠を平面の寝台にし、寝かせる。
一人用なので狭いが、抱くには問題無い。
*****
先々代の聖神が降臨するまで。
我が国に文字は無く、魔術や呪術で意思疎通、生活をしていたという。
それまでこの国は、王都周辺しか人の住めぬ、死の大地であった。
聖神もたらした様々な智慧により飛躍的に文化が発展し、魔科学の進歩で、これほど国が豊かになったのだ。
魔力を多く持たぬ者にも使える道具を生み出し、海の水を清水に換え、土地を肥沃にした。
この”繭”や”揺り籠”などは、魔科学の粋といえよう。
先代も、資格を奪われるまでは国の発展に協力し、貢献していたというが。
その記録は殆ど無い。
努力しても先々代には及ばず、己の能力に失望し。
自ら聖神の資格を捨てようと考えたのではなかろうか?
何も無い所からの発展よりも、すでに在るものを更に発展させる方が難しいものだ。
それは、王である私も良く知ることである。
人の欲は尽きぬもの。
不満を解消すればまた次の不満が生まれる。
全ての民を平等に幸せに、など。
到底不可能である。
皆、聖神という存在に過大な期待を持ち過ぎている。
聖神は”天候を左右する存在”である。
居るだけで良い。
最悪の場合でも、揺り籠に入れ強制的に眠らせ、生命維持でもしていれば問題ない。
……そう考えていたのだが。
*****
話を聞けば、心優しく肉体が清いだけの、普通の人間であると知る。
我々との違いは、獣に変化できぬくらいか。
その清さが我々には無いのだが。
発情は本能的なものであり、この世界の人間では避けられぬこと。
故に、異世界より召喚する。
聖神は。
智紀は。
最初から神として生まれた訳では無かったのだ。
神として特別な教育を受けたのでもなく。
普通に暮らし、生まれてきた、普通の人間であった。
しかも神に聖神として選ばれたのならば、その心は清く、善良であり、世間擦れもしておらぬのだろう。
過剰な期待をされ、失望されれば、潰れるも道理。
民に期待するな、とは言えぬ。
千年に一度現れる、神の化身であり、天候を左右する存在であるという事実は変わりないのだ。
智紀。
そなたは何もせずとも良い。
私の伴侶となり、側で笑っていてくれるだけで。
智紀のやわらかな唇に口付ける。
舌で口内に割り入り、真珠のような歯や甘い舌を吸い、その舌触りを味わう。
唾液も甘く感じるのは、ツガイ故か。
深く口付けても、嫌そうな素振りは見せない。
うっとりとしているようだが。
服を脱がし、いつものように愛撫を施してゆく。
「ん、……ぁ、」
乳首を幼子のように吸ってやると、その度にぴくりと反応する。
胸を愛撫してやるだけでも感じるようで。
智紀の性器が充血して来た。
智紀の肌は、どこもかしこもやわらかで、すべすべで。
触れれば吸い付くようにしっとり馴染み。
いくら弄っていても飽き足りぬほどである。
*****
乳首は赤く色づき。
肌を吸えば、花が散ったような痕を残す。
残念ながら、この程度の痕跡は揺り籠で寝ていれば朝には完治してしまうのだが。
打ち身と同様の鬱血と判断するのであろうか?
「ん、」
愛撫を待ち侘びていたカルバサーのような愛らしい性器を口に含み、愛撫する。
裏側を舌で擦られるのが悦いようだ。
足を押さえる者が居ないので、私の頭を腿で挟んでくるのは心地好い。
小さな尻の肉を揉み、その狭間に触れる。
潤滑剤をつけた指を尻に入れ、あたたかいはらわたを弄ってやると。
「ふぁ、」
智紀は気持ち良さそうに、自ら腰を浮かせ。
奥へと誘う動きをした。
尻を弄られるのが好きな身体になったのだ。
私がそのようにしたのだと思うと。
どうしようもなく高揚する。
「あ、……あん、」
智紀は私の指をきゅうきゅう食みながら、色っぽい声を上げた。
ここに、自身を挿入した時の快楽を思うと。
すぐにも突き入れたくなるが。
まだ。
「い、あ、あっ、……ああっ、」
高い声を上げ、達した。
その蜜を、一滴残らず吸い上げてやる。
前立腺を刺激しながら強く性器を吸ってやれば、容易に射精してしまうようになったのだ。
欲望を放出し、胸を上下させている智紀。
脚を開き、更なる快楽を求め。
後孔をひくつかせて。
このような、淫らで感じやすい身体だというのに。
43年も、よく清童のままでいられたものである。
*****
「……そら、起きねば、このまま抱いてしまうぞ?」
寝台に乗り上げ、智紀の細い脚を肩に抱え上げ。
細い腰を掴む。
嫌なら、今の内に止めるがいい。
身体を繋いでしまえば。
もう、止まれなくなるぞ?
「……いいのか? 挿れるぞ?」
欲情し、腹に着きそうなほど反り返ったものを、後孔にあてがうが。
そこは、誘うようにひくひくと動いている。
抵抗は無い。
「……いいのだな?」
たまらず、先端を挿入した。
「っ、」
挿入に、感じたような声は上げるものの。
拒まれぬので、そのまま押し入れていく。
半ばまで挿入し。
しばし様子をみてみる。
外の気配を探るが。
今のところ、天候などに問題は無いようである。
安堵し、智紀に視線を戻す。
「は、」
薄く開いた唇。
桃色に染まった頬。
目は閉じられたままだ。
指よりも大きいものを受け入れたせいか、少々苦しそうであったが。
落ち着いたようである。
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