魔王転生~勇者と魔族と人間と神、男の精気でレベルアップ!?

篠崎笙

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中央教会攻略

魔王様、レベル9999

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レイが俺のことをあの空間に閉じ込めようとしたのは。一人が寂しくなったせいじゃないのか?
誰も入ることの出来ない聖なる空間で。一人でずっと、あいつの執拗な嫌がらせに耐えながら、世界全体に精気送る作業してたんだ。


「レイのこと、あんまイジメてやんなよ。かわいそすぎるだろ……」

ストレスでブチ切れて、この世界維持するの投げたらどうすんだよ?
せっかく交渉とかしたのも、全部無駄になるじゃねえか。

「えー、アレにいやがらせするのは、わたしの生き甲斐なんだよ? ……ん? アイツ、名乗ったの? 自分の名前」
目を瞠って、驚いてる。

「他に生き甲斐探せ。……普通に名乗ってたぞ? アンタも名乗ってたじゃねえか、ゼロって」


そういや、あっちもなんか驚いてたな。神も、滅多に名乗らないもんなのか?
魔族もそうだっけ。名を渡すのは魂を渡すようなモンとか何とか……。

でも、神の魂は奪えないだろ。常識で考えて。


†††


大魔神は、にんまりと笑った。
「わたしは、気に入った子には普通に名乗るよ? もそう。好きな子には名前呼ばれたいでしょ? 元はひとつの神だから好みも似てる、ってことだね!」

じゃあもう二度と名前呼ばねえ。


「……そこまで気に入られたのに、精気だけ貰えて、無事清らかなカラダのまま解放されたんだ? 愛されたもんだねえ」
「いや、危うくヤられて監禁されちまうとこだったぞ!?」

マジで危機一髪だった。

「されてないじゃない、現状」
まあ、確かにそうだけど。


名乗られなかったリオンは、困惑したように首を傾げている。

「ちなみに、わたしの名前もの名前も、名乗られてないものにはピー音で掻き消されて聞こえない仕様になっているから。安心して、いっぱい名前を呼んでいいからね!」
「やだ! 俺が不適切な発言連発してる危ねーヤツみてーになるじゃねえか! もう絶対呼ばねえ!」

あんたらの名前、放送禁止用語か!?


「ちなみにわたしが名乗ったのは、君が初めてだよ。コレキヨ君。そして間違いなく、もそう」
俺が初めて?


それって。
どういう意味だ……?

「君は、とてつもなくイレギュラーな存在だ、ってことかな?」
大魔神は満面の笑みを浮かべた。


「で、リオンを魔族にするって約束はどうなってるんだ?」
「え? もう終わってるよ?」

何だと!?


†††


リオンのステータスをチェックしてみたら、マジだった。


名前:リオン
レベル:1
HP:100
MP:100
職業:魔王の伴侶
性別:男
装備:聖騎士の鎧、聖騎士のマント、血塗られた剣(呪)、布の服
所持品:2500モッコリ8チンチン、小切手、キャンプセット、聖騎士の白馬
スキル:勇者のスキル、共通言語、魔族語、交渉、気配察知
備考:魔族転化により人間時のスキル・称号は継続。不死追加。絶倫
称号:元勇者(剣士、魔族狩り、女殺し、千人斬り、オーバーキル)、王弟、魔王のヒモ


……魔王のヒモ、って。

「おい最後! てかレベル1かよ!」
勇者レベル、かなり上がってたのに。そこも継続してやれよ。

「ずいぶんサービスしたんだし、レベル上げくらいは自力でやってよ。コレキヨ君とセックスすれば、一発でかなり上がるよ。レベル9999でしょ?」
あ、そうか。確かに。

「……言い方に品がねえ」
「素直にお礼を言えない可愛くないお口はここかな?」

「むぐー!」
口を摘むな。

テメーが素直に喜べないモンを追加するからだ!


「これは、確かに便利だな……」
リオンはステータスボックスに白馬を出し入れしては感心していた。白馬困惑してるからやめたげて。

しかし、リオンはかわいいな。


まさか、こんなあっさり魔族にするとは思わなかった。
また難題突きつけてきそうっつーか。絶対何かごねると思ったのに。

でも。
「……ありがとな、ゼロ」


「…………」
ナニその微妙な顔。

「君もこれから苦労しそうだ。頑張ってね、リオン君」

したり顔の大魔神に言われて、リオンが頷いていた。
何なんだ。


†††


「じゃ、魔界に戻るから」

まだ自力で移動できるほどの魔力がないリオンを、ぎゅっと抱き締める。触れてなくとも、範囲を設定すればOKなんだが。
次元移動魔法をチェックする。

……やっと、終わった。これで、やっとリオンと。


「またね~」
大魔神は笑顔でひらひらと手を振った。


いや、もう逢いたくねえよ!?
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