56 / 64
中央教会攻略
魔王様、レベル9999
しおりを挟む
レイが俺のことをあの空間に閉じ込めようとしたのは。一人が寂しくなったせいじゃないのか?
誰も入ることの出来ない聖なる空間で。一人でずっと、あいつの執拗な嫌がらせに耐えながら、世界全体に精気送る作業してたんだ。
「レイのこと、あんまイジメてやんなよ。かわいそすぎるだろ……」
ストレスでブチ切れて、この世界維持するの投げたらどうすんだよ?
せっかく交渉とかしたのも、全部無駄になるじゃねえか。
「えー、アレにいやがらせするのは、わたしの生き甲斐なんだよ? ……ん? アイツ、名乗ったの? 自分の名前」
目を瞠って、驚いてる。
「他に生き甲斐探せ。……普通に名乗ってたぞ? アンタも名乗ってたじゃねえか、ゼロって」
そういや、あっちもなんか驚いてたな。神も、滅多に名乗らないもんなのか?
魔族もそうだっけ。名を渡すのは魂を渡すようなモンとか何とか……。
でも、神の魂は奪えないだろ。常識で考えて。
†††
大魔神は、にんまりと笑った。
「わたしは、気に入った子には普通に名乗るよ? アレもそう。好きな子には名前呼ばれたいでしょ? 元はひとつの神だから好みも似てる、ってことだね!」
じゃあもう二度と名前呼ばねえ。
「……そこまで気に入られたのに、精気だけ貰えて、無事清らかなカラダのまま解放されたんだ? 愛されたもんだねえ」
「いや、危うくヤられて監禁されちまうとこだったぞ!?」
マジで危機一髪だった。
「されてないじゃない、現状」
まあ、確かにそうだけど。
名乗られなかったリオンは、困惑したように首を傾げている。
「ちなみに、わたしの名前もアレの名前も、名乗られてないものにはピー音で掻き消されて聞こえない仕様になっているから。安心して、いっぱい名前を呼んでいいからね!」
「やだ! 俺が不適切な発言連発してる危ねーヤツみてーになるじゃねえか! もう絶対呼ばねえ!」
あんたらの名前、放送禁止用語か!?
「ちなみにわたしが名乗ったのは、君が初めてだよ。コレキヨ君。そして間違いなく、アレもそう」
俺が初めて?
それって。
どういう意味だ……?
「君は、とてつもなくイレギュラーな存在だ、ってことかな?」
大魔神は満面の笑みを浮かべた。
「で、リオンを魔族にするって約束はどうなってるんだ?」
「え? もう終わってるよ?」
何だと!?
†††
リオンのステータスをチェックしてみたら、マジだった。
名前:リオン
レベル:1
HP:100
MP:100
職業:魔王の伴侶
性別:男
装備:聖騎士の鎧、聖騎士のマント、血塗られた剣(呪)、布の服
所持品:2500モッコリ8チンチン、小切手、キャンプセット、聖騎士の白馬
スキル:勇者のスキル、共通言語、魔族語、交渉、気配察知
備考:魔族転化により人間時のスキル・称号は継続。不死追加。絶倫
称号:元勇者(剣士、魔族狩り、女殺し、千人斬り、オーバーキル)、王弟、魔王のヒモ
……魔王のヒモ、って。
「おい最後! てかレベル1かよ!」
勇者レベル、かなり上がってたのに。そこも継続してやれよ。
「ずいぶんサービスしたんだし、レベル上げくらいは自力でやってよ。コレキヨ君とセックスすれば、一発でかなり上がるよ。レベル9999でしょ?」
あ、そうか。確かに。
「……言い方に品がねえ」
「素直にお礼を言えない可愛くないお口はここかな?」
「むぐー!」
口を摘むな。
テメーが素直に喜べないモンを追加するからだ!
「これは、確かに便利だな……」
リオンはステータスボックスに白馬を出し入れしては感心していた。白馬困惑してるからやめたげて。
しかし、リオンはかわいいな。
まさか、こんなあっさり魔族にするとは思わなかった。
また難題突きつけてきそうっつーか。絶対何かごねると思ったのに。
でも。
「……ありがとな、ゼロ」
「…………」
ナニその微妙な顔。
「君もこれから苦労しそうだ。頑張ってね、リオン君」
したり顔の大魔神に言われて、リオンが頷いていた。
何なんだ。
†††
「じゃ、魔界に戻るから」
まだ自力で移動できるほどの魔力がないリオンを、ぎゅっと抱き締める。触れてなくとも、範囲を設定すればOKなんだが。
次元移動魔法をチェックする。
……やっと、終わった。これで、やっとリオンと。
「またね~」
大魔神は笑顔でひらひらと手を振った。
いや、もう逢いたくねえよ!?
誰も入ることの出来ない聖なる空間で。一人でずっと、あいつの執拗な嫌がらせに耐えながら、世界全体に精気送る作業してたんだ。
「レイのこと、あんまイジメてやんなよ。かわいそすぎるだろ……」
ストレスでブチ切れて、この世界維持するの投げたらどうすんだよ?
せっかく交渉とかしたのも、全部無駄になるじゃねえか。
「えー、アレにいやがらせするのは、わたしの生き甲斐なんだよ? ……ん? アイツ、名乗ったの? 自分の名前」
目を瞠って、驚いてる。
「他に生き甲斐探せ。……普通に名乗ってたぞ? アンタも名乗ってたじゃねえか、ゼロって」
そういや、あっちもなんか驚いてたな。神も、滅多に名乗らないもんなのか?
魔族もそうだっけ。名を渡すのは魂を渡すようなモンとか何とか……。
でも、神の魂は奪えないだろ。常識で考えて。
†††
大魔神は、にんまりと笑った。
「わたしは、気に入った子には普通に名乗るよ? アレもそう。好きな子には名前呼ばれたいでしょ? 元はひとつの神だから好みも似てる、ってことだね!」
じゃあもう二度と名前呼ばねえ。
「……そこまで気に入られたのに、精気だけ貰えて、無事清らかなカラダのまま解放されたんだ? 愛されたもんだねえ」
「いや、危うくヤられて監禁されちまうとこだったぞ!?」
マジで危機一髪だった。
「されてないじゃない、現状」
まあ、確かにそうだけど。
名乗られなかったリオンは、困惑したように首を傾げている。
「ちなみに、わたしの名前もアレの名前も、名乗られてないものにはピー音で掻き消されて聞こえない仕様になっているから。安心して、いっぱい名前を呼んでいいからね!」
「やだ! 俺が不適切な発言連発してる危ねーヤツみてーになるじゃねえか! もう絶対呼ばねえ!」
あんたらの名前、放送禁止用語か!?
「ちなみにわたしが名乗ったのは、君が初めてだよ。コレキヨ君。そして間違いなく、アレもそう」
俺が初めて?
それって。
どういう意味だ……?
「君は、とてつもなくイレギュラーな存在だ、ってことかな?」
大魔神は満面の笑みを浮かべた。
「で、リオンを魔族にするって約束はどうなってるんだ?」
「え? もう終わってるよ?」
何だと!?
†††
リオンのステータスをチェックしてみたら、マジだった。
名前:リオン
レベル:1
HP:100
MP:100
職業:魔王の伴侶
性別:男
装備:聖騎士の鎧、聖騎士のマント、血塗られた剣(呪)、布の服
所持品:2500モッコリ8チンチン、小切手、キャンプセット、聖騎士の白馬
スキル:勇者のスキル、共通言語、魔族語、交渉、気配察知
備考:魔族転化により人間時のスキル・称号は継続。不死追加。絶倫
称号:元勇者(剣士、魔族狩り、女殺し、千人斬り、オーバーキル)、王弟、魔王のヒモ
……魔王のヒモ、って。
「おい最後! てかレベル1かよ!」
勇者レベル、かなり上がってたのに。そこも継続してやれよ。
「ずいぶんサービスしたんだし、レベル上げくらいは自力でやってよ。コレキヨ君とセックスすれば、一発でかなり上がるよ。レベル9999でしょ?」
あ、そうか。確かに。
「……言い方に品がねえ」
「素直にお礼を言えない可愛くないお口はここかな?」
「むぐー!」
口を摘むな。
テメーが素直に喜べないモンを追加するからだ!
「これは、確かに便利だな……」
リオンはステータスボックスに白馬を出し入れしては感心していた。白馬困惑してるからやめたげて。
しかし、リオンはかわいいな。
まさか、こんなあっさり魔族にするとは思わなかった。
また難題突きつけてきそうっつーか。絶対何かごねると思ったのに。
でも。
「……ありがとな、ゼロ」
「…………」
ナニその微妙な顔。
「君もこれから苦労しそうだ。頑張ってね、リオン君」
したり顔の大魔神に言われて、リオンが頷いていた。
何なんだ。
†††
「じゃ、魔界に戻るから」
まだ自力で移動できるほどの魔力がないリオンを、ぎゅっと抱き締める。触れてなくとも、範囲を設定すればOKなんだが。
次元移動魔法をチェックする。
……やっと、終わった。これで、やっとリオンと。
「またね~」
大魔神は笑顔でひらひらと手を振った。
いや、もう逢いたくねえよ!?
4
お気に入りに追加
177
あなたにおすすめの小説

平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。

宰相閣下の絢爛たる日常
猫宮乾
BL
クロックストーン王国の若き宰相フェルは、眉目秀麗で卓越した頭脳を持っている――と評判だったが、それは全て努力の結果だった! 完璧主義である僕は、魔術の腕も超一流。ということでそれなりに平穏だったはずが、王道勇者が召喚されたことで、大変な事態に……というファンタジーで、宰相総受け方向です。

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。

【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい
おだししょうゆ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。
生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。
地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。
転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。
※含まれる要素
異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛
※小説家になろうに重複投稿しています

最強の弟子を育てて尊敬されようと思ったのですが上手くいきません
冨士原のもち
BL
前世でやっていたゲームに酷似した世界。
美貌も相まって異名をつけられるほど強くなったミチハは、人生がつまらなくなった。
そんな時、才能の塊のようなエンを見つけて弟子にしようとアプローチする。
無愛想弟子×美形最強の師匠
※ムーンライトノベルズにも投稿しています

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる