54 / 64
中央教会攻略
中央教会レイ・Ⅲ
しおりを挟む
「精気を奪わねばその身を存続できぬ魔族が、処女である筈もなかろうに」
処女というのは。未通の女だけでなく、未経験の男のことも指すようだ。
サーセン、童貞で処女です。一応。ギリギリ。
……あ。
そうか。何で魔神が処女であることにあんなに固執してやがったのか、やっとわかった。
教会に入り込めなくなるからか!
†††
俺は、最初からレイに説明した。
自分が小説家で。一億の人を作品内で殺し、人心を荒ませたのを功績として、死んだ後に魔神から呼ばれ、魔王に転生したこと。
この世界に送られて、勇者に拾われたこと。勇者を好きになり、操立て、というわけではないが、最後まではしなかったこと。
そして、勇者を魔族にすることを条件に、世界征服を企てたことを。
「ほう、……それゆえに、ここまで到達できたというわけか。納得した。魔王の身分であるのに、身も心も清らかであった理由も」
うん、と頷いて。
「しかし、世界征服と称しながら、そなたのした提案は魔界、人間界双方に平和をもたらすものではないのか?」
神様も苦笑いだ。
「だって俺、無駄な争い嫌いだし。勧善懲悪が好きなんだ」
清らかでもないと思うけどな。
ここに来る前、ある意味でアカムをそそのかして、人を断罪……殺させたわけだし。
そういう作戦とはいえ、グリンのことも殺しかけたし。
「よし、赦そう。わたしの精気を分け与えてやろうではないか」
レイはいそいそと法衣を脱ごうとしたが。
「え、いらねえ!」
思わず即答してしまった。
正直すぎる俺だった。
†††
「何故だ! それが目的なのであろう!?」
いや、確かにそうなんだが。
「だってなんか……嫌ってーか……アイツと同じ顔だし」
どうしても、嫌悪感があってダメだ。
「全っ然! 違うであろうが!! 色とか、中身とか!!」
神様激おこ。
「悪い、でも、生理的にムリなんです! ごめんなさい!!」
思わず土下座で謝罪する。
だって。ほんとに無理だし!
「うぬう……、ならば、何としてもそなたに精気を摂らせてやろうではないか」
うわ。目が据わってる。
やべえ。神様のチャレンジ精神に火をつけちまったようだ。
「わ、」
広間にベッドが出現し。そこに押し倒された。
慌てて逃げようとしたが、抑えつけられて動けない。
すごい力だ。神様だからか?
げっ、魔法を使って逃げようにも、ステータス画面出せねえ!
レイは、善の神らしからぬ笑みを浮かべた。
そういう顔をしてると、あの魔神とそっくりで、げんなりする。
「わたしも神であることを忘れたか? そなたの能力は全て封じた。元々、どのような術であろうが、わたしには効かぬがな」
法衣を脱ぎながら、レイは言った。
「神に愛される栄誉、その身に受けるがいい」
そんな栄誉、いらねえっつーの!
†††
スキルを封じられて。
”えっちなからだ”の効果もないはずなのに。
「……なんと甘く、芳しい身体なのだ……」
レイはめちゃくちゃ興奮して。
全裸に剥かれた俺の全身に舌を這わせた。
あいつにヤられてるみたいで、気持ち悪いのに。身体は、愛撫に反応してしまっている。
「わたしにこの身を貫かれても、この完全に外界から閉ざされた”場”からは出られぬぞ。そなたはこれから悠久の刻を、わたしと睦み合い、共に過ごすのだ」
悠久って。
ぞっとした。……嘘だろ。
リオンは来れない。
魔神ですら、ここには近寄れないという、聖域。
俺も、無力で。
何も出来ないまま、ここで、終わるのかよ!?
閉じ込められて、犯されて?
そんなの。
「……っく、や、やめ、」
目の前が霞んでくる。
「泣き顔も可愛らしいことだ。……だが、すぐに悦楽で啼かせてやろう」
後ろを探られる。
「や、やだ……、リオン、」
もがいて逃げようとしても、無駄だった。
処女というのは。未通の女だけでなく、未経験の男のことも指すようだ。
サーセン、童貞で処女です。一応。ギリギリ。
……あ。
そうか。何で魔神が処女であることにあんなに固執してやがったのか、やっとわかった。
教会に入り込めなくなるからか!
†††
俺は、最初からレイに説明した。
自分が小説家で。一億の人を作品内で殺し、人心を荒ませたのを功績として、死んだ後に魔神から呼ばれ、魔王に転生したこと。
この世界に送られて、勇者に拾われたこと。勇者を好きになり、操立て、というわけではないが、最後まではしなかったこと。
そして、勇者を魔族にすることを条件に、世界征服を企てたことを。
「ほう、……それゆえに、ここまで到達できたというわけか。納得した。魔王の身分であるのに、身も心も清らかであった理由も」
うん、と頷いて。
「しかし、世界征服と称しながら、そなたのした提案は魔界、人間界双方に平和をもたらすものではないのか?」
神様も苦笑いだ。
「だって俺、無駄な争い嫌いだし。勧善懲悪が好きなんだ」
清らかでもないと思うけどな。
ここに来る前、ある意味でアカムをそそのかして、人を断罪……殺させたわけだし。
そういう作戦とはいえ、グリンのことも殺しかけたし。
「よし、赦そう。わたしの精気を分け与えてやろうではないか」
レイはいそいそと法衣を脱ごうとしたが。
「え、いらねえ!」
思わず即答してしまった。
正直すぎる俺だった。
†††
「何故だ! それが目的なのであろう!?」
いや、確かにそうなんだが。
「だってなんか……嫌ってーか……アイツと同じ顔だし」
どうしても、嫌悪感があってダメだ。
「全っ然! 違うであろうが!! 色とか、中身とか!!」
神様激おこ。
「悪い、でも、生理的にムリなんです! ごめんなさい!!」
思わず土下座で謝罪する。
だって。ほんとに無理だし!
「うぬう……、ならば、何としてもそなたに精気を摂らせてやろうではないか」
うわ。目が据わってる。
やべえ。神様のチャレンジ精神に火をつけちまったようだ。
「わ、」
広間にベッドが出現し。そこに押し倒された。
慌てて逃げようとしたが、抑えつけられて動けない。
すごい力だ。神様だからか?
げっ、魔法を使って逃げようにも、ステータス画面出せねえ!
レイは、善の神らしからぬ笑みを浮かべた。
そういう顔をしてると、あの魔神とそっくりで、げんなりする。
「わたしも神であることを忘れたか? そなたの能力は全て封じた。元々、どのような術であろうが、わたしには効かぬがな」
法衣を脱ぎながら、レイは言った。
「神に愛される栄誉、その身に受けるがいい」
そんな栄誉、いらねえっつーの!
†††
スキルを封じられて。
”えっちなからだ”の効果もないはずなのに。
「……なんと甘く、芳しい身体なのだ……」
レイはめちゃくちゃ興奮して。
全裸に剥かれた俺の全身に舌を這わせた。
あいつにヤられてるみたいで、気持ち悪いのに。身体は、愛撫に反応してしまっている。
「わたしにこの身を貫かれても、この完全に外界から閉ざされた”場”からは出られぬぞ。そなたはこれから悠久の刻を、わたしと睦み合い、共に過ごすのだ」
悠久って。
ぞっとした。……嘘だろ。
リオンは来れない。
魔神ですら、ここには近寄れないという、聖域。
俺も、無力で。
何も出来ないまま、ここで、終わるのかよ!?
閉じ込められて、犯されて?
そんなの。
「……っく、や、やめ、」
目の前が霞んでくる。
「泣き顔も可愛らしいことだ。……だが、すぐに悦楽で啼かせてやろう」
後ろを探られる。
「や、やだ……、リオン、」
もがいて逃げようとしても、無駄だった。
4
お気に入りに追加
174
あなたにおすすめの小説
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
某国の皇子、冒険者となる
くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。
転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。
俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために……
異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。
主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。
※ BL要素は控えめです。
2020年1月30日(木)完結しました。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい
おだししょうゆ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。
生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。
地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。
転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。
※含まれる要素
異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛
※小説家になろうに重複投稿しています
完結·助けた犬は騎士団長でした
禅
BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。
ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。
しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。
強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ……
※完結まで毎日投稿します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる