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国王攻略
南の国王アカム攻略
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王の間に、大臣の協力者、悪事に加担した奴らを全て集め、アカムを王座に座らせた。
長年王が不在だったこの国は、乱れすぎた。
「反逆者は集めた。……王よ、どう裁く?」
「……わたしが?」
アカムは目を瞠った。
「こいつらは私欲に走り、法を捻じ曲げ、人を攫い享楽に耽った。国民を苦しめた罪は、どう贖う?」
アカムは優しいが。優しさだけでは国を治めることは出来ない。罪にはそれに相応しい罰が必要だ。
国家反逆罪。その罪は。
「……死罪に他ならぬ……」
重大な決断を迫られて。
悲愴な顔をしているアカムに、更に問う。
「自死を命じるか? 兵士に斬首を命じるか? それとも」
宝物庫にあった宝剣。王の剣を渡してやる。
これを、どう使う?
「……さあ、王としての役割を果たせ」
†††
アカムは、自らの手で反逆者を裁くことを選んだ。
命乞いも、怨嗟の言葉にも耳を傾けず。
王の剣は切れ味を落とすことなく、全ての反逆者を裁いた。
血痕も残さず、遺骸は魔界にある屍鬼の餌場に送ってやった。
「よくやった、アカム。お前は立派な王様だ」
震えている身体を抱き締めてやる。
……もやしっ子なのに、俺より背が高いのがむかつく。どいつもこいつも恵まれた体格しやがってコンチクショー。
アカムのレベルは、一気に50まで上がった。
これから更に成長し、いい王になるだろう。今までの経験を糧にして、頑張って欲しい。
「……ありがとう。貴方にはいくら感謝をしても足りません。……あの、お名前は……?」
涙を拭いながら、アカムははにかむように笑った。
いい笑顔だ。
「残念だが、名乗れない」
姿変えの魔法を解除してやる。
アカムは目を瞠った。
「……魔王……!?」
閉じ込められた状態でも、魔王の存在は知ってるのか。
何故俺がここに来たのかを説明すると、アカムは一も二もなく了承した。
決断早いな。
「そのような提案……貴方は本当は魔王ではなく、神の御使いなのでは?」
神というか。
魔がつく神の手先、みたいなもんではあるかな? すごく嫌だが。
「魔王だ。……お前の精気を味わいたい、と言ったら?」
「喜んで、ご提供させて頂きます」
意味はわかってるようだ。
色の白い頬を真っ赤に染めていた。
じゃあ、遠慮なくいただきます。なんつって。
†††
アカムは脱いだら、けっこう良い身体だった。
運動不足解消のため、鉄球持ち上げて筋トレしてたらしい。
力をつけ、知識を得て。脱出の機会を虎視眈々と狙っていたようだ。
「わたしも、貴方の肌に触れたいのですが。許して頂けるでしょうか」
「いいよ」
ただし、挿入、口付けはナシだと言っておく。
「……例の呪い、わたしにも?」
恐る恐る聞かれる。
無理矢理挿入したらナニが破裂する呪い?
「知りたいか?」
にやりと笑ってやる。
「やめておきます……」
そうだな。それが賢明だ。
ソッチ方面の経験は少なかったためか、アカムは早かった。
代わりに回数は多かったが。それもまあ、新鮮……。
気絶から回復した騎士たちは、王の間に集まってきた。
王の解放と反逆者の処刑を知り。嫌々誘拐犯をやらされていた騎士団は涙を流して喜んでいた。王を人質に取られ、脅されていたのだ。
それでも自分達のしたことは赦されない、どうか罰を、という騎士達に。アカムは奉仕で、国民の為に身を粉にして働くことで返すよう告げた。
騎士たちは、永遠の忠誠を誓った。
アカムにこっそり差し入れをしたり、優しくしていた見張りの兵士は、騎士に昇格するそうだ。
歪んでしまった国政を修正し、情報規制もなくし、税も緩和し、開かれた王室を目指すとのこと。大臣のせいで広まった悪名を早く晴らさないとな。
リゾート地になったら遊びに来るから楽しみにしてる、と言ったら。
早く国内を整えたいと張り切る新生国王アカムだった。
†††
「ふっ……、これにて一件落着」
とてもすっきりした。
清々しい気分だ。
「その言葉、気に入ってるのかい? 小鳥」
そりゃそうよ。
勧善懲悪は、日本人の心のオアシスである。
長年王が不在だったこの国は、乱れすぎた。
「反逆者は集めた。……王よ、どう裁く?」
「……わたしが?」
アカムは目を瞠った。
「こいつらは私欲に走り、法を捻じ曲げ、人を攫い享楽に耽った。国民を苦しめた罪は、どう贖う?」
アカムは優しいが。優しさだけでは国を治めることは出来ない。罪にはそれに相応しい罰が必要だ。
国家反逆罪。その罪は。
「……死罪に他ならぬ……」
重大な決断を迫られて。
悲愴な顔をしているアカムに、更に問う。
「自死を命じるか? 兵士に斬首を命じるか? それとも」
宝物庫にあった宝剣。王の剣を渡してやる。
これを、どう使う?
「……さあ、王としての役割を果たせ」
†††
アカムは、自らの手で反逆者を裁くことを選んだ。
命乞いも、怨嗟の言葉にも耳を傾けず。
王の剣は切れ味を落とすことなく、全ての反逆者を裁いた。
血痕も残さず、遺骸は魔界にある屍鬼の餌場に送ってやった。
「よくやった、アカム。お前は立派な王様だ」
震えている身体を抱き締めてやる。
……もやしっ子なのに、俺より背が高いのがむかつく。どいつもこいつも恵まれた体格しやがってコンチクショー。
アカムのレベルは、一気に50まで上がった。
これから更に成長し、いい王になるだろう。今までの経験を糧にして、頑張って欲しい。
「……ありがとう。貴方にはいくら感謝をしても足りません。……あの、お名前は……?」
涙を拭いながら、アカムははにかむように笑った。
いい笑顔だ。
「残念だが、名乗れない」
姿変えの魔法を解除してやる。
アカムは目を瞠った。
「……魔王……!?」
閉じ込められた状態でも、魔王の存在は知ってるのか。
何故俺がここに来たのかを説明すると、アカムは一も二もなく了承した。
決断早いな。
「そのような提案……貴方は本当は魔王ではなく、神の御使いなのでは?」
神というか。
魔がつく神の手先、みたいなもんではあるかな? すごく嫌だが。
「魔王だ。……お前の精気を味わいたい、と言ったら?」
「喜んで、ご提供させて頂きます」
意味はわかってるようだ。
色の白い頬を真っ赤に染めていた。
じゃあ、遠慮なくいただきます。なんつって。
†††
アカムは脱いだら、けっこう良い身体だった。
運動不足解消のため、鉄球持ち上げて筋トレしてたらしい。
力をつけ、知識を得て。脱出の機会を虎視眈々と狙っていたようだ。
「わたしも、貴方の肌に触れたいのですが。許して頂けるでしょうか」
「いいよ」
ただし、挿入、口付けはナシだと言っておく。
「……例の呪い、わたしにも?」
恐る恐る聞かれる。
無理矢理挿入したらナニが破裂する呪い?
「知りたいか?」
にやりと笑ってやる。
「やめておきます……」
そうだな。それが賢明だ。
ソッチ方面の経験は少なかったためか、アカムは早かった。
代わりに回数は多かったが。それもまあ、新鮮……。
気絶から回復した騎士たちは、王の間に集まってきた。
王の解放と反逆者の処刑を知り。嫌々誘拐犯をやらされていた騎士団は涙を流して喜んでいた。王を人質に取られ、脅されていたのだ。
それでも自分達のしたことは赦されない、どうか罰を、という騎士達に。アカムは奉仕で、国民の為に身を粉にして働くことで返すよう告げた。
騎士たちは、永遠の忠誠を誓った。
アカムにこっそり差し入れをしたり、優しくしていた見張りの兵士は、騎士に昇格するそうだ。
歪んでしまった国政を修正し、情報規制もなくし、税も緩和し、開かれた王室を目指すとのこと。大臣のせいで広まった悪名を早く晴らさないとな。
リゾート地になったら遊びに来るから楽しみにしてる、と言ったら。
早く国内を整えたいと張り切る新生国王アカムだった。
†††
「ふっ……、これにて一件落着」
とてもすっきりした。
清々しい気分だ。
「その言葉、気に入ってるのかい? 小鳥」
そりゃそうよ。
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