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国王攻略
東の国王アオイ攻略
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「ひぁ、あ、や、ああっ、」
ぐりぐりっ、と。
俺のも、裏から乱暴に擦り上げられる。
「……イイだろ? すげえな、こんな上物のカラダ、見たことねえぞ」
縛られて。乱暴にされて。
痛いのに。
それが、すごく。
「いい、きもちい、……あっ、あん、」
吊るされたり、恥ずかしい格好で拘束された状態で。
散々鳴かされた。
†††
体力や、身体の縛られた跡とかは回復しても。心の疲れまでは癒せないのだった……。
ああ、温泉入りてえな……。
せっかくリオンが風呂付の部屋を取ってくれたんだし。後で露天風呂入ろう。
「おかえり。……小鳥、大丈夫かい?」
ふらつく身体を、リオンに抱きとめられた。
思わず、ぎゅっとしがみつく。
大丈夫じゃないけど、大丈夫だ。まだ頑張れる。
「お疲れ様。……おやすみ、小鳥」
頭を撫でる、優しい手。
良かった。
これで、安心して眠れる……。
「……これにて一件落着……」
これだけは言っておきたかった。
悔いなし。
†††
次は、西の国である。
……しかし、何で異世界に、あんな純和風な空間があったんだ?
魔界も、ファンタジーなイメージを壊さないような建物だったのに。
東の国だけ異質すぎた。
いや、西や南も異質な可能性もあるが。そこは今んとこ置いとこう。
人類が発展すれば、様々な文化が発生してしかるべきだろうが。
中華風でもなく。町並みとか暮らしとか、完全に日本の文化だった。しかも江戸時代の。
……木製の建物が多かったのは、木材や植物が豊富だからだろうし、やっぱ環境か?
この世界の産業、どうなってんだよ! 魔法がある分、他の移動手段は未だ馬か馬車とか、文化は遅れてるようにも見えるが。
こんな世界設定がメチャクチャじゃ、現代日本の知識を使って無双、異世界チート生活! なんて無理だな。
いや、もう充分すぎるチート性能を与えられてるようだが。
納得いかない部分が多すぎんだよな……。何せ、アレの性格がアレだし……。
「小鳥。物憂い顔をして、どうしたのかね? もうそろそろ西の王都だが。……つらいのなら、少し休もうか?」
リオンの優しさがしみるぜ。しかし。
「いや、世界って広いんだなって思ってただけだ……」
この世界は、ばかでかいひとつの大陸でできてる。周囲は海だ。
とりあえず、丸い惑星であることは間違いないようだ。
移動魔法があるとはいえ、国と国との距離がありすぎるんだよな。
魔法で強化させた馬は1日3オーエ……1オーエが約四千キロメートル、つまり千里を走るというが。
ここまでも、東から魔界へ跳び、西の領地から通路を通り。ここまで馬で半日掛かった。果てしなく遠く感じる。
「私はずいぶんと楽をさせてもらっているけどね」
皮肉を含んだ声に振り返ると、リオンは長い睫毛を伏せて。
「小鳥は私が同族に成るため、頑張ってくれているというのに。私は何も出来ないのが、心苦しいのだ……」
「何もしてなくねえって。リオンがこうして側にいてくれるだけで心強い。充分役に立ってる。それに、情報収集とかもありがたいぞ?」
さすが高レベル勇者というか、北の勇者と言えば他の国でもその知名度は高く、魔物退治のエキスパートとして有名だったわけで。
おかげで情報も入りやすい。
「そうか」
後ろから、ぎゅっと抱き締められる。
俺はもう、この腕じゃないと。
安心して寄りかかれなくなってるんだ。何もしてない、なんてことはない。
ぐりぐりっ、と。
俺のも、裏から乱暴に擦り上げられる。
「……イイだろ? すげえな、こんな上物のカラダ、見たことねえぞ」
縛られて。乱暴にされて。
痛いのに。
それが、すごく。
「いい、きもちい、……あっ、あん、」
吊るされたり、恥ずかしい格好で拘束された状態で。
散々鳴かされた。
†††
体力や、身体の縛られた跡とかは回復しても。心の疲れまでは癒せないのだった……。
ああ、温泉入りてえな……。
せっかくリオンが風呂付の部屋を取ってくれたんだし。後で露天風呂入ろう。
「おかえり。……小鳥、大丈夫かい?」
ふらつく身体を、リオンに抱きとめられた。
思わず、ぎゅっとしがみつく。
大丈夫じゃないけど、大丈夫だ。まだ頑張れる。
「お疲れ様。……おやすみ、小鳥」
頭を撫でる、優しい手。
良かった。
これで、安心して眠れる……。
「……これにて一件落着……」
これだけは言っておきたかった。
悔いなし。
†††
次は、西の国である。
……しかし、何で異世界に、あんな純和風な空間があったんだ?
魔界も、ファンタジーなイメージを壊さないような建物だったのに。
東の国だけ異質すぎた。
いや、西や南も異質な可能性もあるが。そこは今んとこ置いとこう。
人類が発展すれば、様々な文化が発生してしかるべきだろうが。
中華風でもなく。町並みとか暮らしとか、完全に日本の文化だった。しかも江戸時代の。
……木製の建物が多かったのは、木材や植物が豊富だからだろうし、やっぱ環境か?
この世界の産業、どうなってんだよ! 魔法がある分、他の移動手段は未だ馬か馬車とか、文化は遅れてるようにも見えるが。
こんな世界設定がメチャクチャじゃ、現代日本の知識を使って無双、異世界チート生活! なんて無理だな。
いや、もう充分すぎるチート性能を与えられてるようだが。
納得いかない部分が多すぎんだよな……。何せ、アレの性格がアレだし……。
「小鳥。物憂い顔をして、どうしたのかね? もうそろそろ西の王都だが。……つらいのなら、少し休もうか?」
リオンの優しさがしみるぜ。しかし。
「いや、世界って広いんだなって思ってただけだ……」
この世界は、ばかでかいひとつの大陸でできてる。周囲は海だ。
とりあえず、丸い惑星であることは間違いないようだ。
移動魔法があるとはいえ、国と国との距離がありすぎるんだよな。
魔法で強化させた馬は1日3オーエ……1オーエが約四千キロメートル、つまり千里を走るというが。
ここまでも、東から魔界へ跳び、西の領地から通路を通り。ここまで馬で半日掛かった。果てしなく遠く感じる。
「私はずいぶんと楽をさせてもらっているけどね」
皮肉を含んだ声に振り返ると、リオンは長い睫毛を伏せて。
「小鳥は私が同族に成るため、頑張ってくれているというのに。私は何も出来ないのが、心苦しいのだ……」
「何もしてなくねえって。リオンがこうして側にいてくれるだけで心強い。充分役に立ってる。それに、情報収集とかもありがたいぞ?」
さすが高レベル勇者というか、北の勇者と言えば他の国でもその知名度は高く、魔物退治のエキスパートとして有名だったわけで。
おかげで情報も入りやすい。
「そうか」
後ろから、ぎゅっと抱き締められる。
俺はもう、この腕じゃないと。
安心して寄りかかれなくなってるんだ。何もしてない、なんてことはない。
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