魔王転生~勇者と魔族と人間と神、男の精気でレベルアップ!?

篠崎笙

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魔王様のレベル上げ

魔王様、北の町へ

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「甘い……」
指をぺろぺろと舐めていたら。


『ああ、……どうか、私にも、魔王様の甘露を……、』

金色の目が、爛々と光って。
ドラクの着ている服が、中から弾けるように破れていった。肌が鱗に。ドラゴンに変化していっている。
そういえば。硬い鱗に覆われた肌は、冷たいと思いきや、意外に温かかったのを思い出す。


「赦す」
身に着けていたローブを肩から落とし。ベッドに腰掛け、足を軽く開いてみせる。

半分ドラゴンに変化しているドラクにしゃぶりつかれて。
俺もすぐにイってしまった。


†††


レベル700になっていた。

経験値の詳細は、もう確認しないからな! 何を書かれてるかわかったもんじゃない。
これくらいのレベルがあれば、何があってもだいたい対応できるだろ。たぶん。

リオンが俺を傷付けることは……ないとは思いたいが。
他の男の味を知ったから、裏切り者扱いされて討伐される可能性もあるからな……。

他の男の味って。我ながら嫌な表現だ……。
事実なんだけど。

リオンは最初、魔王でも、俺がまだだったから見逃したみたいだし。


『どうか、ご無事でお帰りを。……お待ちしております』

ドラクをはじめ、北の魔族たちに見送られながら。
北の通路より、人間界へ向かった。


魔界から人間界への通路の出口は、北の町のすぐ近くにあった。

姿も変えたし、気配遮断も使ったから。
これで見ただけじゃ魔王だとはバレないはずだ。装備は、リオンから貰ったものに着替えた。


……ん?

何だか、違和感を覚える。

何だ、この……。嫌な予感? というか。
町の雰囲気が、おかしいような。


外から見ても、町がどこか、荒んでいるように見える。
何か、あったのか?


†††


「ここは、北の町リンデンです」

町の名以下略NPCは、前と同じ場所にいた。
そこは変わってないようだが。


商店の物価が、倍以上にも上がってた。以前素泊まり5チンチンだった宿屋が一泊1モッコリになってる。
確かレートが1ソチン十円、1チンチン五百円、1モッコリ一万円くらいだったから、4倍くらい値上げしたのか。

酒場の前には、朝っぱらから酔っ払いや酒瓶が転がっていて、管をまいてるガラの悪いのもいる。
勇者がいる北の町は、そのためか治安がよく、物価が一番安いと聞いたが。……どうなってんだ? 前に見た時は、明るくて活気溢れる町だった。それなのに。


「うほっ、かわいい坊やじゃないか。20ソチンでオジサンと×××ピーしねえ?」
「がはは、おめーのなんかブチこんだら、裂けちまうよォ」

下卑た声が掛けられる。
酔っ払いだ。

うっせえ祖チンが。引っこ抜くぞオラ。
EDになる呪いをかけてやろうか。スレイに教わったやつ。

……こんな奴、前は町中にはいなかったよな。マジでここ、どうなっちゃったんだ?


とりあえず。
勇者の家がある、町外れへと向かったら。


「……マジかよ……」

リオンの元家は。
門を板で閉ざされていて。売り家、と出ていた。

しばらく前に売り払われたらしく。人の気配もない。
誰もいない。

窓も割られたりして、すでに荒らされていた。


いった、何があったっていうんだ。
……どこへ行っちまったんだよ、リオン。


†††


町のの入口まで、走って戻った。

「あの、ここの、勇者……さまは……?」
NPCに聞いてみるが。

「ここは、北の町リンデンです」
少し困った顔をされた。

「…………知らない?」
「ここは、北の町リンデンです」


あ、ハイ。
お仕事中でしたね、サーセン。お邪魔しました。

すごすごと帰ろうとしたが。
NPCは、きょろきょろと、周りを見回して。


「外からのお客もなかなか来なくなっちゃったし、いいか。……きみはここ、初めてかい? 勇者様の噂を聞いて来たのなら、諦めたほうがいいね」

おお、話してくれた。
NPC、優しい。
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