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魔王様のレベル上げ
吸血大公バルトⅡ
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「俺は享年29だ。魔族としては若いのだろう。かまわん」
『なんと……! 29で御成りあそばせたとは!』
尊敬の眼差しを向けられた。
まあ、魔王転生の基準が、一人で一億人以上殺す、とかだし。そりゃすげえと思うわな。
『ど、どのように殺害なされたので?』
うわー、めっちゃキラキラした目で見てくるんですけどー。
「えーと、伝染病をパンデミックさせたり、油を撒いた広場に人を集めて火を放ったり、ダムを爆破して村を沈めたり、鉄の球で圧殺したり、ガトリング銃を乱射したり、ロードローラーや戦車で轢き殺したり……?」
悲しいけどこれ戦争なのよね。
あくまでもフィクションです! 実際の人物以下略!
……血反吐はいたり内臓ぶちまけてたり。思い返すと、ろくでもねえ小説だな。
そりゃ読んだ人の心も荒むわ。こんなのよく出版できたもんだ。
バルトは目を細めた。
『それでは残虐大公も、その名を返上せねばなりませんな?』
まあリンゼは残虐じゃないし、そうだよなー。
はしっ、と手を取られて。
『このバルト、魔王様に永世の忠誠を誓います……!!』
キラキラした目で見られている。
あ。
……俺か、残虐大魔王は。
†††
せっかくなので、西の公爵家に行き、位置情報を記録しといた。
西の公爵家は、吸血鬼の城みたいだった。ルーマニアっぽい感じ。
配下の魔族はカーミラとか吸血鬼系や、デュラハンとか狼男とかリビングデッドとか、そっち系が多いらしい。
お土産に飴ちゃんいっぱい貰った。
甜菜畑がいっぱいあるから、砂糖を使った物が主な名産品だそうだ。
これで魔界の東西南北の位置情報コンプリートだ。
事情は話したので。
では勇者勧誘の件が落ち着いたらゆっくり遊びにいらしてください、と言われた。
さてそれじゃあ精気をいただきますか、という段になって。
『畏れ多くて緊張します……』
バルトはガチガチに緊張していた。
今まで魔王とは精気のやり取りをしたことがないという。それもそうか。先々代は厳つい大男で、精気は自力で集めてたらしいし。先代の美女は若い人間の男の精気にしか興味がなかったとかで。
……ん? でも、そういやさっきは。
魔王の色が、緊張させるなら。
「なら、別人と思え」
姿変えの魔法で、さっきの姿になる。
赤茶の髪、薄い緑色の目、白人のような肌色の。
「頭を撫でられるのも、悪くはなかったぞ?」
小首を傾げてみせると。
バルトはごくり、と喉を鳴らした。
†††
『……私のことは、旦那様と呼びなさい』
きらりと目を光らせ。
アスコットタイを外しながら、バルトは俺に命じてきた。
『クビになりたくなければ、そこへ横になりたまえ』
アッ、ハイ。旦那様とお小姓プレイっすか。
それにしても、切り替えはええな!
ローブをまくられて。
『このような恥ずかしい下着で男を誘う術を、どこで教わったのかね?』
「え、でも、これがこの国では普通だって、」
『コレは、娼婦の女が履くものだ』
何だと!?
後でスレイはっ倒す。
『ほら、見てみなさい。……はしたない。もうここがぬるぬるになっているではないか』
股間を探られる。
「や、」
……これ、めっちゃ恥ずかしいな!
自分で言い出したんだけどよ! っていうか、めちゃくちゃノリノリだな旦那様!
『では娼婦のように自分で紐を外して、大きく足を開いて、その恥ずかしいモノを私によく見せなさい』
「は、はい。旦那様……、俺の恥ずかしいモノを、ご覧ください……」
自分でも、真っ赤になってるのがわかる。
震える指で、下着の紐を外して。
おそるおそる、足を開く。
……ノーコメントやめろや!!!!
優しい眼差しで見るのやめろ! うんうん頷くな!!!!
違うんです!
日本には割礼の習慣が無いだけなんです!!!!
『……私の愛撫に反応して、いい子だ』
あ、あえてソレへの言及を避けた。
旦那様優しい!
『なんと……! 29で御成りあそばせたとは!』
尊敬の眼差しを向けられた。
まあ、魔王転生の基準が、一人で一億人以上殺す、とかだし。そりゃすげえと思うわな。
『ど、どのように殺害なされたので?』
うわー、めっちゃキラキラした目で見てくるんですけどー。
「えーと、伝染病をパンデミックさせたり、油を撒いた広場に人を集めて火を放ったり、ダムを爆破して村を沈めたり、鉄の球で圧殺したり、ガトリング銃を乱射したり、ロードローラーや戦車で轢き殺したり……?」
悲しいけどこれ戦争なのよね。
あくまでもフィクションです! 実際の人物以下略!
……血反吐はいたり内臓ぶちまけてたり。思い返すと、ろくでもねえ小説だな。
そりゃ読んだ人の心も荒むわ。こんなのよく出版できたもんだ。
バルトは目を細めた。
『それでは残虐大公も、その名を返上せねばなりませんな?』
まあリンゼは残虐じゃないし、そうだよなー。
はしっ、と手を取られて。
『このバルト、魔王様に永世の忠誠を誓います……!!』
キラキラした目で見られている。
あ。
……俺か、残虐大魔王は。
†††
せっかくなので、西の公爵家に行き、位置情報を記録しといた。
西の公爵家は、吸血鬼の城みたいだった。ルーマニアっぽい感じ。
配下の魔族はカーミラとか吸血鬼系や、デュラハンとか狼男とかリビングデッドとか、そっち系が多いらしい。
お土産に飴ちゃんいっぱい貰った。
甜菜畑がいっぱいあるから、砂糖を使った物が主な名産品だそうだ。
これで魔界の東西南北の位置情報コンプリートだ。
事情は話したので。
では勇者勧誘の件が落ち着いたらゆっくり遊びにいらしてください、と言われた。
さてそれじゃあ精気をいただきますか、という段になって。
『畏れ多くて緊張します……』
バルトはガチガチに緊張していた。
今まで魔王とは精気のやり取りをしたことがないという。それもそうか。先々代は厳つい大男で、精気は自力で集めてたらしいし。先代の美女は若い人間の男の精気にしか興味がなかったとかで。
……ん? でも、そういやさっきは。
魔王の色が、緊張させるなら。
「なら、別人と思え」
姿変えの魔法で、さっきの姿になる。
赤茶の髪、薄い緑色の目、白人のような肌色の。
「頭を撫でられるのも、悪くはなかったぞ?」
小首を傾げてみせると。
バルトはごくり、と喉を鳴らした。
†††
『……私のことは、旦那様と呼びなさい』
きらりと目を光らせ。
アスコットタイを外しながら、バルトは俺に命じてきた。
『クビになりたくなければ、そこへ横になりたまえ』
アッ、ハイ。旦那様とお小姓プレイっすか。
それにしても、切り替えはええな!
ローブをまくられて。
『このような恥ずかしい下着で男を誘う術を、どこで教わったのかね?』
「え、でも、これがこの国では普通だって、」
『コレは、娼婦の女が履くものだ』
何だと!?
後でスレイはっ倒す。
『ほら、見てみなさい。……はしたない。もうここがぬるぬるになっているではないか』
股間を探られる。
「や、」
……これ、めっちゃ恥ずかしいな!
自分で言い出したんだけどよ! っていうか、めちゃくちゃノリノリだな旦那様!
『では娼婦のように自分で紐を外して、大きく足を開いて、その恥ずかしいモノを私によく見せなさい』
「は、はい。旦那様……、俺の恥ずかしいモノを、ご覧ください……」
自分でも、真っ赤になってるのがわかる。
震える指で、下着の紐を外して。
おそるおそる、足を開く。
……ノーコメントやめろや!!!!
優しい眼差しで見るのやめろ! うんうん頷くな!!!!
違うんです!
日本には割礼の習慣が無いだけなんです!!!!
『……私の愛撫に反応して、いい子だ』
あ、あえてソレへの言及を避けた。
旦那様優しい!
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