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魔王様のレベル上げ

冷血公ガルムⅢ

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あちこちイタズラしてくるぬるぬるした手を止めようとしても、腕を動かすこともできない。
縛られてるわけでもないのに、しなやかな腕や足が絡みついて。どうしてだか少しも身動きができないのだ。

……何か、蛇に飲み込まれてるみたいな気分だ。


ガルムは、なかなか俺のものに触れてくれなかった。
その周囲は弄られて、高められ。時々掠めるように触れられて。解放を待ちわびているってのに。


「は、早く……、」

『まだですよ。極限まで我慢した末に、最高の悦楽が待っているのです』
声は優しいくせに。

やってることは意地悪だ。
いや、ドSだ。


「た、頼むから、もう、」

ガルムは、ふっ、と笑った。
『配下の者に、おねだりですか? 魔王様はただ、命じればいいのですよ?』

耳元で。
恥ずかしい単語を言うように囁かれ。


何度も懇願した後、やっとイかせてくれた。


†††


ガルムから分けてもらったスパイスを、スレイに言付けて魔王城の料理番に渡してもらうと。大変貴重なものだと喜んでいたらしい。
そういやスパイスは金と同等の価値だった時代もあったな。ここではそうなのか?

まあともかく。
ガルムのは、杏の酒のような味わいで、フルーティな感じがした。

うまかった。いろいろ。


「東の冷血公ガルム、二次試験、合格とする」
『はっ、東の公爵もキープですね。了解しました』
だからキープ言うなっての。


……しかし、気持ちよかったな……。

まったく。
クセになって、SMプレイにはまってしまったらどうしてくれるんだ。


さて。
レベル300になった訳だが。

ガルムのは、新しい扉を開かれた、って感じだったな。……下克上プレイというのもいいもんだ。新鮮だった。でもSMはご勘弁。

……などとまるで経験豊富な遊び人みたいなことを言ってるが。
一応、後ろはまだ処女である。辛うじて。ギリギリ。


生前はノーマルな男だったのに。何でこうなったんだ、とか。
あんまり深く考えると、頭がどうにかなりそうだ。


†††


スキルのチェックでもしとくか。
そろそろ使用可能になった魔法も増えてるだろうし。


名前:ユウキ
レベル:300

HP:3000
MP:30000
職業:魔王
性別:男
装備:魔王のローブ、魔王の靴、えっちな下着
所持品:北の勇者から貰った装備たからもの、魔王の財産(∞)
スキル:魅了(パッシブ・男にのみ有効)、魅惑の瞳、名器、全世界共通言語、元素魔法、白魔法、黒魔法。
備考:不老不死(自動リライブ)、えっちなからだ(ただし未貫通)


……何だよ”えっちな下着”って。
ここでは主流だっていう、普通の紐パンだっつーの。


魔法は、数が多すぎるから、おおまかなジャンルで畳まれてる。
移動魔法は、白魔法のカテゴリーにあった。時空転移には、まだまだだな。

ええと……レベル600でやっと習得可、だと!?

マジかよ。そんな難易度高いのか。スレイとか鼻歌交じりに使ってたのに。
まあでもアイツはああ見えて、テクニシャンだからな。

いろんな意味で。


†††


……あ、メール来た。

何だ、魔神からか。って魔神以外からメールが来ることがあるのかは謎だが。
あいつ、ヒマなのか?


”(´ε` )度々ご褒美あざっす! 君の呪いはこちらまで届いてるよ。お礼にひとつ、スキルを追加サービスしたよ^^”

何このムカつく顔文字。しねばいいのに。


スキルをひとつ、サービス?

ああ、これか。……名器? 名器って。あの天井がなんとか、ミミズが何匹だとかいう、入れるとめちゃくちゃ気持ちいいっていう、例のアレか?


…………。


……………………。


使う予定ねえし!!!!!
いやもうマジでしね!!!!!! クソ魔神!!!!!!!


って、これか、呪いって。思ってるだけでも届くのか。
もう金輪際でめーのことなんか考えてやらねーからな、コンチクショウ!


もういい、次だ次!!
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