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魔王様のレベル上げ
残虐大公リンゼⅡ
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ヒトは何故、叶うはずのない夢を見てしまうのだろう。
人の夢と書いて儚い、とはよく言ったもんだ。
もう俺、ヒトじゃねえけど。
そうだった。ここは魔界だった。
燦々と降り注ぐサンシャインなんかあるわけないじゃないですかヤダー。灼熱の火山弾とかなら散々降り注ぎそうだ。
地獄かよ。いや魔界だ。
†††
それでも一応、白い砂浜はあった。人骨が細かく砕けたものでできているという砂浜が。砂……なのか?
こえーよ! 足を踏み入れたらマッハで祟られちゃいそうなやつじゃねえかソレ!
海は血の海だし。血腥ぇよー。夢に見そうだ。成仏してください!
人魚はいたけど。美女というより、サカナ顔した半魚人。マーメイドというよりマーマンな感じだった。もしかしたら、サカナ界では美魚なのかもしれない。知らんけど。
人間のような上半身があらわで、ポロリどころかおっぱいがモロ出しでも、少しも嬉しくないのは何故なんだぜ……?
逆に男の人魚はイケメン揃いなのは何故なのか。納得いかねえ……。
まあ魔界だしな。美醜感覚が違ってたり、おどろおどろしいのがデフォルトでも仕方ないか……。
あ、ケルピーはめちゃくちゃ可愛いじゃねえか。ポニーのような上半身に、下半身は魚だ。
こっちを見てたので、手招きしてみると。
ぴょんぴょん跳ねて俺に近寄り、顔を摺り寄せてきた。懐っこくてかわいい。
血の海から上がってきたので、血腥いのがアレだが。
『魔王様にお会いできて嬉しいそうです』
リンゼは動物会話というスキルを持っていた。猛烈に羨ましい。
「そっかー、えへへ~、俺も会えて嬉しいぞー。よしよし」
たてがみや鼻先を撫でてやると嬉しそうにブルルといなないた。
ハッ!? 俺としたことが、魔王の威厳も何もねえ姿を……。
振り返ってみると、リンゼは肩を震わせていた。
……ったく、笑ってんじゃねえ。そこは見て見ぬフリをするのが出来る臣下ってもんだぞ!?
『不敬にも、このまま帰したくないと願ってしまいました』
それ、……って。
「わ、」
突然、抱き寄せられて。
†††
見回すと。
魔王城に、戻っていた。
……もう戻っちゃうのかよ。
あっさりしてやがんのな。あんなこと、言ってたくせに。
帰したくないって言葉に、不覚にも、ドキッとしちゃっただろ!?
って乙女か!
普通はそういうセリフをこっちが言う方だ。言えないから童貞だって? ほっとけ。
「……もう少し、いても、良かったのに」
つい、恨み言のようなことを言ってしまう。
つーか、まだ熱帯雨林の奥にあるというでっかい花、見せてもらってねえし!
『ありがとう御座います。また、お誘いしても?』
リンゼはにかっと笑った。
そうか。
また、南の領地に行く機会はあるんだよな。
勿論だと、頷いてみせた。
†††
自分が先に魔王様にご奉仕をしたい、と懇願されて。
「……ちょ、待っ、」
触れるのを許したら、あっという間に全裸に剥かれてしまった。あんまり見せたくない身体だってのに。
リンゼも脱いだが、逞しい肉体だった。
胸毛すげえな。……腹にまで続いてて。想像した以上にもっさりだった。
勢いよくそそり立っている怒張は赤黒く、巨大で、太かった。
体格差のせいもあるが。一番太い部分は、俺のふくらはぎくらいありそうだ。嫉妬とか羨望とか覚える以前に、純粋にすげえ、と思って、つい見てしまう。
これを受け入れる相手は、大変だろうな。
……などと、他人事のように思う。
挿入は絶対禁止と、スレイにより、全員に言い渡してあるはずだ。
魔王とはいえ、まだレベルも低い。大公クラスの魔族が本気になれば、かなわない。
なので間違いがないよう、許可なく強行しようとしたら寸前にブツが破裂する呪いをかけたという。
こええ。
よく皆、そんなとんでもない条件を受け入れたよな。
入れるつもりがなくても、そんな呪いかけられんの、怖くて絶対嫌だ。
人の夢と書いて儚い、とはよく言ったもんだ。
もう俺、ヒトじゃねえけど。
そうだった。ここは魔界だった。
燦々と降り注ぐサンシャインなんかあるわけないじゃないですかヤダー。灼熱の火山弾とかなら散々降り注ぎそうだ。
地獄かよ。いや魔界だ。
†††
それでも一応、白い砂浜はあった。人骨が細かく砕けたものでできているという砂浜が。砂……なのか?
こえーよ! 足を踏み入れたらマッハで祟られちゃいそうなやつじゃねえかソレ!
海は血の海だし。血腥ぇよー。夢に見そうだ。成仏してください!
人魚はいたけど。美女というより、サカナ顔した半魚人。マーメイドというよりマーマンな感じだった。もしかしたら、サカナ界では美魚なのかもしれない。知らんけど。
人間のような上半身があらわで、ポロリどころかおっぱいがモロ出しでも、少しも嬉しくないのは何故なんだぜ……?
逆に男の人魚はイケメン揃いなのは何故なのか。納得いかねえ……。
まあ魔界だしな。美醜感覚が違ってたり、おどろおどろしいのがデフォルトでも仕方ないか……。
あ、ケルピーはめちゃくちゃ可愛いじゃねえか。ポニーのような上半身に、下半身は魚だ。
こっちを見てたので、手招きしてみると。
ぴょんぴょん跳ねて俺に近寄り、顔を摺り寄せてきた。懐っこくてかわいい。
血の海から上がってきたので、血腥いのがアレだが。
『魔王様にお会いできて嬉しいそうです』
リンゼは動物会話というスキルを持っていた。猛烈に羨ましい。
「そっかー、えへへ~、俺も会えて嬉しいぞー。よしよし」
たてがみや鼻先を撫でてやると嬉しそうにブルルといなないた。
ハッ!? 俺としたことが、魔王の威厳も何もねえ姿を……。
振り返ってみると、リンゼは肩を震わせていた。
……ったく、笑ってんじゃねえ。そこは見て見ぬフリをするのが出来る臣下ってもんだぞ!?
『不敬にも、このまま帰したくないと願ってしまいました』
それ、……って。
「わ、」
突然、抱き寄せられて。
†††
見回すと。
魔王城に、戻っていた。
……もう戻っちゃうのかよ。
あっさりしてやがんのな。あんなこと、言ってたくせに。
帰したくないって言葉に、不覚にも、ドキッとしちゃっただろ!?
って乙女か!
普通はそういうセリフをこっちが言う方だ。言えないから童貞だって? ほっとけ。
「……もう少し、いても、良かったのに」
つい、恨み言のようなことを言ってしまう。
つーか、まだ熱帯雨林の奥にあるというでっかい花、見せてもらってねえし!
『ありがとう御座います。また、お誘いしても?』
リンゼはにかっと笑った。
そうか。
また、南の領地に行く機会はあるんだよな。
勿論だと、頷いてみせた。
†††
自分が先に魔王様にご奉仕をしたい、と懇願されて。
「……ちょ、待っ、」
触れるのを許したら、あっという間に全裸に剥かれてしまった。あんまり見せたくない身体だってのに。
リンゼも脱いだが、逞しい肉体だった。
胸毛すげえな。……腹にまで続いてて。想像した以上にもっさりだった。
勢いよくそそり立っている怒張は赤黒く、巨大で、太かった。
体格差のせいもあるが。一番太い部分は、俺のふくらはぎくらいありそうだ。嫉妬とか羨望とか覚える以前に、純粋にすげえ、と思って、つい見てしまう。
これを受け入れる相手は、大変だろうな。
……などと、他人事のように思う。
挿入は絶対禁止と、スレイにより、全員に言い渡してあるはずだ。
魔王とはいえ、まだレベルも低い。大公クラスの魔族が本気になれば、かなわない。
なので間違いがないよう、許可なく強行しようとしたら寸前にブツが破裂する呪いをかけたという。
こええ。
よく皆、そんなとんでもない条件を受け入れたよな。
入れるつもりがなくても、そんな呪いかけられんの、怖くて絶対嫌だ。
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