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魔王転生
魔王様、レベル1
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「……ん?」
ピコーン、と音がして。
空中に、ゲームのステータス画面みたいなのが現れた。
名前:ユウキ
レベル:1
HP:10
MP:100
職業:魔王
性別:男
装備:布の服
所持品:10000モッコリ
スキル:魅了(パッシブ・男にのみ有効)、魅惑の瞳、全世界共通言語
備考:不老不死(自動リライブ)、えっちなからだ(ただし無垢)
†††
……何だこれ。
ステータス画面、だよな?
メールが来ています、と表示が出てたので、メールを開いてみる。
『言い忘れてたけど、レベル1だとまだ魔法は使えないよ☆ レベル上げ、ガンバ☆』
……だと……?
暗黒大魔神のクソヤロウ……! それを先に言え!
一気にレベル99とかチートサービスとかしてくんねえのかよ! ケチ!
HP10とかひっく! 低すぎじゃねえ!? スペランカー並みに弱いんじゃねえの? 転んだだけで即死しそうじゃねえか。
何だよ所持品の”モッコリ”って! いかがわしいニオイしかしねえよ! ナニに使うモンなんだよ!? ヤローには標準装備だよ!
それより”えっちなからだ”って何なんだよ!!! 意味わかんねー!
マジであいつしね!!!!!
心の中で散々悪態をついたら、なんか疲れた。
……もう、諦めよう。来てしまったもんは、仕方ないしな。
地道にレベル上げをしなければ。……文字通り、何も始まらない。
頑張らねば。早くレベルを上げて。
念願の、『手からビーム』を出せるようになるために。
†††
とりあえず、野原を出て。土を固めてできた道っぽいところを歩いていたら。
「魔王……?」
こっちを見ている、村人っぽい恰好の男がいた。
おっ、第一村人発見!
……とか言ってる場合じゃない。なんだか様子がおかしい。
俺を見て、声を上げて警戒している様子だ。
「魔王だ! 魔王が現れたぞ!」
「本当だ。人を呼べ!」
何か、ゲームで見たような展開だな。
村人Aが村人Bを呼んだ! 村人Bが村人Cを呼んだ! みたいな。どんどん増えてくやつ。
戦闘開始っぽい雰囲気なんだが。
仲間になりたくてこちらを見てるようにはとても見えないしな。
俺が魔王だって、すぐわかるもんなのか?
とりあえず、角とか牙は生えてないのはわかってる。真っ先に確かめたからな。
村人AからHに、あっという間に周りを取り囲まれた。H? 多くね? いやんエッチ!
……やべえな。早くもピンチじゃねえか。
ここで死んでも、自動で蘇生するようだが。死ぬほど痛いんだろうな。
くっそ、初っ端からついてねえな。
初期ラック値、低いのか、俺? 魔王だから、そりゃ神の祝福はないか。
こちらに敵意はないと示すには、下手に動かないほうがいいのか? ぼくはゆうこうてきなまおうだよ、みたいな。
「魔法を撃って来ない……?」
「MP切れか。弱ってるようだぞ」
「よし、今のうちに殺せ!」
くそ、そう来たか。
じりじりと、鋤や鍬を持った村人達が、距離を詰めてくる。
ろくな手入れをしてないようで錆びてるし。あれで攻撃されたら痛そうだ。
戦闘になったとしても、魔法を一切覚えてないレベル1の魔王じゃ何もできやしない。
見たところ、肉弾戦系のスキルも皆無だし。元々、デスクワークで格闘経験もない。
あ~あ、どうせならひと思いに、さくっとやってくんねえかな。
なぶり殺しとか、冗談じゃねえぞ。
†††
「やめたまえ、村人達よ」
凛とした、男の声が響いた。
「かわいそうに。怯えて、震えているではないか」
震えてねえし。いや、震えてるわ。布の服一枚じゃ寒い。
だって、雪が降ってるんだもん。
声のしたほうを見ると。
白い馬に乗った、騎士のような白い鎧を装備した男がいた。
風にひるがえる紅いマントもカッコイイ、金髪碧眼、超絶美形。
白馬に乗った王子様があらわれた!
魔王なのに、王子様が助けに現れるのかよ。どんなシナリオだ。……いや、甲冑だし、騎士様か?
あ、ステータス画面見えるわ。
ザコ敵はともかく、主要人物のキャラ設定だけはしてる感じか? どれどれ。
ピコーン、と音がして。
空中に、ゲームのステータス画面みたいなのが現れた。
名前:ユウキ
レベル:1
HP:10
MP:100
職業:魔王
性別:男
装備:布の服
所持品:10000モッコリ
スキル:魅了(パッシブ・男にのみ有効)、魅惑の瞳、全世界共通言語
備考:不老不死(自動リライブ)、えっちなからだ(ただし無垢)
†††
……何だこれ。
ステータス画面、だよな?
メールが来ています、と表示が出てたので、メールを開いてみる。
『言い忘れてたけど、レベル1だとまだ魔法は使えないよ☆ レベル上げ、ガンバ☆』
……だと……?
暗黒大魔神のクソヤロウ……! それを先に言え!
一気にレベル99とかチートサービスとかしてくんねえのかよ! ケチ!
HP10とかひっく! 低すぎじゃねえ!? スペランカー並みに弱いんじゃねえの? 転んだだけで即死しそうじゃねえか。
何だよ所持品の”モッコリ”って! いかがわしいニオイしかしねえよ! ナニに使うモンなんだよ!? ヤローには標準装備だよ!
それより”えっちなからだ”って何なんだよ!!! 意味わかんねー!
マジであいつしね!!!!!
心の中で散々悪態をついたら、なんか疲れた。
……もう、諦めよう。来てしまったもんは、仕方ないしな。
地道にレベル上げをしなければ。……文字通り、何も始まらない。
頑張らねば。早くレベルを上げて。
念願の、『手からビーム』を出せるようになるために。
†††
とりあえず、野原を出て。土を固めてできた道っぽいところを歩いていたら。
「魔王……?」
こっちを見ている、村人っぽい恰好の男がいた。
おっ、第一村人発見!
……とか言ってる場合じゃない。なんだか様子がおかしい。
俺を見て、声を上げて警戒している様子だ。
「魔王だ! 魔王が現れたぞ!」
「本当だ。人を呼べ!」
何か、ゲームで見たような展開だな。
村人Aが村人Bを呼んだ! 村人Bが村人Cを呼んだ! みたいな。どんどん増えてくやつ。
戦闘開始っぽい雰囲気なんだが。
仲間になりたくてこちらを見てるようにはとても見えないしな。
俺が魔王だって、すぐわかるもんなのか?
とりあえず、角とか牙は生えてないのはわかってる。真っ先に確かめたからな。
村人AからHに、あっという間に周りを取り囲まれた。H? 多くね? いやんエッチ!
……やべえな。早くもピンチじゃねえか。
ここで死んでも、自動で蘇生するようだが。死ぬほど痛いんだろうな。
くっそ、初っ端からついてねえな。
初期ラック値、低いのか、俺? 魔王だから、そりゃ神の祝福はないか。
こちらに敵意はないと示すには、下手に動かないほうがいいのか? ぼくはゆうこうてきなまおうだよ、みたいな。
「魔法を撃って来ない……?」
「MP切れか。弱ってるようだぞ」
「よし、今のうちに殺せ!」
くそ、そう来たか。
じりじりと、鋤や鍬を持った村人達が、距離を詰めてくる。
ろくな手入れをしてないようで錆びてるし。あれで攻撃されたら痛そうだ。
戦闘になったとしても、魔法を一切覚えてないレベル1の魔王じゃ何もできやしない。
見たところ、肉弾戦系のスキルも皆無だし。元々、デスクワークで格闘経験もない。
あ~あ、どうせならひと思いに、さくっとやってくんねえかな。
なぶり殺しとか、冗談じゃねえぞ。
†††
「やめたまえ、村人達よ」
凛とした、男の声が響いた。
「かわいそうに。怯えて、震えているではないか」
震えてねえし。いや、震えてるわ。布の服一枚じゃ寒い。
だって、雪が降ってるんだもん。
声のしたほうを見ると。
白い馬に乗った、騎士のような白い鎧を装備した男がいた。
風にひるがえる紅いマントもカッコイイ、金髪碧眼、超絶美形。
白馬に乗った王子様があらわれた!
魔王なのに、王子様が助けに現れるのかよ。どんなシナリオだ。……いや、甲冑だし、騎士様か?
あ、ステータス画面見えるわ。
ザコ敵はともかく、主要人物のキャラ設定だけはしてる感じか? どれどれ。
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