49 / 68
4
リラックス・ティータイム
しおりを挟む
徳田さんの家に招かれて、緑茶を頂く。
この香りと味。
日本を離れてからそんなに経ってないのに、懐かしく思う。
この家の家具とか、全体的な雰囲気が田舎のおじいちゃんの家に来たみたいで、心が落ち着くんだよな。
緑茶、依井にも飲ませてやりたいな。
きっと喜ぶだろう。
「この茶葉って、どこから仕入れてるんだろ?」
「ああ、それならゼフテラで栽培している紅茶用の茶葉を、発酵させる前に少し分けてもらってる」
「そうなんだ」
ゼノンが徳田さんの要望で発酵前の茶葉を手に入れて、茶摘みの時期に持ってきてくれるんだそうだ。優しいなあ。
っていうか、ゼノンもおじいちゃんみたいに思ってるのかも。
実家……テタルティの城にいた時よりもリラックスしてる感じだし。
*****
お茶を飲んで一息入れた後。
ゼノンがアナトリコで見つかった異世界人……依井の話をした。
それには徳田さんもびっくりしていた。
「まさか、自分と黒野君以外に、この世界に同郷の者が来ているとは……」
「いや、俺がスオウを連れてこちらに戻る際、彼を巻き込んでしまったようで……」
俺を攫ってったゼノンを追いかけた依井は、時空の歪みで、二年半前のカルデアポリに来てしまった。
アナトリコの奴隷商人に捕まって、農家に売られた依井が酷い扱いを受けたのも、自分のせいだと思って気にしているんだ。
全部が全部ゼノンのせいじゃないのに。
責任感が強すぎるよ。
それから、ノーティオでも見つかった異世界人の話。
それは俺がした。
またしても同じ世界から来たのに驚いて。
当時、イギリスは敵だったからか、ちょっとだけ厳しい顔をしたけど。
その人は保護されて、アドニスに身柄を預けられたと聞いて、それは良かったと安心していた。
かつての敵国民だったからって、相手の不幸を望むほど、徳田さんの心は歪んでない。
だからこそ、みんなから仙人って呼ばれて慕われてるんだろうな。
「しかし、異世界への道というのは、そんな頻繁に開くものなのか……」
うん、それは俺も思った。
「自分は今更日本へ帰りたいとは思わない。国に遺した家族もなく、黒野君に会えて国の様子も聞け、もう思い残すことはない。長年暮らしたこの地に骨を埋めるつもりだ。英国人もそうなるだろう。しかし、依井君はまだ若く家族もいる身か。さぞつらいだろう……」
こっちでも結婚はしなかったし。
儀式に強制参加させられなかったらしい。
徳田さんは、依井が少しでもここで暮らしやすいように、自分も協力したいと言ってくれた。
派遣教師として、家に来てくれるって。
「そしたら、俺も一緒に教わっていいですか?」
「ははは、この老骨が役立つなら喜んで」
徳田さんと握手して。
じゃあまた、とサヴァトを後にした。
*****
「ゼノン、あんまり一人で色々背負いこんじゃ駄目だよ。依井の件は、ゼノンのせいじゃない。俺だってあの時、依井にロミオなんだからジュリエットを助けに来い、とか思ってたし。むしろ俺のせいかも」
「……劇では、ヨリイはスオウの恋の相手役だったのか?」
「そうだけど。あくまでも劇、お芝居だからね?」
ロミオとジュリエットのおおまかな筋を説明した。
ゼノンにも理解不能な内容だったみたいだ。
年若いからといって、迂闊すぎる。何故、報告相談を密にしないのか謎だって。
だよねー。
「成程。それで、スオウに向かって”ジュリエット”と呼びかけていたのか」
「うん。でも結局、劇をやる前に主役二人が行方不明になっちゃったみたいだけどね」
あの後、学校は大騒ぎだっただろうな。
ジュリエットが、突如現れた謎のイヌミミイケメンに求愛されて、チューされて。
どこかに攫われてしまった上に。
二人を追い掛けたロミオまで消えちゃったんだから。
三角関係行方不明事件とか言われてたりして。
「そもそも、俺は無理矢理押し付けられたジュリエット役をやりたくなくてさ。中止にならないかなって思ってたくらいなんだ。それならちょうどいいだろ、って神様が思ったのかも」
何であのタイミングで異世界と繋がったのか。
今考えたら、俺の劇をやりたくない気持ちを、神様が尊重してくれちゃったのかもしれない。
*****
「嫌だったのか? ヨリイの相手が」
あからさまに嬉しそうな声を出すなっての。
「っていうか、女装して人前に立つのが嫌だったんだ」
アルギュロスの手綱を握っているゼノンの手が、びくりと揺れた。
見れば、ゼノンは気まずそうな顔をしていた。
「その……、今も、嫌なのか……?」
「そりゃ俺だって男だもん。女の格好させられて嬉しくはないよ。ハイヒールは歩きづらいしさ。でも、俺はゼノンの花嫁として扱われるなら、それなりの格好をしなきゃいけないってことは覚悟してる」
「では、公用でない時は、男性用の動きやすい服を注文しよう」
何で、生きるべきか死ぬべきか的な、苦渋の決断みたいな顔をしてるんだよ。
譲歩しようとしてくれるのは嬉しいけど。
「ゼノンはこういう格好した俺のこと、好きなんだ?」
「スオウはどのような格好でも変わらず美しいが、華麗に着飾った姿を見るのは好きだ」
この男、ツガイを見る目がどうにかしている……。
「男用の服より脱がせやすいし?」
「……ああ、そうだな」
えっろい顔しちゃって。
まだカルデアポリ出たばかりだよ?
「ふたりとも、いちゃいちゃするのはおうちでしてねー」
アルギュロスに注意された。
うう。
聞かれてた……。
ゼノンにアルギュロスが言ったことを通訳したら、じゃあ急いでくれ、だって。
欲望に忠実過ぎる。
本当に飛ぶスピードを上げられても。
ゼノンの力強い腕にぎゅっと抱き締められていたから怖くなかった。
*****
「アナトリコに続いて、ノーティオにも異世界からの客人がいらっしゃったんですか?」
帰りを待ちわびていたタキが、話を聞いて驚いている。
客人、なのかな?
それならイレギュラーな依井はともかく、徳田さんやモンタギューさんにも言葉のサービスをしてあげたっていいと思うけど。
それぞれツガイを見つけて、”ツガイの儀式”をしなくちゃ駄目とか?
俺も、それまでは言葉が通じなかったからなあ。
俺の場合、ゼノンの鼻が良かったから見つかったけど。
基本的に他の国に出ない人が相手だったら、見つけるのは難しいかも……。
この香りと味。
日本を離れてからそんなに経ってないのに、懐かしく思う。
この家の家具とか、全体的な雰囲気が田舎のおじいちゃんの家に来たみたいで、心が落ち着くんだよな。
緑茶、依井にも飲ませてやりたいな。
きっと喜ぶだろう。
「この茶葉って、どこから仕入れてるんだろ?」
「ああ、それならゼフテラで栽培している紅茶用の茶葉を、発酵させる前に少し分けてもらってる」
「そうなんだ」
ゼノンが徳田さんの要望で発酵前の茶葉を手に入れて、茶摘みの時期に持ってきてくれるんだそうだ。優しいなあ。
っていうか、ゼノンもおじいちゃんみたいに思ってるのかも。
実家……テタルティの城にいた時よりもリラックスしてる感じだし。
*****
お茶を飲んで一息入れた後。
ゼノンがアナトリコで見つかった異世界人……依井の話をした。
それには徳田さんもびっくりしていた。
「まさか、自分と黒野君以外に、この世界に同郷の者が来ているとは……」
「いや、俺がスオウを連れてこちらに戻る際、彼を巻き込んでしまったようで……」
俺を攫ってったゼノンを追いかけた依井は、時空の歪みで、二年半前のカルデアポリに来てしまった。
アナトリコの奴隷商人に捕まって、農家に売られた依井が酷い扱いを受けたのも、自分のせいだと思って気にしているんだ。
全部が全部ゼノンのせいじゃないのに。
責任感が強すぎるよ。
それから、ノーティオでも見つかった異世界人の話。
それは俺がした。
またしても同じ世界から来たのに驚いて。
当時、イギリスは敵だったからか、ちょっとだけ厳しい顔をしたけど。
その人は保護されて、アドニスに身柄を預けられたと聞いて、それは良かったと安心していた。
かつての敵国民だったからって、相手の不幸を望むほど、徳田さんの心は歪んでない。
だからこそ、みんなから仙人って呼ばれて慕われてるんだろうな。
「しかし、異世界への道というのは、そんな頻繁に開くものなのか……」
うん、それは俺も思った。
「自分は今更日本へ帰りたいとは思わない。国に遺した家族もなく、黒野君に会えて国の様子も聞け、もう思い残すことはない。長年暮らしたこの地に骨を埋めるつもりだ。英国人もそうなるだろう。しかし、依井君はまだ若く家族もいる身か。さぞつらいだろう……」
こっちでも結婚はしなかったし。
儀式に強制参加させられなかったらしい。
徳田さんは、依井が少しでもここで暮らしやすいように、自分も協力したいと言ってくれた。
派遣教師として、家に来てくれるって。
「そしたら、俺も一緒に教わっていいですか?」
「ははは、この老骨が役立つなら喜んで」
徳田さんと握手して。
じゃあまた、とサヴァトを後にした。
*****
「ゼノン、あんまり一人で色々背負いこんじゃ駄目だよ。依井の件は、ゼノンのせいじゃない。俺だってあの時、依井にロミオなんだからジュリエットを助けに来い、とか思ってたし。むしろ俺のせいかも」
「……劇では、ヨリイはスオウの恋の相手役だったのか?」
「そうだけど。あくまでも劇、お芝居だからね?」
ロミオとジュリエットのおおまかな筋を説明した。
ゼノンにも理解不能な内容だったみたいだ。
年若いからといって、迂闊すぎる。何故、報告相談を密にしないのか謎だって。
だよねー。
「成程。それで、スオウに向かって”ジュリエット”と呼びかけていたのか」
「うん。でも結局、劇をやる前に主役二人が行方不明になっちゃったみたいだけどね」
あの後、学校は大騒ぎだっただろうな。
ジュリエットが、突如現れた謎のイヌミミイケメンに求愛されて、チューされて。
どこかに攫われてしまった上に。
二人を追い掛けたロミオまで消えちゃったんだから。
三角関係行方不明事件とか言われてたりして。
「そもそも、俺は無理矢理押し付けられたジュリエット役をやりたくなくてさ。中止にならないかなって思ってたくらいなんだ。それならちょうどいいだろ、って神様が思ったのかも」
何であのタイミングで異世界と繋がったのか。
今考えたら、俺の劇をやりたくない気持ちを、神様が尊重してくれちゃったのかもしれない。
*****
「嫌だったのか? ヨリイの相手が」
あからさまに嬉しそうな声を出すなっての。
「っていうか、女装して人前に立つのが嫌だったんだ」
アルギュロスの手綱を握っているゼノンの手が、びくりと揺れた。
見れば、ゼノンは気まずそうな顔をしていた。
「その……、今も、嫌なのか……?」
「そりゃ俺だって男だもん。女の格好させられて嬉しくはないよ。ハイヒールは歩きづらいしさ。でも、俺はゼノンの花嫁として扱われるなら、それなりの格好をしなきゃいけないってことは覚悟してる」
「では、公用でない時は、男性用の動きやすい服を注文しよう」
何で、生きるべきか死ぬべきか的な、苦渋の決断みたいな顔をしてるんだよ。
譲歩しようとしてくれるのは嬉しいけど。
「ゼノンはこういう格好した俺のこと、好きなんだ?」
「スオウはどのような格好でも変わらず美しいが、華麗に着飾った姿を見るのは好きだ」
この男、ツガイを見る目がどうにかしている……。
「男用の服より脱がせやすいし?」
「……ああ、そうだな」
えっろい顔しちゃって。
まだカルデアポリ出たばかりだよ?
「ふたりとも、いちゃいちゃするのはおうちでしてねー」
アルギュロスに注意された。
うう。
聞かれてた……。
ゼノンにアルギュロスが言ったことを通訳したら、じゃあ急いでくれ、だって。
欲望に忠実過ぎる。
本当に飛ぶスピードを上げられても。
ゼノンの力強い腕にぎゅっと抱き締められていたから怖くなかった。
*****
「アナトリコに続いて、ノーティオにも異世界からの客人がいらっしゃったんですか?」
帰りを待ちわびていたタキが、話を聞いて驚いている。
客人、なのかな?
それならイレギュラーな依井はともかく、徳田さんやモンタギューさんにも言葉のサービスをしてあげたっていいと思うけど。
それぞれツガイを見つけて、”ツガイの儀式”をしなくちゃ駄目とか?
俺も、それまでは言葉が通じなかったからなあ。
俺の場合、ゼノンの鼻が良かったから見つかったけど。
基本的に他の国に出ない人が相手だったら、見つけるのは難しいかも……。
3
お気に入りに追加
1,260
あなたにおすすめの小説
【完結】第三王子は、自由に踊りたい。〜豹の獣人と、第一王子に言い寄られてますが、僕は一体どうすればいいでしょうか?〜
N2O
BL
気弱で不憫属性の第三王子が、二人の男から寵愛を受けるはなし。
表紙絵
⇨元素 様 X(@10loveeeyy)
※独自設定、ご都合主義です。
※ハーレム要素を予定しています。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
小学生のゲーム攻略相談にのっていたつもりだったのに、小学生じゃなく異世界の王子さま(イケメン)でした(涙)
九重
BL
大学院修了の年になったが就職できない今どきの学生 坂上 由(ゆう) 男 24歳。
半引きこもり状態となりネットに逃げた彼が見つけたのは【よろず相談サイト】という相談サイトだった。
そこで出会ったアディという小学生? の相談に乗っている間に、由はとんでもない状態に引きずり込まれていく。
これは、知らない間に異世界の国家育成にかかわり、あげく異世界に召喚され、そこで様々な国家の問題に突っ込みたくない足を突っ込み、思いもよらぬ『好意』を得てしまった男の奮闘記である。
注:主人公は女の子が大好きです。それが苦手な方はバックしてください。
*ずいぶん前に、他サイトで公開していた作品の再掲載です。(当時のタイトル「よろず相談サイト」)
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。
僕だけの番
五珠 izumi
BL
人族、魔人族、獣人族が住む世界。
その中の獣人族にだけ存在する番。
でも、番には滅多に出会うことはないと言われていた。
僕は鳥の獣人で、いつの日か番に出会うことを夢見ていた。だから、これまで誰も好きにならず恋もしてこなかった。
それほどまでに求めていた番に、バイト中めぐり逢えたんだけれど。
出会った番は同性で『番』を認知できない人族だった。
そのうえ、彼には恋人もいて……。
後半、少し百合要素も含みます。苦手な方はお気をつけ下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる