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ケダモノたちの夜
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係の人に案内されて、部屋に入る。
ホテルの最上階、特別室は3部屋あって。
一番いい部屋はレオニダス王が抑えたらしくて、ホテルの人が謝ってたけど。
それはしょうがないと思う。
王様だもん。
王族が一か所にこんなに集まるって、かなり珍しいことだろうし。
案内された部屋も、充分豪華だった。
シャワーもついてるようだし。
ドアの傍には警備の人のための控え室まであるので、タキとノエは今回そこに泊まるようだ。
*****
抱き上げられたまま、一番奥にある寝室のベッドまで運ばれて。
そっと寝かされて。
優しく頭を撫でられる。
「疲れたか。このまま寝るか? 身体は? 拭いてやろうか」
「いや、さすがにお腹すいちゃったかな」
目をぱっちりと開いてみせて。
にやっと笑いながら、ゼノンを見上げる。
それで、眠そうにしていたのがお芝居だと気付いたようだ。
「成程。気遣わせてしまったようだ。つくづく心の狭い伴侶ですまない……」
レストランで食事をしたかったか、と問われたけど。
「いや、王様とかに囲まれた状態で食事とか、さすがに落ち着かないよ……」
レオニダス王もアドニスも、親しく接してくれてるけど。
一国の王様とか、国の代表だもんね。
ご飯くらい、落ち着いて食べたい。
ゼノンも王子様だけど。
俺のツガイだし、一緒にいて緊張はしない。
ルームサービスで食事を運んでもらって、二人きりで食べた。
ゼノンが嬉しそうだったので、俺も嬉しい。
食事を終えて。
だいたい、午後9時頃になるのかな?
まだ寝るには早い時間だ。
のんびりシャワーを浴びていたら。案の定、というか。
ゼノンが乱入してきた。
「念入りに、匂いをつけておきたい」
周囲は敵だらけだし、自分のものだと示したいらしい。
敵って……。
「もう、今洗ったとこなのに」
文句を言いつつも、ゼノンの唇を受け入れた。
ゼノンのことを好きだと自覚したら。
触れ合うのも、もっと気持ち良く感じるようになった。
ツガイの儀式によって、こちらの世界に適応するよう細胞が変化したみたいなことを言ってたけど。
ツガイと相性が合うように変わったって感じがする。
それに、ゼノンの唾液とか精液には媚薬みたいな効果があるんじゃないのかって思う。
キスも、すごく気持ち良い。うっとりしてしまう。
*****
「……は、ん、」
くちゅくちゅと音を立てて、舌が動き回る。
上顎や、歯の裏を舐められるのにもぞくそくしてしまう。
絡められる舌も、甘いような気がする。
片足を持ち上げられて。
先走りでぬるついたもので、後ろをつつかれた。
このまま、風呂場でするの? まだ香油で慣らしてもらってないのに。
「あ、まだ無理、」
「だが、ここは充分柔らかいぞ?」
先端が、めり込んでるのがわかる。
確かに、痛みはない。
朝方まで、いっぱいされてたから?
……あ、入ってくる。
「ひ、あ、ああっ、」
先走りを噴き上げながら、入って来た。
濡れてるから、痛くは無いけど。
まだ、心の準備が。
「ほら、美味そうに呑み込んでいく……」
ゼノンは嬉しそうに目を細めて。
腰を突き上げてくる。
ほんとイケメンだなあ、と思ってドキドキしてしまう。
男は守備範囲じゃなかったのに。
でもゼノンは別次元で綺麗な男だと思う。
浅黒い、張りのある肌も、凛々しい眉、綺麗な金茶の目も。
鼻が高くて整った顔立ちも、普段は上げて整えてあるプラチナの髪が乱れて落ちてる姿も。彫刻みたいに立派な身体も。
みんな好きだと思う。
こんなどこもかしこも完璧な、芸術品みたいに綺麗な男が自分に夢中だと思うと。
何だか誇らしい気分になるんだ。
*****
「ひゃ、」
背中に、タイルのひやりとした感触。
「ここじゃやだ。ベッドが良い、」
「そうだな。ここでしたら、夢中になって風邪をひいてしまう」
そう微笑んで。
ざっとシャワーを浴びて、汚れを洗い流した後。
「ひっ!?」
ゼノンは、入れたままの状態で、歩き出した。
骨が入ってて固いからって、無茶するなよ!
歩くたびに、突き上げられるようで。
「ゆ、揺するなって、あっ、やぁ、」
ゼノンは、自分の水気は身体を震わせて飛ばして。
タオルで丁寧に俺のしっぽの水気を拭いながら、寝室へ向かった。
「……凄いな。そんなに悦かったか?」
ゼノンは、自分のお腹に跳んだ俺の精液を見て、にやりと笑った。
壮絶なまでに色っぽい。
「だが、まだまだこれからだ……」
完全に、獲物を捕らえた捕食者の目をしている。
今から、この美しい獣に喰われると思うと。ぞくぞくする。
全身を舐め回されて。めちゃくちゃに内臓を掻き回されて。
骨も残さずしゃぶりつくされるんだ。
「あ……、」
俺の上半身を仰向けにベッドに乗せて。下半身は、宙に浮いた状態。
両足を抱え上げられて。
お腹の中を、固いので掻き回された。
*****
「はぁ、……は、」
呼吸をする度に、胸が上下しているのが視界に入る。
ぽこんと膨らんだように見えるお腹も。
うわ、中、いっぱい出てる……。
ゼノンは満足そうに、ゼノンに貫かれて膨らんだように見えるお腹を撫でている。
こっちの男はみんな、相手のお腹を自分だけの子種で満たしたい、っていう本能があるようだけど。
俺はそう思わないな。
今のところ、そういう衝動は起きない。
それよりお腹の中、いっぱい出されたら気持ち良いって思うし。
男なのに、メスにされちゃったのかな?
猫の出産って特殊らしいし、種族の違いかな?
性器のトゲトゲで刺激して、排卵を促すとか何とか。
そう考えると、このトゲって無意味っていうか無用の長物だな……。
「ふにゃあ!?」
ぼーっと自分の性器を見てたら、ゼノンがトゲを逆なでした。
無意味でもないかも。
性感帯だこれ。
気持ち良い。
「……弄って欲しそうだったが。嫌だったか?」
嫌じゃないから困るんだよ。
これじゃ、いつまでも終わらないじゃん!
ホテルの最上階、特別室は3部屋あって。
一番いい部屋はレオニダス王が抑えたらしくて、ホテルの人が謝ってたけど。
それはしょうがないと思う。
王様だもん。
王族が一か所にこんなに集まるって、かなり珍しいことだろうし。
案内された部屋も、充分豪華だった。
シャワーもついてるようだし。
ドアの傍には警備の人のための控え室まであるので、タキとノエは今回そこに泊まるようだ。
*****
抱き上げられたまま、一番奥にある寝室のベッドまで運ばれて。
そっと寝かされて。
優しく頭を撫でられる。
「疲れたか。このまま寝るか? 身体は? 拭いてやろうか」
「いや、さすがにお腹すいちゃったかな」
目をぱっちりと開いてみせて。
にやっと笑いながら、ゼノンを見上げる。
それで、眠そうにしていたのがお芝居だと気付いたようだ。
「成程。気遣わせてしまったようだ。つくづく心の狭い伴侶ですまない……」
レストランで食事をしたかったか、と問われたけど。
「いや、王様とかに囲まれた状態で食事とか、さすがに落ち着かないよ……」
レオニダス王もアドニスも、親しく接してくれてるけど。
一国の王様とか、国の代表だもんね。
ご飯くらい、落ち着いて食べたい。
ゼノンも王子様だけど。
俺のツガイだし、一緒にいて緊張はしない。
ルームサービスで食事を運んでもらって、二人きりで食べた。
ゼノンが嬉しそうだったので、俺も嬉しい。
食事を終えて。
だいたい、午後9時頃になるのかな?
まだ寝るには早い時間だ。
のんびりシャワーを浴びていたら。案の定、というか。
ゼノンが乱入してきた。
「念入りに、匂いをつけておきたい」
周囲は敵だらけだし、自分のものだと示したいらしい。
敵って……。
「もう、今洗ったとこなのに」
文句を言いつつも、ゼノンの唇を受け入れた。
ゼノンのことを好きだと自覚したら。
触れ合うのも、もっと気持ち良く感じるようになった。
ツガイの儀式によって、こちらの世界に適応するよう細胞が変化したみたいなことを言ってたけど。
ツガイと相性が合うように変わったって感じがする。
それに、ゼノンの唾液とか精液には媚薬みたいな効果があるんじゃないのかって思う。
キスも、すごく気持ち良い。うっとりしてしまう。
*****
「……は、ん、」
くちゅくちゅと音を立てて、舌が動き回る。
上顎や、歯の裏を舐められるのにもぞくそくしてしまう。
絡められる舌も、甘いような気がする。
片足を持ち上げられて。
先走りでぬるついたもので、後ろをつつかれた。
このまま、風呂場でするの? まだ香油で慣らしてもらってないのに。
「あ、まだ無理、」
「だが、ここは充分柔らかいぞ?」
先端が、めり込んでるのがわかる。
確かに、痛みはない。
朝方まで、いっぱいされてたから?
……あ、入ってくる。
「ひ、あ、ああっ、」
先走りを噴き上げながら、入って来た。
濡れてるから、痛くは無いけど。
まだ、心の準備が。
「ほら、美味そうに呑み込んでいく……」
ゼノンは嬉しそうに目を細めて。
腰を突き上げてくる。
ほんとイケメンだなあ、と思ってドキドキしてしまう。
男は守備範囲じゃなかったのに。
でもゼノンは別次元で綺麗な男だと思う。
浅黒い、張りのある肌も、凛々しい眉、綺麗な金茶の目も。
鼻が高くて整った顔立ちも、普段は上げて整えてあるプラチナの髪が乱れて落ちてる姿も。彫刻みたいに立派な身体も。
みんな好きだと思う。
こんなどこもかしこも完璧な、芸術品みたいに綺麗な男が自分に夢中だと思うと。
何だか誇らしい気分になるんだ。
*****
「ひゃ、」
背中に、タイルのひやりとした感触。
「ここじゃやだ。ベッドが良い、」
「そうだな。ここでしたら、夢中になって風邪をひいてしまう」
そう微笑んで。
ざっとシャワーを浴びて、汚れを洗い流した後。
「ひっ!?」
ゼノンは、入れたままの状態で、歩き出した。
骨が入ってて固いからって、無茶するなよ!
歩くたびに、突き上げられるようで。
「ゆ、揺するなって、あっ、やぁ、」
ゼノンは、自分の水気は身体を震わせて飛ばして。
タオルで丁寧に俺のしっぽの水気を拭いながら、寝室へ向かった。
「……凄いな。そんなに悦かったか?」
ゼノンは、自分のお腹に跳んだ俺の精液を見て、にやりと笑った。
壮絶なまでに色っぽい。
「だが、まだまだこれからだ……」
完全に、獲物を捕らえた捕食者の目をしている。
今から、この美しい獣に喰われると思うと。ぞくぞくする。
全身を舐め回されて。めちゃくちゃに内臓を掻き回されて。
骨も残さずしゃぶりつくされるんだ。
「あ……、」
俺の上半身を仰向けにベッドに乗せて。下半身は、宙に浮いた状態。
両足を抱え上げられて。
お腹の中を、固いので掻き回された。
*****
「はぁ、……は、」
呼吸をする度に、胸が上下しているのが視界に入る。
ぽこんと膨らんだように見えるお腹も。
うわ、中、いっぱい出てる……。
ゼノンは満足そうに、ゼノンに貫かれて膨らんだように見えるお腹を撫でている。
こっちの男はみんな、相手のお腹を自分だけの子種で満たしたい、っていう本能があるようだけど。
俺はそう思わないな。
今のところ、そういう衝動は起きない。
それよりお腹の中、いっぱい出されたら気持ち良いって思うし。
男なのに、メスにされちゃったのかな?
猫の出産って特殊らしいし、種族の違いかな?
性器のトゲトゲで刺激して、排卵を促すとか何とか。
そう考えると、このトゲって無意味っていうか無用の長物だな……。
「ふにゃあ!?」
ぼーっと自分の性器を見てたら、ゼノンがトゲを逆なでした。
無意味でもないかも。
性感帯だこれ。
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