18 / 38
45歳童貞、異世界へ行く
俺氏、剣術指南役から目を付けられる。
しおりを挟む
皇妃様が見学に来てるって! 美人!? 美人か!? などと期待させてしまったようですまない。
本当に皇妃なんだけど。
この姿じゃ、信じられないか……。
大きな盾とグラディウスを持ち、魚のような兜を被っているのは魚兜闘士 だ。そのまんまだね。
顔を出しているのは網闘士だな。
鎧は肩を覆うガレールスだけで、網や銛、とどめ用の短剣で戦う。
素顔をさらすので、だいたい見目のいい若者がやるとか。
みんな、ほぼ裸に革靴だ。
でも、犬人にあるべきものが見えないことに気付いた。
「何で皆、しっぽ短いの?」
「ああ、弱点ですからねぇ。掴まれないよう、切り落としちまうんですよ」
がはは、と豪快に笑ってるけど。笑えないよ!
ひえええ。
思わず自分のしっぽを抱きかかえる。
闘技会は神に奉げる試合なので、真剣を使って戦うから大怪我することもあるし、練習でも生傷が絶えないようだ。
命がけだな。
ここの剣闘士は奴隷じゃないけど。
パロスになれば、大金をもらえるから、みんな頑張っているようだ。
剣闘士の序列は剣術指南役、自由剣闘士、武装剣闘士、熟練剣闘士、訓練生の順に称号があり、パロスは筆頭剣闘士、次席剣闘士と続き、第三から第八まである。
それでも、パロスまで行けるのは、限られた強者だけだ。
*****
「……あれ?」
「どうしました?」
灰色の髪に、眼帯の男。ほぼ裸の人たちの中、服を身に着けていて。
しっぽは長い。
その一人だけ、動きが全然違った。
「あの眼帯の人、すごい強そう」
指し示すと。
「ああ、ドクトレのルプスですか。さすがお目が高い! あの男は強いですよ」
騎士長官のテンションが上がった。
騎士長官も名前を知ってるレベルの人なんだ。
剣術指南役のルプス、か。
引退した剣闘士とは思えないくらい、ギラギラした感じがするけどなあ。
うわあ。
剣闘士レベルMAXだ……。290歳か。
MAX同士だけど、ガイウスとどっちが強いんだろ?
「先の戦いでも、かなりの戦功を上げたので、陛下も司令官にならないかと誘われたんですが。自分にはこっちの世界がお似合いだと剣闘士に戻り、目を怪我してから引退して。ドクトレになったんですよ」
おお。
孤高の剣闘士……。
「ルプス殿!」
騎士長官が声を掛けると、こちらに来た。
「おお、オクタ……騎士長官殿ではないか。久しぶりだな。その子は?」
「この方は、我がアルバ帝国筆頭魔術師で、陛下のツガイであらせられるぞ。頭が高い」
偉そうに言った。
「ふ、また冗談ばかり……、」
軽口を叩くような仲なんだ、とほっこりしていたら。
「っ!?」
ルプスは、俺を見た途端、真顔になり。
剣を構えた。
「それは、魔王ではないか!?」
え? バレた!?
何で!?
*****
「はあ?」
騎士長官は呆れた声を出したけど。
ルプスは警戒したままで。
「子供には持ちえぬ、とてつもない魔力を感じるぞ。……特級魔術師どころではあるまい。さらに上……かつて封じられた魔王、いやそれ以上ではないか?」
うわ、鑑定眼持ちだ。
断言しないあたり、職業とか、詳細は見れないんだろうけど。
魔力レベルとかは見えるようだ。無限大だもんな……。
「この方は、神のお力により異界から召喚された魔術師で、子供の姿をされているだけだ。……カナメ様、」
こっちを見た。
大人の姿を見せた方がいい、ということだろう。
うん、と頷いて。
騎士長官の肩から降りる。
「おぺら-てぃお・あえたす、ゆべんとす」
青年の姿になると。
ヒューッ、と口笛が。
美人! 美人の狐ちゃんだ! と剣闘士たちが騒いでいる。
ええ……、美人? この顔、イケメンじゃないの?
ルプスはギロリと後ろを振り返り、剣闘士たちに命じた。
「貴様等全員、コロッセオ10週! 直ちにだ!」
わあ、鬼教官だー。
*****
異世界では、30まで清らかな身体だと魔法使い、35だと大魔法使いになる。
40になってもそうだと魔道士、45で大魔道士になるのだと言い訳をした。
ルプスには、同情だか哀れみだか憐憫だかが複雑に入り混じった、何とも微妙な顔をされて。
騎士長官にまで微妙な顔をされた。
童貞なのは真実なので、悲しい。
「皇妃様に大変な無礼を働き、まことに申し訳ない……。考えてみれば、魔王であれば、あのガイウス陛下が見逃すはずもありませんでした」
頭を下げられた。
いや、本当は、魔王なのは事実なんだけども。
「気にしないで。いいから」
「何故、子供の姿で?」
ルプスに訊かれて。
「そういやそうだ。……持ち運びやすいから?」
騎士長官も俺を見た。
確かによく持ち運ばれてるけども。
「だってこの姿だと、ガイウスがすぐえっちなことす……、な、何でもないです!」
うっかり正直に言ってしまい、恥ずかしくなって、しっぽで顔を覆う。
散々からかわれた後。
騎士長官とルプスが近況報告とかし合って。
何で俺を魔王だと思ったか、という話になった。
「この国には現在、強力な魔法を使う魔術師がいないのに、気付かれましたか?」
ルプスに訊かれて。
「そうなの?」
騎士長官を見たら、頷いた。
ガイウスも元素魔法や黒魔法を使うし、神祇官も白魔法と神聖魔法、騎士長官も元素魔法と低レベルだけど次元魔法を持ってるから。
魔法を使う人は普通にいっぱい居るのかと思った。
でも、今、魔術師を職業としている人は居ないそうだ。
*****
アルバ帝国は今年でちょうど、建国百年になるらしい。
それまでに他の国を制圧したり、吸収したりする際には、数人の魔術師がガイウスのサポートをしていた。
その内の一人が、建国後も戦いを求め、己の力に酔い、より強い力を求めるようになって。
他の魔術師の魔力を奪い取って”魔王”になったという。
ガイウスをはじめ、騎士長官やルプス達も応戦したが。
かなりの強敵で。
しばらく膠着状態が続いた。
次元魔法の使い手が、自分の命と引き換えに、魔王を別の世界に送ったが。
魔王は『百年後に必ず戻ってくる。その時、この国は終わりだと思え』と言い残して消えた。
「カナメ様からは、そやつ以上の魔力を感じたもので、つい勘違いを……」
「えっ、じゃあもうすぐその人、戻って来ちゃうかもしれないの!? 危険じゃん! 修行しなきゃ!」
今まで魔法を使わないような平和な世界に居たので、戦い慣れてないし。
魔法も全部把握してる訳じゃない、と言うと。
「このルプスでよろしければ、魔術の指南をさせていただけませんか?」
と申し出た。
命と引き換えに次元魔法を使ったのは、ルプスの親友だったという。
なので、自分も魔法には多少心得があるというけど。
……多少……?
ルプス・ポンペイウス・マグヌス・モルス 性別:男 年齢:290歳 状態:高揚
職業:剣術指南役/剣闘士レベルMAX
HP9500/10000 MP725/850
スキル:元素魔法レベル80・次元魔法レベル80・黒魔法レベル80・神聖魔法レベル30、体術・剣技レベルMAX、犬属共通言語、乗馬、登攀、探知、心眼、鑑定
装備:剣闘士のチュニック・剣闘士のマント・剣闘士の靴・木剣・肌着・財布
所持金:3アウレ10デナリ60セス
備考:毒耐性、麻痺耐性、呪い耐性、精神魔法無効
称号:熊殺し、月桂冠を掲げる者、元筆頭百人隊長
多少って何だっけ?
けっこう色々使えてない?
添え名が死神って……。熊殺し……。こわっ。
「じゃあ、お願いします……」
本当に皇妃なんだけど。
この姿じゃ、信じられないか……。
大きな盾とグラディウスを持ち、魚のような兜を被っているのは魚兜闘士 だ。そのまんまだね。
顔を出しているのは網闘士だな。
鎧は肩を覆うガレールスだけで、網や銛、とどめ用の短剣で戦う。
素顔をさらすので、だいたい見目のいい若者がやるとか。
みんな、ほぼ裸に革靴だ。
でも、犬人にあるべきものが見えないことに気付いた。
「何で皆、しっぽ短いの?」
「ああ、弱点ですからねぇ。掴まれないよう、切り落としちまうんですよ」
がはは、と豪快に笑ってるけど。笑えないよ!
ひえええ。
思わず自分のしっぽを抱きかかえる。
闘技会は神に奉げる試合なので、真剣を使って戦うから大怪我することもあるし、練習でも生傷が絶えないようだ。
命がけだな。
ここの剣闘士は奴隷じゃないけど。
パロスになれば、大金をもらえるから、みんな頑張っているようだ。
剣闘士の序列は剣術指南役、自由剣闘士、武装剣闘士、熟練剣闘士、訓練生の順に称号があり、パロスは筆頭剣闘士、次席剣闘士と続き、第三から第八まである。
それでも、パロスまで行けるのは、限られた強者だけだ。
*****
「……あれ?」
「どうしました?」
灰色の髪に、眼帯の男。ほぼ裸の人たちの中、服を身に着けていて。
しっぽは長い。
その一人だけ、動きが全然違った。
「あの眼帯の人、すごい強そう」
指し示すと。
「ああ、ドクトレのルプスですか。さすがお目が高い! あの男は強いですよ」
騎士長官のテンションが上がった。
騎士長官も名前を知ってるレベルの人なんだ。
剣術指南役のルプス、か。
引退した剣闘士とは思えないくらい、ギラギラした感じがするけどなあ。
うわあ。
剣闘士レベルMAXだ……。290歳か。
MAX同士だけど、ガイウスとどっちが強いんだろ?
「先の戦いでも、かなりの戦功を上げたので、陛下も司令官にならないかと誘われたんですが。自分にはこっちの世界がお似合いだと剣闘士に戻り、目を怪我してから引退して。ドクトレになったんですよ」
おお。
孤高の剣闘士……。
「ルプス殿!」
騎士長官が声を掛けると、こちらに来た。
「おお、オクタ……騎士長官殿ではないか。久しぶりだな。その子は?」
「この方は、我がアルバ帝国筆頭魔術師で、陛下のツガイであらせられるぞ。頭が高い」
偉そうに言った。
「ふ、また冗談ばかり……、」
軽口を叩くような仲なんだ、とほっこりしていたら。
「っ!?」
ルプスは、俺を見た途端、真顔になり。
剣を構えた。
「それは、魔王ではないか!?」
え? バレた!?
何で!?
*****
「はあ?」
騎士長官は呆れた声を出したけど。
ルプスは警戒したままで。
「子供には持ちえぬ、とてつもない魔力を感じるぞ。……特級魔術師どころではあるまい。さらに上……かつて封じられた魔王、いやそれ以上ではないか?」
うわ、鑑定眼持ちだ。
断言しないあたり、職業とか、詳細は見れないんだろうけど。
魔力レベルとかは見えるようだ。無限大だもんな……。
「この方は、神のお力により異界から召喚された魔術師で、子供の姿をされているだけだ。……カナメ様、」
こっちを見た。
大人の姿を見せた方がいい、ということだろう。
うん、と頷いて。
騎士長官の肩から降りる。
「おぺら-てぃお・あえたす、ゆべんとす」
青年の姿になると。
ヒューッ、と口笛が。
美人! 美人の狐ちゃんだ! と剣闘士たちが騒いでいる。
ええ……、美人? この顔、イケメンじゃないの?
ルプスはギロリと後ろを振り返り、剣闘士たちに命じた。
「貴様等全員、コロッセオ10週! 直ちにだ!」
わあ、鬼教官だー。
*****
異世界では、30まで清らかな身体だと魔法使い、35だと大魔法使いになる。
40になってもそうだと魔道士、45で大魔道士になるのだと言い訳をした。
ルプスには、同情だか哀れみだか憐憫だかが複雑に入り混じった、何とも微妙な顔をされて。
騎士長官にまで微妙な顔をされた。
童貞なのは真実なので、悲しい。
「皇妃様に大変な無礼を働き、まことに申し訳ない……。考えてみれば、魔王であれば、あのガイウス陛下が見逃すはずもありませんでした」
頭を下げられた。
いや、本当は、魔王なのは事実なんだけども。
「気にしないで。いいから」
「何故、子供の姿で?」
ルプスに訊かれて。
「そういやそうだ。……持ち運びやすいから?」
騎士長官も俺を見た。
確かによく持ち運ばれてるけども。
「だってこの姿だと、ガイウスがすぐえっちなことす……、な、何でもないです!」
うっかり正直に言ってしまい、恥ずかしくなって、しっぽで顔を覆う。
散々からかわれた後。
騎士長官とルプスが近況報告とかし合って。
何で俺を魔王だと思ったか、という話になった。
「この国には現在、強力な魔法を使う魔術師がいないのに、気付かれましたか?」
ルプスに訊かれて。
「そうなの?」
騎士長官を見たら、頷いた。
ガイウスも元素魔法や黒魔法を使うし、神祇官も白魔法と神聖魔法、騎士長官も元素魔法と低レベルだけど次元魔法を持ってるから。
魔法を使う人は普通にいっぱい居るのかと思った。
でも、今、魔術師を職業としている人は居ないそうだ。
*****
アルバ帝国は今年でちょうど、建国百年になるらしい。
それまでに他の国を制圧したり、吸収したりする際には、数人の魔術師がガイウスのサポートをしていた。
その内の一人が、建国後も戦いを求め、己の力に酔い、より強い力を求めるようになって。
他の魔術師の魔力を奪い取って”魔王”になったという。
ガイウスをはじめ、騎士長官やルプス達も応戦したが。
かなりの強敵で。
しばらく膠着状態が続いた。
次元魔法の使い手が、自分の命と引き換えに、魔王を別の世界に送ったが。
魔王は『百年後に必ず戻ってくる。その時、この国は終わりだと思え』と言い残して消えた。
「カナメ様からは、そやつ以上の魔力を感じたもので、つい勘違いを……」
「えっ、じゃあもうすぐその人、戻って来ちゃうかもしれないの!? 危険じゃん! 修行しなきゃ!」
今まで魔法を使わないような平和な世界に居たので、戦い慣れてないし。
魔法も全部把握してる訳じゃない、と言うと。
「このルプスでよろしければ、魔術の指南をさせていただけませんか?」
と申し出た。
命と引き換えに次元魔法を使ったのは、ルプスの親友だったという。
なので、自分も魔法には多少心得があるというけど。
……多少……?
ルプス・ポンペイウス・マグヌス・モルス 性別:男 年齢:290歳 状態:高揚
職業:剣術指南役/剣闘士レベルMAX
HP9500/10000 MP725/850
スキル:元素魔法レベル80・次元魔法レベル80・黒魔法レベル80・神聖魔法レベル30、体術・剣技レベルMAX、犬属共通言語、乗馬、登攀、探知、心眼、鑑定
装備:剣闘士のチュニック・剣闘士のマント・剣闘士の靴・木剣・肌着・財布
所持金:3アウレ10デナリ60セス
備考:毒耐性、麻痺耐性、呪い耐性、精神魔法無効
称号:熊殺し、月桂冠を掲げる者、元筆頭百人隊長
多少って何だっけ?
けっこう色々使えてない?
添え名が死神って……。熊殺し……。こわっ。
「じゃあ、お願いします……」
17
お気に入りに追加
1,177
あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!
月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。
そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。
新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ――――
自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。
天啓です! と、アルムは――――
表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。


最強陛下の育児論〜5歳児の娘に振り回されているが、でもやっぱり可愛くて許してしまうのはどうしたらいいものか〜
楠ノ木雫
ファンタジー
孤児院で暮らしていた女の子リンティの元へ、とある男達が訪ねてきた。その者達が所持していたものには、この国の紋章が刻まれていた。そう、この国の皇城から来た者達だった。その者達は、この国の皇女を捜しに来ていたようで、リンティを見た瞬間間違いなく彼女が皇女だと言い出した。
言い合いになってしまったが、リンティは皇城に行く事に。だが、この国の皇帝の二つ名が〝冷血の最強皇帝〟。そして、タイミング悪く首を撥ねている瞬間を目の当たりに。
こんな無慈悲の皇帝が自分の父。そんな事実が信じられないリンティ。だけど、あれ? 皇帝が、ぬいぐるみをプレゼントしてくれた?
リンティがこの城に来てから、どんどん皇帝がおかしくなっていく姿を目の当たりにする周りの者達も困惑。一体どうなっているのだろうか?
※他の投稿サイトにも掲載しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。
下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。
豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。
小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる