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好奇心はネコを殺すのだ。
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『ふう、』
背後から、満足そうな吐息。
……終わった?
いや、でも。
まだ。
腹が、きついくらいに大きくなって。……苦しいんだが。
『俺のコレ。中で瘤状に膨らんで、全部出し切るまで抜けないから。ミヅキの腹ん中、たっぷり注いでやるからな?』
……何だと!?
そういえば。
近所の人が、散歩中に、犬同士が交尾を始めてしまって。
犬は、妊娠を確実にさせるために、抜けないよう性器が瘤状に膨らむので、こうなったらもうなかなか抜けない、とかいう話をしていたような。
まさか、オオカミも。
狼人間なランディの性器もそうなのか!?
後悔先に立たず。
セックスというのは、軽い気持ちでしていいことではないのだと、充分思い知った。
精液を出し切るまで、ランディの凶悪に太くなったモノは、本当に抜けなかった。
精液は、確かにキスよりも俺を満たしてくれたのだが。
明け方になっても、それは外れなくて。
その上、たぷたぷになった腹を、揺すられて。
そのせいでまたランディのをきつく締め付けることになって。
ランディが興奮して、再開して。
それがエンドレス状態となり。
結局俺は、半日近く、ベッドから出してもらえなかったのであった。
俺は初めてだったというのに。いきなりこれはハードすぎる。
狼人間というのは、絶倫野郎ばかりなのか?
それともランディが特別なのか?
比べたくないので、別に知りたくはないが。
◆◇◆
「散々な目に遭った。もうあんなことは二度としたくない」
バーンは、俺がランディとしたことを知っていて。
ランディとの初めてはどうだったか訊かれたので、正直に答えた。
森で、木の実と薪を拾いながら。
『犬属の獣人、特にロルフの一族は代々多産だからなぁ。いっぱい子が産めるように、そうなってるらしいぞ』
バーンは大きな背中いっぱいに薪を背負っていた。
この世界、精液をいっぱい出された方が子供を孕むんだったか。
……いっぱい子は産みたくない。
精液の量が多すぎるせいか。ランディとしてから、やたらと体調がいいし、肌つやも良くなっているが。
もう、あんなきついのは御免だ。
『……そうか、もう、したくないのか』
とバーンは呟いて。
『いっぱい子が出来たら、一人わけてくれれば、おれはいいぞ』
ん?
「俺と、したくないと言うのか?」
こんな美しい俺と、したくないとは。どういうことだ。
やはり、実はランディを……?
『そりゃ、したいに決まってる。できれば自分の子を産んで欲しい。でもおれ、大きいから。ミヅキはおれがこわいんだろう? ミヅキだけじゃない。みんなおれをこわがる。凶暴なクマだって』
バーンはしょんぼりと肩を落としている。
小さい頃、うっかり加減を誤って、喧嘩した相手に大怪我をさせてしまったことがあるらしい。
以来、怯えずに普通に会話をしてくれるのは街の神官か、とても強いランディくらいだったという。
◆◇◆
「バーンは優しくて、いいクマなのにな」
背中を撫でてやる。
『おれはそんなに優しくもないし、いいクマでもない。悪いクマだ。……ありがとう。ミヅキは綺麗なだけじゃなく、優しいな』
照れたように笑った。
いかん。
うっかりきゅんとしてしまった。
これが母性本能というやつだろうか。母じゃないが。
「優しいよ。俺のために小屋を作ってくれるし、ご飯も作ってくれる」
ランディも一緒に食べてるが。
そんなに仲がいいのに、2人は伴侶にはなれないらしい。
種族の問題だろうか?
『それは、下心があるからだ』
そう言う割りに、バーンは積極的に迫って来ないんだよな。
好き好きアピールが激しいランディと違って。
こわがられるから、という理由だろうか?
それほど他人を気付つけたことがトラウマになっているんだろう。
まあ、見るからに大きそうだし。
こわいといったらこわいけど。
「はは、……これは食べられる実か?」
美味しそうな赤い実をつける木の側へ行こうとしたら。
『駄目だ、その木は!』
◆◇◆
もっさりした毛に、包まれている。
あたたかい。
クマの腹毛は、思ったより柔らかかった。
赤い実をつけた木。
ひとつもぎ取ろうと、揺らした途端。耳障りな羽音がして。
大きなハチが襲ってきたのだ。
それを、バーンがとっさに、自分の身体で俺を覆ってくれたんだ。
クマに変身したのだろう。やたら大きい身体で、全身をすっぽり覆われている。
なのに、重さを感じないのは。俺を潰さないように、気をつけてくれているからだろう。
……バーンは。大丈夫なんだろうか?
きっと、いっぱい刺されている。いくらクマの被毛が固くて丈夫でも、あれだけの大群から刺されては、無事で済むわけがない。
ぶわあ、と。
大きな音がしたと思ったら。
『大丈夫か、バーン! ミヅキはどうした!?』
ランディの声がして。
むくり、と巨体が起き上がり、視界が明るくなった。
クマが左右に身体を揺すると。周りに焼け焦げた大きなハチの死骸がぽろぽろと転がった。
ハチを退治したのは、ランディの攻撃魔法らしい。すごいな。
背後から、満足そうな吐息。
……終わった?
いや、でも。
まだ。
腹が、きついくらいに大きくなって。……苦しいんだが。
『俺のコレ。中で瘤状に膨らんで、全部出し切るまで抜けないから。ミヅキの腹ん中、たっぷり注いでやるからな?』
……何だと!?
そういえば。
近所の人が、散歩中に、犬同士が交尾を始めてしまって。
犬は、妊娠を確実にさせるために、抜けないよう性器が瘤状に膨らむので、こうなったらもうなかなか抜けない、とかいう話をしていたような。
まさか、オオカミも。
狼人間なランディの性器もそうなのか!?
後悔先に立たず。
セックスというのは、軽い気持ちでしていいことではないのだと、充分思い知った。
精液を出し切るまで、ランディの凶悪に太くなったモノは、本当に抜けなかった。
精液は、確かにキスよりも俺を満たしてくれたのだが。
明け方になっても、それは外れなくて。
その上、たぷたぷになった腹を、揺すられて。
そのせいでまたランディのをきつく締め付けることになって。
ランディが興奮して、再開して。
それがエンドレス状態となり。
結局俺は、半日近く、ベッドから出してもらえなかったのであった。
俺は初めてだったというのに。いきなりこれはハードすぎる。
狼人間というのは、絶倫野郎ばかりなのか?
それともランディが特別なのか?
比べたくないので、別に知りたくはないが。
◆◇◆
「散々な目に遭った。もうあんなことは二度としたくない」
バーンは、俺がランディとしたことを知っていて。
ランディとの初めてはどうだったか訊かれたので、正直に答えた。
森で、木の実と薪を拾いながら。
『犬属の獣人、特にロルフの一族は代々多産だからなぁ。いっぱい子が産めるように、そうなってるらしいぞ』
バーンは大きな背中いっぱいに薪を背負っていた。
この世界、精液をいっぱい出された方が子供を孕むんだったか。
……いっぱい子は産みたくない。
精液の量が多すぎるせいか。ランディとしてから、やたらと体調がいいし、肌つやも良くなっているが。
もう、あんなきついのは御免だ。
『……そうか、もう、したくないのか』
とバーンは呟いて。
『いっぱい子が出来たら、一人わけてくれれば、おれはいいぞ』
ん?
「俺と、したくないと言うのか?」
こんな美しい俺と、したくないとは。どういうことだ。
やはり、実はランディを……?
『そりゃ、したいに決まってる。できれば自分の子を産んで欲しい。でもおれ、大きいから。ミヅキはおれがこわいんだろう? ミヅキだけじゃない。みんなおれをこわがる。凶暴なクマだって』
バーンはしょんぼりと肩を落としている。
小さい頃、うっかり加減を誤って、喧嘩した相手に大怪我をさせてしまったことがあるらしい。
以来、怯えずに普通に会話をしてくれるのは街の神官か、とても強いランディくらいだったという。
◆◇◆
「バーンは優しくて、いいクマなのにな」
背中を撫でてやる。
『おれはそんなに優しくもないし、いいクマでもない。悪いクマだ。……ありがとう。ミヅキは綺麗なだけじゃなく、優しいな』
照れたように笑った。
いかん。
うっかりきゅんとしてしまった。
これが母性本能というやつだろうか。母じゃないが。
「優しいよ。俺のために小屋を作ってくれるし、ご飯も作ってくれる」
ランディも一緒に食べてるが。
そんなに仲がいいのに、2人は伴侶にはなれないらしい。
種族の問題だろうか?
『それは、下心があるからだ』
そう言う割りに、バーンは積極的に迫って来ないんだよな。
好き好きアピールが激しいランディと違って。
こわがられるから、という理由だろうか?
それほど他人を気付つけたことがトラウマになっているんだろう。
まあ、見るからに大きそうだし。
こわいといったらこわいけど。
「はは、……これは食べられる実か?」
美味しそうな赤い実をつける木の側へ行こうとしたら。
『駄目だ、その木は!』
◆◇◆
もっさりした毛に、包まれている。
あたたかい。
クマの腹毛は、思ったより柔らかかった。
赤い実をつけた木。
ひとつもぎ取ろうと、揺らした途端。耳障りな羽音がして。
大きなハチが襲ってきたのだ。
それを、バーンがとっさに、自分の身体で俺を覆ってくれたんだ。
クマに変身したのだろう。やたら大きい身体で、全身をすっぽり覆われている。
なのに、重さを感じないのは。俺を潰さないように、気をつけてくれているからだろう。
……バーンは。大丈夫なんだろうか?
きっと、いっぱい刺されている。いくらクマの被毛が固くて丈夫でも、あれだけの大群から刺されては、無事で済むわけがない。
ぶわあ、と。
大きな音がしたと思ったら。
『大丈夫か、バーン! ミヅキはどうした!?』
ランディの声がして。
むくり、と巨体が起き上がり、視界が明るくなった。
クマが左右に身体を揺すると。周りに焼け焦げた大きなハチの死骸がぽろぽろと転がった。
ハチを退治したのは、ランディの攻撃魔法らしい。すごいな。
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