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餓えたオオカミさんに美味しく食べられてしまいました。

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『……美容?』
「いや、バーンが。いつまでも綺麗でいたかったら、魔力の高い男の精を受ければいいんじゃないか、っていうから」

別に検討はしてないが。ちょっと気になっただけで。


ランディは眉根を寄せた。
『これ以上魅力的になられたら困る。今だって、毎朝我慢するの大変なのに』

「えっ」
真顔で突然、何を言い出すのか。

『いい大人なのに。抱きたいと思ってる好きな人相手に、キスだけで我慢してる俺って、偉いと思わないか?』


お、おう。

抱きたいと思ってる好きな人相手って。
……俺だよな? そりゃそうだ。男しかいない世界で、俺のこの美貌である。惚れずにはいられない。

だが。そこで妙に色気のある流し目をこちらに寄越すのはずるくないか?


俺にはそのなど、無い。無かったはずなのに。
うっかり、ときめいてしまうそうになるだろうが。


◆◇◆


じゃあ、試してみるか? と訊かれて。

とっさに拒めなかったのは。本心では、その美容法に興味があったせいだ。
きっとそうに違いない。

お姫様抱っこの状態で寝室に運ばれて。
ベッドに寝かされたと思ったら、あっという間に服を脱がされてしまっていた。何たる手の速さか。

餓えたオオカミさんめ!


「ん、」
真っ先にキスをしながら、抱き締めてくるのは。

前に、そう言ったせいだと思うと、恥ずかしくてどうにかなりそうだ。

あの時。指までは入れられたが、痛くは無かった。
ただ、こわかった。知らなかったから。

今は、そうでもないが。
やたら胸がドキドキしてしまうのは。


……ん?

よく見たら、ランディの尻から、ふさふさのしっぽが出てる。
嬉しげに、ぶんぶん振っている。

耳も出てた。……おい、興奮しすぎだろう。
おかしくて、笑ってしまいそうになる。


ドキドキしているのは、俺だけではないようだ。


◆◇◆


例のぬるぬるしたクリーム状のものを纏った指で中を探られて。
そこを、拡げられていく。

『可愛いよ、ミズキ』
顔では余裕たっぷりな年上の男、という感じだが。

ぶんぶん振っているしっぽが正直すぎて笑えてくる。そうか。そこまで嬉しいのか。


「ランディ」
ランディの背に、手を回す。

手のひらから、ランディの鼓動が伝わる。ランディも、すごくドキドキしているんだ。
年上の、男相手だというのに。

かわいいな、とつい思ってしまうのは、正直すぎるしっぽのせいだろうか?


キスを交わして。
『はじめはこっちの方が、楽だから』

そう言われて、うつ伏せにされ、腰を高く上げた状態で固定された。
獣がするようなポーズに、恥ずかしくなる。

ランディは、美しい俺の顔を見ながらよりも、俺の身体が楽なほうを選んだのだ。
それは、苦渋の決断だろう。

愛ゆえか。


これから自分の身に起こることを想像しても。思ったより、嫌悪感はわかない。

身体を触られるのも、あちこち舐められるのも。
ただくすぐったさと、ぞくぞくした感覚だけで。そう悪くは無かった。

さすがに子供は産める気はしないが。


◆◇◆


『挿れるぞ』
と告げられて。

「……っ、く、」
ずぷっ、と先端部分が入ってきたのがわかる。


『キツ、……息、ちゃんと吐いて』
振り返って見てみると。
ランディは顔をしかめて、腰を少しずつ進めている。きつそうだ。

思わず息を止めてしまっていたのに気付き、ゆっくり深呼吸をしてみる。


『……よし、いい子だ』

ぐ、ぐっ、と腰を突き入れて。ランディのが、どんどん奥へと進んでいるのがわかる。
おかしな感覚だ。
堅いものが、中を割り開くように、自分の体内に入っている。

それが、男の性器で。
これはセックスだって、わかっているのに。

普通に、受け入れてしまっている。


今まで男に種付けされたい願望など、微塵もなかったのに。異常な環境で、平衡感覚までが狂ったか?
異世界なのだから、これは、仕方が無いことなんだ。当たり前のことだと。

身体が。そう望んでいるように、感じるとは。


『大丈夫か? 痛くはないか?』
ランディは、初めての俺を気遣い、優しく声をかけてくれるが。

尻の中に、性器を突っ込まれて。
痛いどころか。

「……い、気持ち、いい……っ、から、」


どうしたことだ。
口を開いたら、あられもない声を出して喘いでしまいそうなくらい、気持ちいいとは。

ランディが嬉しそうに笑ったのが、気配でわかった。


◆◇◆


「んっ、あ、あうっ、そんな、突く、なぁ……っ、」

ギシギシとベッドが軋むくらい、激しく突き上げられて。
それなのに、痛いより、快楽が勝るとは。

『ん? でも、これ、気持ちいいんだろ?』

「ひっ、あ、あっ、んっ、」
揺さぶられ、思わず、声がもれてしまう。


腰骨が、尻たぶにぶつかるくらい、奥まで突っ込まれて。
カリが襞に引っ掛かるくらいまで、引き抜かれる。

それを、何度もされて。
気持ち良くて。頭がおかしくなりそうだ。バカになったらどうしてくれる。


『……ミヅキのナカ、いっぱいに、出していいか?』

色気のある声で、うっとりと、そう言われて。
がくがくと頷く。


唾液であの心地よさなら、精液だと、どんな感じがするのだろう。
中で、味わったら。

それに。
もう、いい加減、終わらせて欲しい。
気持ちよすぎて、つらい。


「……あうっ、」
ズン、とひときわ強く突き上げられて。


ぶわっ、と。そこを拡げられていく感覚。
何だ、これは。
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