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ランドルフの苦悩

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ミヅキは気付いていない。
自分が、めちゃくちゃ男を誘うフェロモンを垂れ流していることに。


ロルフの俺だけでなく、そういうのにわりと鈍いバーンですら、くらくらしてくるくらいの誘引フェロモンが出ているのだ。
見た目が綺麗なだけじゃなく。とてつもなく、いい匂いがするのである。
これは獣人ならずとも、たまらないんじゃないか?

街へ行ったら、やはりフェロモンにやられてふらふらと寄って来てかぶりつきそうなのが大勢いて。
威嚇するのに苦労したほどだ。

最初に発見したのが魔力が高く、抑制がきく俺たちだったから良かったものの。
下手したら、即裸に剥かれて、めちゃくちゃに犯られてたぞ。


早いとこ、しないと、危ないな。
一人じゃ危なっかしくて、歩かせられない。


◆◇◆


早いとこそうしたかったので。
魔法でミヅキの体力を、死なない程度にドレインして。

朝になって、知らないふりして迎えに行った。


ミヅキは可哀想なくらいぐったりしていて、罪悪感を覚えたが。すぐに回復してやるから許して欲しい。
どっちみちしばらくしたら衰弱することには変わらないんだから、それが早まったと思ってくれれば。


バーンのブツが大きいだろうから俺、という、あまり素直に喜べない理由だったが。
俺を最初の相手に選んでくれたのは、素直に嬉しい。

もう俺以外から抱かれたくないって言われるのが理想だが。
そこまで望むのは、贅沢か。


自分の家に連れて行ったのは、ミヅキの小屋にはが無かったからだ。
慣らすのに必要な香油とか。

ミヅキは不安そうな顔をしていた。
異世界から来て、自分が望んだ訳じゃないのに男に抱かれるのだから、当然だろう。

しかも、これが初めての経験だという。
それは嬉しい。比べられることなく、色々教えてやれる。


かわいそうだが。
諦めて、俺に美味しく頂かれてくれ。

これから先もずっと、大事にするからさ。


◆◇◆


脱がしたら、身体も綺麗なもんだった。

綺麗な白い肌。すべすべで、触り心地も極上だ。
いい匂いがして、くらくらするが。必死に、わきあがる欲望を抑える。

獣人が本気を出したら。人間なんて、簡単に引き裂いてしまう。
それでも、人を求めてしまうのだから、獣人というのは、なんともめんどくさい生き物だと思う。


「ん、」
ちょっと触れただけで真っ赤になって。初々しいな。

性器の色も綺麗だ。
今まで、誰にも触れられたことのない身体。俺が初めての男になるんだ。

唾液でも回復してしまうので、口にキスはできないのがつらいな。
白い首に吸い付いて。跡を残した。

「ちょ、」
「……ああ、悪い。早く回復させて欲しいよな?」


色白で、形のいい脚を開かせて。
やはり綺麗な色をした後孔に香油を塗る。何をするか話は聞いていたため、覚悟はしていたようだが。もの慣れない様子にゾクゾクする。

今は慣らすのを優先するが。
愛撫は、挿入した後にゆっくりするから。勘弁してくれよ?


狭い孔に指を差し込んで。
中の熱さと、締め付け。ここに入ったときの快楽を思うと。たまらなくなるが。

「……キツいな。これじゃまだ、俺のは入らない」


早くこの中に入りたいな、と思いながら。
ぬぷ、くちゅ、と、音をさせ、指を出し入れする。

恥ずかしそうなのもたまんないなあ。


◆◇◆


「ラ、ランディ、」
ミヅキの声は震えていた。


「お願いだから、先に、キスして……?」

涙目で。
そんな風に言われてしまったら。

思わず、唇にかぶりつくように、吸い付いてしまう。

「ん、う、」
甘い唇。甘い声。

おい、綺麗な上に、そんなかわいいとか。卑怯だぞ!?


つい、夢中になって唇を貪っていたら。
背中をぽんぽんと叩かれたので、口を外すと。

「は、……何でだ? 腕、動く……」


しまった。
回復させてしまった……!!

ミヅキは、不思議そうに起き上がった。
仕方ない。

「……俺の魔力が強すぎて、精液じゃなくとも回復したようだな」
そう言うしかなかった。


ああ、俺のバカ。


◆◇◆


「……おまえ、バカなのか?」

責められることは覚悟していたが。バーンには心底呆れた目で見られた。
精液じゃなければ回復しないと嘘をついて抱いてしまう作戦、大失敗である。


せっかく、体液であれば何でも回復することを黙っていたのに。
キスで回復することを知ったら、もう、そう簡単には抱かせてはもらえないだろう。

とりあえず身体を繋げ、匂いつけして。周囲のオスに牽制しておいた上で。
中で出される快楽を教えて。
身体から慣らしていって、徐々に好きになってもらう予定だったのに。

俺のせいで、計画は台無しだ。


「だって! あんなかわいくキスをおねだりされてみろよ! 応えなきゃ男じゃねえだろ!?」

初めてだったから。
興奮した男に性急に身体だけを求められて、怖かったんだろう。

震えてたし。
あれで無理矢理押し通しても、愛は芽生えないし、子供なんか望めないだろう。

心から愛し合わなければ、子供は授からない。
女神のジャッジは厳しいのだ。


「……だが、キスは普通に受けいれたんだ。一歩進んだともいえる」
俺は前向きに考えることにした。

相手は異世界人で。こっちの常識とは違う世界で生きてきた人間だ。
男同士で交尾することすら、想定外だったって顔してたし。

一歩は進んだはず。
だよな?


「二歩目は、長い道のりじゃねえかな……」
「……だから悪かったって……」


バーンは二番手と決定したので。
俺が先にやらないと、いつまでもやれないのである。
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