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キノコマスター、求婚される。
魔法について勉強をする
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今までバルは、スデステ村の人が生贄として差し出すために、何の力も無い一般人を異世界から召喚したものだと思っていたらしい。
それで、一般人なのに自分を勇者だと信じて、努力をして。
地道にレベルを上げていたり、キノコマスターになったりしたのを大変いじらしい、努力家だなあ、と感心していたようだ。
キノコマスターになった勇者は、今までの歴史上、初めてのことだって?
そ、そうなんだ……。
だよなあ。
キノコの知識なんて、魔王討伐には全く役立たないだろうしな……。
*****
「ええと。さっき、”遠見の術”で外を見て回ってたんだけど。海の近くに、俺を召喚した魔法使いがいたんだ。それがウィルフレドで……」
ウィルフレドは魔王のことを話して。
バルは世界一の魔術士だから、城へ行って協力を求めるように、って言われたことを説明した。
バルは、額を押さえて溜め息を吐いた。
「なんと。優輝を召喚したのは、フレッドだったか。ぬかったわ! 確かに、そのような大魔術を使えるのは彼奴くらいであったというのに。……しかし、スデステ村にあの守銭奴を雇えるほどの金銭を所持してなかったはずでは?」
守銭奴なんだ……。
納得。
「なんか、村人がお金をケチったから、レベル1の勇者を召喚したんだって言ってた。でも、まだ弱いけど、確かに勇者だよ、って言われた……」
思い返すだにひどい話だよな……。よく泣かなかったよ俺。
「…………そうか、」
バルも、微妙な顔をしている。
俺を召喚したことは感謝したいけど、ウィルフレドには感謝したくない気分だそうだ。
うん、わかる。俺もだよ。
異次元から召喚する次元魔法には厳しい制約があって、特に、異世界から魔王の力を抑えることができる”勇者”なんて存在を召喚できるのは、千年に一度だけだという。
その貴重な一回を、俺なんかに使ってしまうとは。
ウィルフレドは、頭がどうかしていると思う。
ただの異世界人を召喚するのにも、色々と細かい決まりがあるそうだ。
ウィルフレドは、目的によって条件を絞り込むのに、村人から細かく事情を聞いたはずだ、という。
村人が求めているのは、”勇者”という名の”生贄”だった。
でも、ウィルフレドはバルのことを知ってるわけだし。
村の人から話を聞いて、村の人が魔王だと思ってるのはバルのことで、誤解だってわかってたんじゃないの?
誤解だとわかってて、あえて本物の勇者を召喚したのかな?
どういうつもりなんだろ?
バルは頭痛をこらえるみたいな顔で、「あいつは守銭奴な上に気まぐれで何を考えているかはさっぱりわからない」と言った。
かなり困った人のようだ。
「しかし、それで私の子猫ちゃん、優輝が召喚されたのだ。スデステ村には感謝しかないな」
真顔で言った。
バルは揺るぎなかった。
*****
鳩を飛ばす魔法で、何であんなに疲れていたのかは、バルが魔法書を確認してわかった。
俺がやった”遠見の術”は、自分の魂も一緒に飛ばしてしまうものだった。
やたら疲れたのも、肉体から離れ過ぎたのと、無駄に魔力が漏れていたからだそうだ。
ファビオのお祖母ちゃんが持っていた魔法書は、自己流というか、由来や系統がはっきりしないものが多いようだ。
外国のものだからかな?
これからは自分が基本から教えるから、とか言って、魔法書を取り上げられてしまった。
かなり危険な魔法もあるので、封印して、厳重に保管しておかないといけないものだったらしい。
ファビオのお祖母ちゃんの形見なのに。ファビオには謝っておかないとな……。
世界一の魔術師から魔法を教わるとか、光栄だけど。
何で、鞭なんて持ってるんだ?
気分を出すため? どんな気分だよ……。
一通りの基礎魔法を試してみた後。
バルは、満足げに頷いた。
「魔法といっても、精霊魔法、光魔法、闇魔法など。系統は多岐に渡り、通常、何かしら 得手不得手があるものだが。優輝はどれも使えるようだね。素晴らしい」
俺は”勇者”という、かなり特殊なクラスの職業? なので。正確には、”魔法使い”のカテゴリーには入らないみたいだけど。
得意な魔法によって細かく分かれていて、精霊魔法しか使えない人は精霊使いと呼ばれたり。医療専門職もいるとか。
魔法使いの上位職が魔法師、その上が魔術師で。更にそれぞれ下、中、上、特級って階級があるそうだ。
バルは、到達者級の魔術師……”特級魔術師”の資格を持ってるんだって。
これより上のクラスは存在しないらしい。さすがだ。
ウィルフレドは、本当は上級魔術師の資格くらい軽く取れるようなレベルだけど。
魔法を使えない人からすれば、それこそ神様みたいに何でも出来ると思われているので、期待されてがっかりされることもあるし。色々面倒なので、あえて階級を上げようとしないで、かなり下位の”上級魔法使い”を名乗っているらしい。
バルの側近であるエリアスは、魔法を使えないけど。優秀なサポート役なので、本人が飽きるまでは長生きするような魔法を掛けてあるそうだ。
それでもう何百年も側仕えしてるとか。よほどバルを慕っているのかな?
それで、一般人なのに自分を勇者だと信じて、努力をして。
地道にレベルを上げていたり、キノコマスターになったりしたのを大変いじらしい、努力家だなあ、と感心していたようだ。
キノコマスターになった勇者は、今までの歴史上、初めてのことだって?
そ、そうなんだ……。
だよなあ。
キノコの知識なんて、魔王討伐には全く役立たないだろうしな……。
*****
「ええと。さっき、”遠見の術”で外を見て回ってたんだけど。海の近くに、俺を召喚した魔法使いがいたんだ。それがウィルフレドで……」
ウィルフレドは魔王のことを話して。
バルは世界一の魔術士だから、城へ行って協力を求めるように、って言われたことを説明した。
バルは、額を押さえて溜め息を吐いた。
「なんと。優輝を召喚したのは、フレッドだったか。ぬかったわ! 確かに、そのような大魔術を使えるのは彼奴くらいであったというのに。……しかし、スデステ村にあの守銭奴を雇えるほどの金銭を所持してなかったはずでは?」
守銭奴なんだ……。
納得。
「なんか、村人がお金をケチったから、レベル1の勇者を召喚したんだって言ってた。でも、まだ弱いけど、確かに勇者だよ、って言われた……」
思い返すだにひどい話だよな……。よく泣かなかったよ俺。
「…………そうか、」
バルも、微妙な顔をしている。
俺を召喚したことは感謝したいけど、ウィルフレドには感謝したくない気分だそうだ。
うん、わかる。俺もだよ。
異次元から召喚する次元魔法には厳しい制約があって、特に、異世界から魔王の力を抑えることができる”勇者”なんて存在を召喚できるのは、千年に一度だけだという。
その貴重な一回を、俺なんかに使ってしまうとは。
ウィルフレドは、頭がどうかしていると思う。
ただの異世界人を召喚するのにも、色々と細かい決まりがあるそうだ。
ウィルフレドは、目的によって条件を絞り込むのに、村人から細かく事情を聞いたはずだ、という。
村人が求めているのは、”勇者”という名の”生贄”だった。
でも、ウィルフレドはバルのことを知ってるわけだし。
村の人から話を聞いて、村の人が魔王だと思ってるのはバルのことで、誤解だってわかってたんじゃないの?
誤解だとわかってて、あえて本物の勇者を召喚したのかな?
どういうつもりなんだろ?
バルは頭痛をこらえるみたいな顔で、「あいつは守銭奴な上に気まぐれで何を考えているかはさっぱりわからない」と言った。
かなり困った人のようだ。
「しかし、それで私の子猫ちゃん、優輝が召喚されたのだ。スデステ村には感謝しかないな」
真顔で言った。
バルは揺るぎなかった。
*****
鳩を飛ばす魔法で、何であんなに疲れていたのかは、バルが魔法書を確認してわかった。
俺がやった”遠見の術”は、自分の魂も一緒に飛ばしてしまうものだった。
やたら疲れたのも、肉体から離れ過ぎたのと、無駄に魔力が漏れていたからだそうだ。
ファビオのお祖母ちゃんが持っていた魔法書は、自己流というか、由来や系統がはっきりしないものが多いようだ。
外国のものだからかな?
これからは自分が基本から教えるから、とか言って、魔法書を取り上げられてしまった。
かなり危険な魔法もあるので、封印して、厳重に保管しておかないといけないものだったらしい。
ファビオのお祖母ちゃんの形見なのに。ファビオには謝っておかないとな……。
世界一の魔術師から魔法を教わるとか、光栄だけど。
何で、鞭なんて持ってるんだ?
気分を出すため? どんな気分だよ……。
一通りの基礎魔法を試してみた後。
バルは、満足げに頷いた。
「魔法といっても、精霊魔法、光魔法、闇魔法など。系統は多岐に渡り、通常、何かしら 得手不得手があるものだが。優輝はどれも使えるようだね。素晴らしい」
俺は”勇者”という、かなり特殊なクラスの職業? なので。正確には、”魔法使い”のカテゴリーには入らないみたいだけど。
得意な魔法によって細かく分かれていて、精霊魔法しか使えない人は精霊使いと呼ばれたり。医療専門職もいるとか。
魔法使いの上位職が魔法師、その上が魔術師で。更にそれぞれ下、中、上、特級って階級があるそうだ。
バルは、到達者級の魔術師……”特級魔術師”の資格を持ってるんだって。
これより上のクラスは存在しないらしい。さすがだ。
ウィルフレドは、本当は上級魔術師の資格くらい軽く取れるようなレベルだけど。
魔法を使えない人からすれば、それこそ神様みたいに何でも出来ると思われているので、期待されてがっかりされることもあるし。色々面倒なので、あえて階級を上げようとしないで、かなり下位の”上級魔法使い”を名乗っているらしい。
バルの側近であるエリアスは、魔法を使えないけど。優秀なサポート役なので、本人が飽きるまでは長生きするような魔法を掛けてあるそうだ。
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